やっちゃえ月産ってこういうことだったのか……
「これからどうする?」
結城は車を運転しながら、他の五人に問う。
「とりあえず、自己紹介しましょうよ」
「たしかに、そうだな」
***
その後、六人はそれぞれ自己紹介をし、状況を確認した。
「ふむ……どうやら、この事件には……『アイ』、だっけ? その少女がおおきく関わっているようだ。捕まえて拷問……じゃなくて、事情聴取しなきゃ」
「さらっと拷問とか言った!?」
「あっ、口に出てた? まあ、気にすんな」
「無理に決まってんだろボケ」
「……あと、新木星についても調べなきゃな。近づいてきているってことは、あの惑星もこの事件にかかわっているはず」
「情報収集なら図書館ですかね」
「図書館……近くに区民図書館があったな」
結城はハンドルを切りながら、周囲を見回す。
そこに広がるのはオフィス街。
台風下であるため人通りもなく、不気味な雰囲気が広がっていた。
「暗いな……ハイビームにするか」
そう言って、結城がライトの光度を変えた直後、和佳奈が叫ぶ。
「医院長ーっ! 前ーっ!」
「え!? うわっ!」
道路をふさぐように、人型の怪物がいた。
そいつは車を止めようと腕を振りかぶっている。
「このまま突っ込んじゃえ!」
さくらが後部座席から体を乗り出し、そう言った。
それを聞いて、結城が叫ぶ。
「いいね! さぁ、一気に加速するよ! 舌をかまないように!」
結城はアクセルをさらに踏み込んだ。
ABバンは一気に加速し、化け物へと向かっていく。
スピードメーターは一気に振り切り、時速180キロを超えた。
「くらえ! 月産アターック!」
車は、化け物にぶち当たる。
化け物の体は四散し、フロントガラスが血にまみれた。
ワイパーと雨水でそれを洗い流し、街を走り続ける。
「これはひどい」
直樹がそう言った。
バンパーがひしゃげており、右側のヘッドライトが消えている。
しかも、どこかが壊れたのか、勝手に蛇行して走っているのだ。
「まっすぐ走れないんですか?」
「ごめん、ハンドルが勝手に……うわっ!」
車が大きく曲がり、目の前に電柱が現れる。
急いでハンドルを切るが、右側のドアミラーが吹っ飛んだ。
「これは修理屋に行かなきゃな……っと、その前に、洗車していこう」
「洗車、必要ッスか?」
「必要だよ。車体血だらけだし……」
翔の問いに答えながら、結城は車を走らせる。
***
その後、コイン洗車場で車を洗い、無人自動車修理工場で車を修理。
次に、情報収集のため区民図書館へと向かった。
***
~横浜市・霧立区民図書館~
「えーっと……天文学コーナーかな?」
「逆にそこ以外にあるわけないと思うんです」
さくらと直樹の二人は、天文学コーナーへと向かっていた。
台風下だからか人はおらず、司書さえいない。
受付には、本を借りるための機械が置かれているだけだ。
ちなみに、他の四人は別のコーナーへ向かっている。
「あ、あの本がよさそうかな」
そう言って、さくらは一冊の本を手に取った。
「面白かった!」
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