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カーチェイス

――雪の中、相手の車を追う。


「ツバキ、相手の車種は!?」

『解析中。……月産自動車のアルアです!』

「月産の電気自動車か。それならこっちの方に利があるぞ!」

「なんで?」

「忘れたのか? この雪で電力供給がままならなくなってるし――雪のSUVARUだぞ?」

「でもこっち一度故障してますけど」

「クソッ、これだからSUVARUは!」

「手のひらくるっくる」

「というかあんな運転したら故障するのは当たり前でしょ」


そんなことを言いながらも、車を追う。

街の景色が、次々と後ろに流れていった。


「ツバキ、相手のタイヤを!」

『了解!』


後部座席の窓を開き、ツバキが体を乗り出す。

そして、前を走る相手にむかって拳銃を撃った。

三発の銃弾が、高速で車へと飛んでいく。

銃弾の一発が相手車のタイヤを打ち抜き、巻き上げる雪の量が増える。

少しゆらっとしたが、そのまま走っていた。


「くそ、命中したのに!?」


相手車は速度を上げ、こちらとの距離が広げられる。


「おいおい、パンクしたのに加速できるのか!?」

「何らかの魔術がかかっているんでしょうか」


と、その時。黒い影が、車の周りを包んだ。

上を見ると、何か――巨大な鳥が浮かんでいる。


「鳥っ!?」


その鳥は、何かをつかんでいた。

それが手を離すと、つかんでいたものが目の前に落ちてきた。


「回避ーっ!」

「うおーっ!」


結城がとっさにハンドルを切り、その落ちてきたものを避ける。

落ちてきたものを確認すると、それは「車」だった。

同じように、どんどん車が落ちてくる。

セダン、トラック、ハッチバック、バンなど、あらゆる車種、あらゆるメーカーの車が道路に落ち、七人の行く手を遮る。

それを避けながら進むが、その影響で相手車との距離はどんどん引き離されていった。

相手の車が、目の前の交差点を左に曲がる。


「あのカーディーラーを突っ切る!」

「はぁ!?」


結城がハンドルを左に切り、そのまま角のカーディーラーに突っ込んだ。

自動ドアを吹き飛ばし、展示された車の前を通り抜けると、向かい側のドアを吹き飛ばして外に出る。

相手車は目の前にいた。


「とんでもない運転!」

「でもこうして近づけた!」


展開したエアバッグを押しどけながら、結城がそう叫ぶ。

直後、相手車とこちら側の間に乗用車が落ちてきた。


「うおっ!」


それをとっさに避けるが、また距離が開けられてしまう。

相手はコンビニ駐車場を突っ切り、右折した。

同じように駐車場を突っ切り、それを追いかける。

と、その時。相手の車から手が出てきたかと思うと、そこに現れた魔法陣から何かが飛んでくる。


「よけろっ!」

「わかってる!」


ハンドルを切るが、そのまま中央分離帯に突っ込んだ。

垣根を破壊しながら、相手車を追う。


「魔法ってことは、異世界人か!?」

「かもしれん、とにかくあの車を止めなきゃ!」

「ツバキ!」

『はい!』


そういいながら、ツバキが相手車のタイヤを打ち抜く。


「さすがトークロイド、とんでもない精度!」


相手車は少しふらふらしながらも、いまだ走っていた。

空からは相も変わらず車が降ってきており、こちらは右に左にと動き回っている。

相手は急ハンドルを切ると、そのままインターチェンジに突っ込む。

バーを弾き飛ばし、首都高速に乗った。


「高速乗ったよ!」


折れて使い物にならなくなったバーを踏み越え、同じように首都高速に入る。

首都高速に入り、しばらく走っていると、バックミラーに車が数台映った。

どう見ても、こちらを追ってきている。


「相手の増援か!?」


直後、車が揺れ、大きく蛇行する。


「ハンドルがとられる!」

「タイヤがやられたんだ!」


さくらがそういうと、結城は何とか車の体勢を立て直した。


「この雪で立て直せるとは、さすがスタッドレス!」

「パンクしてる時点でスタッドレス関係なくね」

「で、ツバキ! 追っての車種は」

『フリウスですね』

「トヨダか……月産、SUVARU、トヨダ、自動車メーカー勢ぞろいだなおい!」


相手はフロントガラスを自分で割ると、こちらにサブマシンガンを乱射してきた。


「サブマシ!? まじかよ!」

