決着
「ほう……なるほど。空中機動力を手に入れてきたか。ならば、こちらも空中を飛ぶべきか」
そう言って、アルギスは飛び上がった。
それを見たさくらは「えぇっ」と驚くが、とりあえずジェットパックを起動し、同じように空中に浮かぶ。
ジェットパックが空中機動のための機械であることに気が付いたのはなぜだろう、と思いながらも、空中で刀を構えた。
幸い、この刀は非常に軽いため、片手でも持てる。
右手で刀を、左手でジェットパックの操作レバーを持った。
「では行くぞ!」
アルギスが剣で襲い掛かってくる。
さくらは、何とかそれを受け止めた。
ジェットパックを操作し、体勢が崩れないようにする。
アルギスは、何か機械をつけているようにも見えない。
舞空術なのかな? とかくだらないことを考えながら、さくらは必死で防御し続けた。
「うわっ!」
アルギスの剣に弾き飛ばされ、「エミクロン」にぶつかりそうになる。
ガス噴射の出力を上げ、何とか速度を落しながら甲板に着地した。
アルギスはものすごい速度で切りかかってくるが、何とか対応する。
「ほう、やるな」
「そりゃどうも!」
アルギスの剣を弾き、さくらは後ろに下がりながらジェットパックの出力を上げた。
そして、そのまま空中を滑る。
「ほう……面白い」
アルギスもそれに続き、空中を滑ってさくらに切りかかる。
剣を何とか避けるが、アルギスは弾幕魔法を放ってきた。
「きゃっ!」
さくらは、それらをジェットパックを吹かして高速移動することで避けていく。
ジェットパックを操り、魔法を避けながら「エミクロン」の周りを飛び回ってアルギスから逃げた。
さくらは、「エミクロン」の横を飛び、船尾方向へと向かう。
アルギスも、それを追ってきていた。
***
「右右右ぃ!」
「了解っ!」
腹部対空銃座。
標準手が対空機銃を旋回させ、銃座に座っていた兵士がアルギスに向かって銃弾を放った。
アルギスはそれを防ぐと、銃座に向かって魔法を放ってくる。
「た、退避ぃーっ!」
二人は大慌てで立ち上がり、艦内に逃げ込んだ。
機銃は魔法によって吹き飛ばされ、暴風が艦内に吹き荒れる。
***
さくらは尾翼と尾翼の間を通り抜け、後部推進プロペラの真横を通り過ぎた。
アルギスは後部推進プロペラをへし折ると、それをさくらに向かって投げてくる。
「プロペラを投げるってなんだよっ!」
上昇は間に合わない。
そう考えたさくらは、ガス噴射を停止した。
彼女の体は、重力によって真っ逆さまに落下する。
プロペラは彼女の上を飛んでいくと、ブーメランのように曲がり、「エミクロン」の横を飛ぶ「ペトローグ」に衝突した。
「わぁお」
ガスを噴射し、「エミクロン」対地指揮所の真下を通り抜ける。
アルギスはさくらに向かって大量の弾幕を放ってくるが、何とか避けた。
弾は「エミクロン」に着弾し、爆発する。
しかし、「エミクロン」は無傷だ。さすが装甲飛行船。
そう思いながら、さくらは「エミクロン」の上に戻る。
その直後、燃料が切れ、三人のいる近くに落下した。
「いたた……」
さくらが体をさすりながら立ち上がると、アルギスが近くに着地し、こういった。
「楽しかったぞ。……じゃあな」
剣に魔力を注ぎ、それを大きくする。
そして、その巨大な剣で「ペトローグ」を切り裂くと、消えた。
どこかに転移したのだろう。
「し、司令、こっちに!」
そう言って、直樹がさくらを対空銃座内に引っ張り込んだ。
切り裂かれた「ペトローグ」が、燃えながらこちらに近づいてきている。
このままだと、「エミクロン」と衝突するだろう。
四人は、衝撃を弱めるために艦内に飛び込む。
入る直前、「エミクロン」の舵が動いているのが見えた。
「エミクロン」も「ペトローグ」を避けようとしているようだが、間に合わないだろう。
「衝撃に備えろっ!」
さくらがそう言った直後、大きな衝撃が「エミクロン」を襲った。
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