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墜落


「みろ! 人がごみのようだ!」


戦闘艦「マイコニド」。

アルギスは、衝突した「エミクロン」と「ペトローグ」を見て、そう言った。

「ペトローグ」の船首と「エミクロン」の船首が衝突しており、「ペトローグ」で発生していた炎が「エミクロン」にも燃え移っている。

ああなったら、もう墜落は免れないだろう。

艦は大きく傾いており、「ペトローグ」の船首部分には大きな穴が開いている。

そこからは、兵士らしき人影が落ちて行く様子が見えた。


「さぁ、我々は戻る――」


直後、爆発音が響いた。

アルギスが振り返ると、「ペトローグ」の装甲板が、燃えながら高速で近づいてきているのが見える。


「はっ?」


その装甲板はアルギスを押しつぶし、「マイコニド」の甲板に突き刺さる。

装甲板の炎が「マイコニド」に引火し、積まれていた弾薬に引火。

「マイコニド」は大爆発を起こし、海に沈んでいった。

指揮官を失った艦隊は混乱し、退避するか否かで意見が割れ始める。

結果、艦隊は「エミクロン」周辺であたふたし続けるほかなかった。


***

~「エミクロン」艦橋~


「い、いったい何が起こったっ!」


レンは、傾いた艦橋でそう叫んだ。

「ペトローグ」の衝突した右側では火災が発生しており、消火が始まっている。

しかし、「ペトローグ」の衝突により艦は傾き、墜落し始めているため、消火しても意味がないかもしれない。


「『ペトローグ』との衝突により船首部分で火災が発生! もう消火は間に合いません!」

「くそぉ!」


レンは、机に拳を叩きつける。


「艦長、船が傾いています! このままだと墜落してしまいますよっ!」

「わかっている! ……仕方ない、総員退艦!」


レンがそう言うと、艦橋の船員たちは退避用のパラシュートを取り出そうとした。

刹那、爆発音が響き、艦橋の床が吹き飛ぶ。

レンは吹き飛ばされ、船内に落下した。


***


「こっちも燃えてるっ!」

「くそっ、絶対、脱出用のパラシュートがあるはず! こんなに大きい飛行船なんだから! いったいどこにあるんだ!?」


四人は、艦内通路を走ってパラシュートを探す。

艦は大きく傾き、あちこちで火災が発生していた。

そこら中から爆発音と崩壊音、悲鳴や怒号が聞こえる。

崩れ行く艦内を走り、四人は何とかしてパラシュートを探そうとする。

しかし、中々見つからない。


「クソっ、どこだ! どこにあるんだ!」


さくらがそう叫んだ直後、床が崩壊。

四人は下に落下してしまった。


***


「どこもかしこも燃えてるな……!」


レンは、崩れ行く艦内を走っていた。

船首に緊急脱出口があるはずだが、船首側は火災が激しく、とても通れるような状況ではない。

艦が大きく揺れ、あちこちで物が崩れていた。


「……艦尾の飛行機!」


踵を返し、艦尾方向に向かう。

炎は船首部分から広がってきており、艦尾周辺では火災が発生していない。

また「エミクロン」の艦尾には飛行機を置くことができる格納庫が存在しており、そこに行けば脱出できるかも。

そう考え、艦尾へと向かったのだ。

通路を走っていると、何かが崩れる音とともに、上から鉄製パーツが降り注いでくる。

何事かと上を見ると、人が降ってきていた。


「えぇーっ!?」

「うわぁぁぁ!」


それはさくらたちだった。

レンは、四人の下敷きになってしまう。


「いててて……あっ、すみません」


下にレンがいることに気が付くと、さくらはあわててレンの上から降りた。


「いや、大丈夫だ。……それより、君たちは何者なんだ?」

「あー、えっと――」


直樹が、これまでの出来事を説明し始めた。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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