『米軍のM3サブマシンガンです!」

「反乱軍か!」

「なんで反乱軍がフリウス乗ってんの!?」

「軍用車両だと目立つからじゃないですか?」

「反乱起こしてる時点で目立つもくそもねえだろ」


直樹とさくらがそんなことを話している中も、サブマシンガンを乱射している。

しかし、結城が何度も急ハンドルを繰り返しているためか、ほとんど当たっていなかった。


「今は何とかなってるけど、サブマシなんて食らったらお陀仏だぞ! こちとら一般車やねん!」

「なんで関西弁!?」

「地元!!」

「お前東京出身だろ!」


直後、銃弾が数発、リアガラスを貫き、そのままフロントガラスを貫いて車内を抜けていった。


「うわぁっ!」

「あっ、カメラが!」


結城がそう言う。

見ると、バックミラーに砂嵐が走っていた。

この車のバックミラーは、スマートリヤビューミラーだ。

銃弾が、リアカメラを破壊したのだろう。

結城は、それを通常ミラーモードにする。


「これで、ミラー本体がやられるまでは何とかなるか――」


その時、もう一度、数発の銃弾がリアゲートを貫いた。


「うぴゃーっ! 私の横貫いてった!」


さくらがそういうと、直樹が言う。


「うぴゃーってなんすか。うぴゃーって」

「とっさに出ただけ! 復唱しないで!」


と、その時、アイが杖を掲げ、言った。


「レジストベール!」


直後、うすい膜が車を包む。


「レベル高めの防御魔法を張りました! これで、しばらくは大丈夫なはずです!」

「よくやった! でも、タイヤがパンクしたり、リアカメラがやられる前にやってほしかったかな!」


結城がそう言った。


「しかし、高速はカーブが少なくて追いつけないな……!」

「じゃあ魔法で速度速めますか?」

「それできるなら早くしてくれ!」

「あ、はい。クイックラン!」


車の速度が一気に早くなり、街灯と防音壁がものすごい速度で後ろに下がっていく。

追っ手との距離がどんどん離れていき、逆に相手車との距離はどんどん縮まっていった。


「しかし、相手を止めたとしても、後ろのやつらが居たらだめじゃね?」

『それならこうすればいいんですよ!』


そういいながら、ツバキは追っ手のうち、一番前にいた車の前タイヤを二つとも打ち抜く。

タイヤはバランスを崩し、スリップ。後ろの車にぶつかり、一緒に道路の向こうへ消えていった。


「それできるなら早くやってよ、ってことが多すぎる!」

『忘れてまして』

「機械が忘れるとかないだろ」

「というかあれは忘れるとかじゃないでしょ」

「ま、まぁええわ……とにかく、相手を止めよう。この速度だ、追っ手の場所からはだいぶ離れたはずだし、ここで止めても問題ないだろう」

「止めるってどうするんですか?」

『弾はもうないですよ』

「少なくね?」

『こんなもんでしょう。多分』

「よし、それなら――PITマニューバだっ!」


そういうと、結城は急加速し、相手車の後部フェンダーあたりにこちらの前部フェンダー付近をぶつけた。

相手車はスピンを起こし、くるくるしながら街灯にぶつかり、停止する。

街灯に積もっていた雪が落ち、相手車の上に乗った。


「ふぅ……止めれた」


ブレーキを踏み、相手車の近くに止める。

相手の車の扉が開き、女性二人が反対車線に向かって逃げ出した。


「あ、まて!」


こちらもすぐさま降車し、それを追いかける。


「あ、俺はサービスエリアに車止めてくるね。こんなところで止めてたら迷惑だから」

「変なとこで良心持つな」


逃げ出した女性たちは中央分離帯を乗り越え、向こうの車線に飛び込んだ。

こちら側の車線は車がほとんどいなかったが、向こう側は車が多い。

彼女らは走る車をよけながら、非常口に飛び込んだ。

追おうとするが、さすがに車が走りまくるここを通り抜ける勇気はない。

おとなしく、車に戻った。


「とりあえずサービスエリアまで行きますー?」


結城がそういうと、さくらが答える。


「それより、高速から降りたほうがいいでしょ。高速は、出口が封鎖されたらやばいし」

「出口すべてを封鎖できるほどの量いるかな、反乱軍」

「いないとは思うけど……油断は禁物だから」

「それもそうか」


そういうと、結城はアクセルを踏み込んだ。

「面白かった!」


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