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北風博士


「どうぞ」


という中性的な声が中から聞こえ、中田は扉を開ける。


「失礼します。自衛官の方々をお連れしました」


中田は部屋の中に入り、それに続いてさくらたち自衛隊の面々も入る。

中はかなり広く、両側の壁に本棚がびっしりと並べられているが、その中には本や資料などが詰められており、USBメモリが置かれているのも見えた。

床には多数の物が散らばっており、そのすべてが本や紙などの資料のようであり、奥には洗濯物の山があった。


部屋の中にいたのは、二十代ほどの白衣の女性である。

黒い髪を長く伸ばしているが、それをポニーテールにまとめているため、髪が長いようには見えない。

また、肌の色は白かった。

眼鏡をかけており、さくらたちが入ってもモニターから目を離すことはなかった。

キーボードをたたきながら、彼女はこういう。


「どうも。横浜魔法研究所の北風です。北風ひかり。よろしく」

「よ、よろしくお願いします。私は木村です。こっちは太田と内村」

「よろしくお願いします」

「よろしくっす」


室内にはキーボードの音だけが響く。

気まずい空間の中、さくらが口を開いた。


「あの……私たちに魔法のことを教えてくれるのって……」

「ああ。私」


北風はそういうと、モニターから目を離した。

そして、さくらのほうを見る。


「木村さん、だっけ?」

「あ、はい」

「OK、何のことから知りたい? 魔法の仕組み? それとも、超常技術?」

「えっと……とりあえず魔法の仕組みを知りたいです」

「わかった。そこに座って」


北風はそういうと、さくらたちの近くにある椅子を指さした。

人数分のキャスター付き椅子が置かれているが、その上には本が雑多に積み上げられており、そのどれもが専門書のようである。

数冊の背表紙を読んでみても、一般人にはとても理解しがたいようなものばかりだ。

四人は本をどけ、その椅子に座る。

キャスター付きの椅子であるうえ、床にいろいろなものが転がっているため、少し不安定だ。

北風は、さくらたちが座ったのを確認すると、口を開いた。


「さて……まず、君たちは魔法をどのようなものだと思っている?」

「どのようなものだと思っているか、ですか……?」


さくらが首をかしげると、北風がうなずく。


「そう」

「それは……こう……なんだろうな……えーっと……不思議な力? 科学で証明できない不思議な現象を起こす力って感じ……かな?」

「ふむ……太田さんは?」

「え!? えーっとー……なんか、こう……サイコパワー的な?」

「なるほど。内村さんは?」

「そうだなー……魔法は……う~ん……科学の逆?」


北風は全員の答えを聞き終えると、再び口を開いた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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