雪の町を走る
――横浜駅前。
山から降り、町中をしばらく走って中心部までやってきたが、雪は非常に激しく、あたりは銀色に染まっていた。
もはや道路は見えないが、新雪であるためか、スタッドレスタイヤならばそこそこ走ることができる。
しかし、それでも慎重に運転しなければ、すぐにスリップしてしまいそうだ。
当然、歩行者はおらず、店も殆どはしまっている。
景色はホワイトアウト。ほとんど何も見えないが、かろうじて建物の影は見えた。
「うーん……おかしいな、ラジオが通じない」
「この雪でラジオ局がやられたか……? テレビはどう?」
「……駄目だ、映らない」
結城は車載テレビを弄りながら、さくらの言葉にそう答えた。
先程からテレビやラジオを点けて情報収集をしようと奮闘しているが、どちらもノイズしか聞こえないのだ。
「仕方ない、ネットで――あれ?」
「どうしました?」
「スマホが圏外になってる……」
こんな町中であるにも関わらず、さくらのスマホには「圏外」という文字が浮かんでいる。
「この雪のせいか……?」
「インターネット回線って雪で切れるものですか?」
直樹はそう言って、自分のスマホも確認した。
しかし、やはり「圏外」と書かれている。
「まさか……電磁パルス攻撃?」
「電子機器が壊れてないから、そんな訳はないと思うけど……」
「……お、あそこのコンビニ開いてんぞ。新聞でも買って確認するか」
結城はそう言うと、ハンドルを大きく切った。
「気をつけて駐車してくださいね。……多分、ここらへんから駐車場ですかね。駐車線は見えませんが――」
窓の外を見ながら、和佳奈はそう言う。
それを聞いて、結城がいった。
「どうせ誰も来ないよ。ここで駐車しよう」
車を止め、降りる。
膝程度ある雪をかき分けながら、コンビニの扉に近づく。
しかし、自動ドアは動かない。
「あれ、壊れてるのか……?」
「停電してるわけじゃないし、センサーが凍ってるのかな?」
さくらはそう言いながら、センサーに向かって何度も手を振る。
しかし、自動ドアは全く動かない。
「仕方ない、こじ開けるかー……」
そう言って、結城はドアの隙間を掴み、思いっきり引っ張る。
「うんぬぬぬ……!」
「頑張れー」
「ぬぬぬ……男性陣……! 手伝えよおい……!」
そう言いながら、結城は直樹と翔を見た。
「はー、仕方ないっすね」
「あー、はいはい」
直樹と翔も自動ドアの隙間を掴んで引っ張るが、動きそうにない。
『……あの』
「んぬぬ……どうした?」
『私の馬力は10馬力です。人間が瞬間的に出すことができる馬力は1~2程度とされているため、私が開いたほうが効率的だと思われます』
「……確かに」
三人がドアから離れると、ツバキはドアの隙間に手をかけ、思いっきり開こうとする。
直後、自動ドアがガラララっと開き、店内に入店音が響いた。
「さすがトークロイドっ!」
「人間にできないことを簡単にやってのける!」
「そこにしびれる! 憧れるっ!」
「何いってんだお前ら」
店内は暖房が聞いており、また、営業も続いているようだ。
ただ、多くの人が避難してきているようで、平常時と比べたら異様な雰囲気が漂っている。
「いらっしゃーせー」
「この豪雪で仕事って大変だな……」
カウンターに立っていた店員を見てそうつぶやきながら、置かれていた新聞を手にする。
「もう報道されてるのか」
「そりゃあ、特ダネだしね……」
新聞を読みながら、さくらはそういった。
「……ん? ここの”米国本国”ってどういうこと? 本国ってもう無いじゃん」
「多分、大使館――転移後臨時政府のことじゃないか? 政府的には、大使館が『アメリカ合衆国』そのものとして扱われてるはずだし」
「あ、なるほど」
新聞をパラパラとめくっていく。
しかし、有用そうな情報は先程見た面にしかなさそうだ。
「うーん……とりあえず、これは買っていこう」
「そうだね」
「……しかし、コンビニで新聞買うなんて初めてですね」
直樹がそうつぶやく中、7人はレジに向かう。
そして、新聞を購入し、外に出ると、先程よりも雪が激しくなっているようである。
車は雪に覆われており、それらを払って扉をこじ開ける。
「……ん?」
その時。結城は、雪の中を見た。
しかし、その先は激しい猛吹雪のせいで、ほとんど何も見えない。
「どうしたんです?」
「なにか、音が――」
直後。
巨大な影が、彼らの上を通り抜けた。
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