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砲撃


『FOX2!』


「エミクロン」のすぐ下を、F-35が飛び回り、ワイバーンウィングを撃墜していく。

レーダーでワイバーンウィングに襲われていることを知った「しなの」から、飛行隊が発艦したのである。

F-35から発射された対艦ミサイルは、ワイバーンウィングを順調に撃ち落としていく。

ミサイルを撃ち尽くしたので、今度は機銃で撃ち落とし始めた。


『FOX3!』


ワイバーンウィングが急によけ、弾はそのまま「エミクロン」の推進プロペラに命中。

プロペラのブレードがへし折れ、F-35に向かって飛んできた。


『うわっ!』


操縦桿を一気に押し込み、なんとかそれをよける。

ブレードはそのまま後ろにいたワイバーンウィングの首に突き刺さり、それを殺害した。

先ほどよりは数が減ったものの、まだ多数のワイバーンウィングが残っている。

しかし、これだけ減ったなら主砲の照準が可能なはずだ。


***


「今だ、うてっ!」

「おっしゃ!」


兵士が引き金を引くと、主砲が巨大な発砲音を響かせ、砲弾が飛んでいく。

そして、狙っていた船を木っ端みじんに吹き飛ばした。

残骸の中には、魔導士のように見える服を着た兵士が見える。

間違いなく、隕石魔法を発動していた魔導士だ。


「っしゃぁ!」


***


「あれっ?」

「どうした!?」

「さっきより隕石の数が減ってます!」


「しなの」CIC。

大何波かもわからない隕石を撃ち落としたのち、画面に映った新たな隕石の反応を見て、隊員がそう言った。

確かに、数が先ほどよりも減っている。微々たるものではあるが。


「どういうことだ?」

「わ、わかりません」


隕石は順調に撃ち落とされていくが、弾も減っていく。

早く魔導士を全滅させなくては、ジリ貧だ。

とりあえず、今回の隕石たちを撃ち落とす。


「新手です! 数680!」

「またかよ!」


***


「くそっ、ちょこまかと!」


F-35は、機銃で撃ちながらワイバーンウィングを追いかける。

敵は「エミクロン」の対空機銃上空を飛ぶことで、誤射を狙っているようだ。

そのためか、機銃弾が何度もF-35の横をかすめている。


***


「撃て撃て撃て!」


「エミクロン」上部対空機銃。

腹部機銃に比べて標準の自由度が高いものの、防御力は低く、簡単に破壊できる。

まぁ、それでも装甲はあるので、機銃員の生存率は高いのだが。


「味方が邪魔で撃てない!」


ワイバーンウィングはこの機銃周辺を周回しており、それを追ってF-35も周回している。

機銃の旋回速度的に、撃ったらF-35にあたる可能性が高いだろう。


「いいから撃てっ!」

「ああもう、なにが起きても知らんぞーっ!」


そう言って、引き金を引いた。

銃弾は、見事に外れ、F-35に命中する。

F-35はバランスを失い、こちらに落っこちてきた。


「おい、おいおいおい!?」

「は、離れろっ!」


轟音と共に、F-35が機銃に突っ込んでくる。

この機銃はもはや使い物にならない。


***


「次は……あの船だな!」


主砲。

標準器を覗きながら、主砲を新たな目標に向ける。


「……駄目だっ! 敵機が多すぎる!」

「さっきだいぶ減らしたはずなのにな……?」


F-35によって、ワイバーンウィングの数は減っているはずである。

しかし、先ほどよりも多くなっている気さえした。


「いったい何が起こって……」


***

~ルヴトレム株式会社第一海上防衛課・飛竜母艦「カヴァッツラリ」~


「さっさとワイバーンウィングの数を増やせ!」


ワイバーンウィングは卵生なのだが、産卵された卵は、約20秒で羽化、生まれた子供は、1分後にはもう大人になる。

これは、遺伝子改造によって得られた能力の一つで、船の上でも繁殖し、その数を増やすことが可能となっているのだ。

しかも、ワイバーンウィングは他のワイバーンと違って雌雄同体。

これも、遺伝子改造によるものである。

ただ、母体への負荷も大きく、通常のワイバーンは8体ほどの子供を産めるにもかかわらず、ワイバーンウィングは2体しか産めない。

まぁ、それでも十分すぎるほど強いのだが。


「ほらさっさと――」


直後、竜母「カヴァッツラリ」は木っ端みじんに吹き飛ばされた。

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