グフノロン国家金融との業務提携
終戦と新世界連合の設立から数日。
日本に、グフノロン国家金融が接触してきていた。
ミイルズが、突如アルケテル王国日本大使館内に転移してきたのである。
すぐに警備隊につかまったものの、しばらくして外部省との交渉が行われることに決まった。
交渉の結果、グフノロン側は、
「保有する勇者を即時返還する」
「日本側の要求するこの世界のあらゆる情報を提供する」
日本側は、
「新世界技術流出防止法に違反しない程度の技術供与」
「新世界技術流出防止法に違反しない程度の工業製品の輸出」
という条件で国交を結ぶことになった。
この恐ろしく速い国交締結に、新世界連合の加盟国たちは驚いたが、
「敵対することになくてよかった」
という意見で一致していた。
多くの国がグフノロンからの融資を打ち切られたことで滅亡したり、
グフノロンに侵攻されて滅亡したりしていたのを見ていた新世界連合の加盟国たちにとって、
グフノロンが敵に回らないというのはかなりの朗報なのだ。
ちなみに、加盟国たちは日本と強固な経済圏を作り上げているため、
グフノロン……というか、ルヴトレム企業共栄圏による経済的支配を受ける心配はない。
なお、ルヴトレム企業共栄圏内の企業国家と国交を結んだ国は、
大使館代わりに、国営企業を一つと民営企業を一つ、
ルヴトレム企業共栄圏に加盟させなければならないと決まっているらしい。
そのため、国営企業枠には『新日本魔法業』を、
民営企業枠には希望した企業を入れることにし、
結果『加原重工』が加盟することになった。
新日本魔法業とは、ルヴトレム企業共栄圏に加盟するためだけに作られた国営企業である。
魔法技術に関する製品を製造開発する企業ということになっているが、
実際は日本大使館のようなものである。
また、技術流出防止のため、
加原重工は、日本政府によってルヴトレム企業共栄圏内での新機種の開発及び製造を禁止されている。
トークロイドやWWVは超高度な技術が利用されているため、
簡単にまねできるわけはないが、警戒するに越したことはない。
***
~ルヴトレム企業共栄圏・グフノロン国家金融領~
グフノロン国家金融の領土であるこの地域に、新日本魔法業と加原重工の支社がつくられていた。
なお、ルヴトレム企業共栄圏の平均文明力は大正から昭和初期ほど。
そんな街に、現代的な高層ビルが建つという不思議な光景になっている。
また、この程度の文明力では高層建築が難しいため、
社屋が高ければ高いほど力が強いということになっており、
各企業がこぞって高層建築物を作ろうとしている。
ただ、それには膨大な資金、人材、技術が必要なため、
ルヴトレム企業共栄圏内でもひときわ大きい企業、
つまり、『グフノロン国家金融』『サウナリア重工業』
『シャマジ商社』『セイレーン警備』
『カミナヅキ運輸』『ドヴェルグ鉄鋼』そして『ルヴトレム株式会社』。
この七社しか建築できていない。
ただ、この企業達も、20階程度の高さが限界だ。
しかし、そんなことを知らない加原重工は、
異世界における一大拠点として、
ルヴトレム企業共栄圏に30階建ての支社を立てることにしたのであった……
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