オペレーション「ネプチューン」
戦争が長期化すればするほど、日本は不利になる。
純粋な軍事力は転移前よりも高くなっているが、日本の統治地域が大幅に増加しているため、その防衛に自衛隊の多くが割かれているのだ。
対テリャティア帝国戦に投じることができる戦力はその分少なくなってしまうので、
電撃戦による短期決戦で、一気に決着をつける必要があった。
先の戦いでテリャティア帝国陸軍の過半数が失われたとはいえ、海軍は全く損害を受けていない。
制海権はいまだ相手にあるのだ。
海上自衛隊は、テリャティア帝国海軍の一大拠点であり、のちの上陸作戦時、橋頭保の構築に邪魔になる島『リッドフェー諸島』を陥とす作戦、オペレーション「アキレス」を立案した。
作戦名の由来は、ギリシャ神話に登場する英雄アキレスからきている。
アキレスは不死身の母テティスによって踵以外の部分が不死身とされたが、ヘクトールに踵を射抜かれて倒されたという逸話が有名だ。
この作戦も、敵の弱点を突いて一気に決着をつけるという意味で名付けられた。
この作戦名なら、たとえ名前が漏洩したとしても、相手側はどこが襲撃されるのか予想がつかないだろう。
……ただ、リッドフェー諸島はそこまで弱点というわけではないので、この作戦名は似つかわしくないだろう、という意見もあったが。
なお、リッドフェー諸島は全土が要塞化された地域であり、継続的に外部からの補給を受けている。
この補給がなくなれば、リッドフェー諸島の力は一気に減少するだろう。
そのため、海自は、オペレーション「アキレス」の実行前に、潜水艦「たいげい」「はくげい」による通商破壊作戦、オペレーション「ネプチューン」を実施することとなった――。
***
~テリャティア帝国東部・ユニンツ海峡~
ユニンツ海峡は、内海のラモ海と外海をつなぐ海峡だ。
テリャティア帝国植民地から、本国への物資輸送の際に使用されるほか、本国からリッドフェー諸島にまで補給物資を運ぶ際にも使用される。
ここをふさげば、リッドフェー諸島への物資搬入が難しくなるうえ、帝国本土、植民地間の交易も止めることができ、帝国の継戦能力を失わせることにもつながるのだ。
そんな海峡にいるのは、二隻の潜水艦。
「たいげい」と「はくげい」だ。
「機関音聴知。聞いたこともない機関音ですが……おそらく、テリャティア帝国の通商船です。数は……十二隻!」
「たいげい」の艦内。
水測員の報告に、艦長が言った。
「全発射管、注水」
「魚雷発射管、注水開始……完了」
「よし……うて!」
「ってー!」
「たいげい」から、六本の18式魚雷が発射される。
それに続いて、「はくげい」からも六本の魚雷が発射された。
「魚雷航走中……命中します!」
魚雷の爆発する音が、何度も艦内に響く。
おそらく、海面は通商船の残骸だらけで、一切通れなくなっているだろう。
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