アレ
「ウーバーイートでーす」
「はーい」
そう言いながら、和佳奈がビニール袋を受け取った。
「この雪の中、ご苦労さまです」
「いえー」
扉を締め、リビングに戻ってくる。
そして、袋をローテーブルにおいた。
「医院長、お金」
「こういうときは割り勘でしょ!」
「あんたが一番稼いでんだろ」
「何も言えねぇ」
「……ってか、アレって食事のことなんだ……」
さくらがそう言うと、結城は財布から1万円を取り出しながら言った。
「腹が減っては戦はできず。常識だろ?」
「まぁそれは確かに……アイちゃんは何を頼んだんだっけ?」
「カツ丼です」
「だいぶ重いもん食べるね……」
「さくらさんも牛丼頼んでましたよね?」
「牛丼とカツ丼だったらカツ丼のほうが重いでしょ」
「女子勢が軒並み丼物を頼んでるのは一体何なのか」
「私は丼物頼んでないが?」
それぞれの前に料理が置かれる。
アイの前にはカツ丼、さくらの前には牛丼が。
和佳奈の前にはカレー、結城の前にはロースカツ定食。
「カツ食って勝つ、ってな」
「あんたってゲン担ぎするんだ……」
「医者だからね」
「理由になってないぞ」
そういった直樹の手にはハンバーガーが。
「……久しぶりにこんなジャンクなもの食べたな」
「海自のご飯はおいしいッスけど、ジャンクかって言われると微妙ですしね」
翔はそう言いながら、眼の前に置かれた唐揚げ弁当に箸を伸ばした。
漬物を掴み、口へ運ぶ。
唐揚げを最初に食べないのか、と思いながら、直樹はハンバーガーを頬張った。
「……で、これからどうしようか」
牛肉を箸で掴み、さくらがいう。
「うーん……何にせよ、在日米軍の反乱をなんとか止めなきゃいけないと思います」
「止めるっつってもなぁ。『しなの』奪還は船の中にいる人がするんだろ? なら、こっちは全く別の動きをしたほうがいい。しかし―ーできることが思いつかないぞ」
結城がそう言って、カツを口に放り込む。
「とりあえずツバキを回収しましょう。戦力は多ければ多いほど良い」
「ツバキか。どこの工場に預けてたんだっけ」
「東京工場です」
「東京工場かー」
加原重工東京工場。
加原重工の保有する国内工場で最も規模の大きい施設であり、本社の近くに位置している。
加原重工の製品をほぼ全て製造しており、トークロイドの修理を行う整備センターも併設されている。
ツバキはこの整備センターに送られているようだ。
「言っても返してくれるかどうか。一応海上自衛隊の装備って扱いだしねぇ、あの子」
「いざとなったらチェーンソーで……」
「やめろ」
「冗談じゃん」
「お前が言ったら洒落にならないんだよ」
「医院長のテンションってほぼ常時お酒飲んでないと実現できないレベルだと思うんですけど……」
「飲んでないが。飲酒運転になるだろ?」
「なんでそういう法的倫理だけはあるんだよ」
「……ま、とりあえず東京工場言ってみるか」
食べ終わった結城が、そう言って立ち上がった。
「あ、和佳奈もついてきてね」
「えぇ……まぁいいですけど」
「面白かった!」
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