上陸作戦
第一トークロイド小隊のうち、第一分隊。
八機のトークロイドは、上陸艇から降りて上陸地点に展開した。
分隊を編成するトークロイドたちには分隊長から順に数字が印字されており、それに従って一番機、二番機、三番機といった感じで呼ばれる。
一応、ツバキと同じくそれぞれ名前を持っているが、戦場では効率性が重視されるために、数字で呼ばれることがほとんどだ。
分隊は、フサワ電波塔に向かっていく。
電波塔は鉄製フェンスで囲まれており、門の前には全身鎧を着た見張りが二人ほど立っている。
偵察で得られた情報をもとに考えると、彼らが魔導兵だろう。
また、フェンスと建物の間を、槍を持った歩兵が三人ほど巡回している。
電波塔自体は高さ100メートルほどの鉄塔で、この町全体の通信網を司っているようだ。
電波塔を制圧してしまえば、この町の通信網は完全に機能しなくなるだろう。
物陰に隠れていた二番機が、テーザーガンで見張りを撃った。
今回の作戦では、殺害が最小限になることを求められているため、分隊のトークロイドは非殺傷、もしくは低殺傷武器だけを利用できる。
テーザーガンから発射されたプローブは、敵の装甲にあたり、跳ね返される。
カキーン、という金属音により、兵士はトークロイドの存在を発見した。
「敵っ――!」
そう言いながら、兵士は左腕をトークロイドに向け、炎魔法を放ってきくる。
放たれた炎球は、二番機が隠れていた障害物である街路樹を吹き飛ばし、燃やした。
あたりに木が倒れる音が響き、熱気が充満する。
それは、部隊の存在をあたりに知らせるには十分な物だった。
周りにある建物の明かりが次々と点灯し、電波塔から兵士がわらわら出てくる。
その兵士たちは、どこからかフェンスを通り抜け、隊を包囲した。
もはや、強行突破をするしかない。
トークロイドに搭載されたコンピューターは、即座にその内容をたたき出した。
「敵襲、敵襲ーっ!」
電波塔から飛び出してきた魔銃歩兵がそう叫ぶ。
どこからかグリフォンナイトが飛んできて、隊に襲い掛かってきた。
トークロイドは、そのグリフォンに向かって銃弾を放つ。
その銃声は、戦闘が発生したことをあたりに知らせるには十分だった。
***
グリフォンナイトは、トークロイドの放った銃弾を脅威の機動力でかわし、持っていた斧で二番機に切りかかってきた。
片手で持てるほどの小型な戦斧だが、トークロイドを切り裂くには十分である。
『おっと』
二番機も驚異の運動能力でそれを避けた。
トークロイドは、人間に親近感を持たせるため、動く際に掛け声を出すようになっている。
そのため、今回の回避でも小さく声を出していた。
なお、トークロイドの運動能力は、人間の数倍。
その上、因果律予測機能を持っているため、敵の攻撃を避けることが容易になっている。
しかし、今の攻撃は避けたからいいものの、近接攻撃力は向こうが上だろう。
ただ――
『横ががら空きですよ!』
三番機が、グリフォンナイトを横から撃った。
銃弾は、正確無比に兵士の頭を貫く。
兵士がグリフォンから落ちると、そのグリフォンは主人を心配したのか、少し上空で旋回し始めた。
しかし、彼が死んだことに気が付くと、すぐにどこかへ飛び去って行く。
グリフォン自体に攻撃力はないし、彼に罪はないので、分隊も追撃することはない。
それと同時進行で、電波塔の上に立った魔導士が炎魔法を打ち下ろしてきた。
予想外の攻撃に、分隊は思いきり攻撃を受けてしまう。
しかし、炎自体はそこまで強いものではないうえ、トークロイドは不燃素材で作られている。
そのため、少々の炎はへっちゃらだ。
『射程外か』
一番機はそうつぶやくと、他の機に突入指示をする。
二番機から八番機はゲートを守る見張りの魔術兵に対して攻撃を開始した。
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