事件発生
~横須賀基地・空母ロナルド・レーガン艦内~
「副長、そろそろ時間です」
「ああ。わかった……しかし、この雪はすごいな……」
空母ロナルド・レーガンの副長であるライアン・テンプル大佐は、窓の外を見ながらそうつぶやいた。
「予想外の寒波です。さすが異世界……しかし、日本軍や警察が大寒波の対処に追われている今、計画の実行にはまたとないチャンスです」
「ああ。……よし、行くか」
そう言って、彼は拳銃を取り出した。
数人で、ロナルド・レーガンの艦橋へ向かう。
副長に追従する彼らの手には、例外なく武器が握られていた。
***
――数分後。護衛艦「しなの」艦橋。
「太田くーん。なんでそんなに身長高いの?」
「さぁ……。運動してるから?」
「運動は私もしてますが。自衛隊員だぞ?」
「それは僕もそうですよ」
その直後、CICからの報告が入る。
『CIC艦橋! 航空機を感知! 方位、0‐9-3!』
「なにっ!?」
さくらは、咄嗟にCICへ走り始める。
翔と太田も、少し遅れながらその後についていった。
***
扉を開き、少々寒く、暗い室内に走りこむ。
壁には多数の画面が整然と並んでおり、艦長席や海図を表示するアクリルボードも置かれていた。
機械を扱う関係上、CICの温度は低めに設定されている。
この大寒波なのでさすがに冷房は入っていないが、それでも寒かった。
「数は!」
扉が閉まり、通路からの光が遮断される。
それとほぼ同時に、直樹がそう聞いた。
「数5! 距離5000! 敵味方識別信号応答なし! 速度……820!」
「一体何が起きて……機種は」
さくらは、レーダー画面を見ながらそう尋ねる。
混乱のせいか、少々声が上ずっていた。
「機種解析完了しました! F-35C!」
「F-35C……? この吹雪の中でか。……F-35Cってことは米軍――いや、F-35が来るなんて話聞いてないしな……何かあったにしても、この吹雪の中わざわざ飛ばすか……?」
報告を聞きながら、さくらはそんなことをつぶやいている。
「F-35、どんどん近づいてきます! 距離4000!」
「通信は!」
さくらがぼそぼそつぶやいている中、直樹がそう聞いた。
「通信封鎖中の模様で、応答なし!」
「う~ん……いったん、航空部隊を上げて様子を……この雪で甲板がやばいんだった。雪かき急げ! 準備でき次第、スペード隊を発艦!」
「了解」
「対空警官を厳に。大丈夫だとは思うが……」
そういいながら、直樹はさくらの方を見る。
さくらは、いまだに何かをぶつぶつ言っていた。
「何をぶつぶつ言ってるんですか」
「いや、ちょっとね……」
「あっ、ロックオンされました!」
「なにっ!?」
こちらに向かってきているF-35から、武器誘導用のレーダー波が照射されたのを、艦の警報機が捉えた。
「対空戦闘用意!」
直樹がそういうと、艦内に一般警報アラームが鳴り響き、放送で「対空戦闘用意」と流れる。
艦は一気に騒がしくなった。
「ロックオン……? F-35はステルス機。ミサイルを撃つつもりなら、レーダーに映らない状態で接近して、不意を打つはず……でも、ロックオンするまでにレーダーに引っかかっている。しかも、少し映ったとかじゃなくて、解析できるほど鮮明に。ってことは、レーダーリフレクターを外してない……? ミス……なわけないしな。ってことは、わざと……? ……まさか!」
直後、艦が激しく揺れ、さくらは転んでしまう。
頭をコンソールにぶつけ、強い痛みを感じながら立ち上がった。
「いたたた……な、なにごと!?」
めまいで少々ふらふらしながら、そう叫んだ。
「左舷に被弾!」
艦が大きく傾く中、そう報告が入る。
「応急班を編成! ダメコン急げ!」
「やはりデコイだったか……! さっきのF-35はどうなった!」
「離れていきます!」
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