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第71話 北の山を下りて

 メレンケリ達はフェルミアと別れ、北の山を下りるとすぐにせわしなく動くことになった。


 まずメレンケリは、軍事警察署に戻る前に一度家に戻った。

 理由はまじない師から授かった二人の剣を、仕事場に持っていけないと思ったからである。また、仮にマルスが上手く署内に持って行けたとしても、紛失や没収の可能性もないとはいえない。彼の部屋は二人で使う相部屋であるし、一緒に使っている同僚は信じるに値する人だとしても、やはり安全なところにおいておきたいという気持ちがあり、メレンケリが持ち帰ったのである。


 それから彼女は、すぐにでも父にフェルミアから聞いたことを話しておきたかった。


 彼女から右手の力の過去を聞き、サーガス王国が現在、その力の元となった大蛇により困ったことが起きていること。そして、メレンケリが大蛇を倒すことについても——。


 今後、どういうことがあろうとも、メレンケリはサーガス王国へ赴き、大蛇と戦うことになるだろう。そうなれば、絶対に家長である父に話しておかなければならない、と思ったのである。反対されようが、彼女はもう決めていた。

 その揺るがぬ思いを、今のうちに伝えたかったのである。


「父上、そういうことですので、私は近いうちにサーガス王国へ行くことになると思います」


 ガイスはメレンケリの話をじっと聞き、彼女が決断したことについては「そうか。分かった」と、いつも通り言葉数少なく返事をした。


 しかしそれはメレンケリにとって少し意外だった。


(危険だからやめなさいと言われるかと思ったのに……)


 今までの父であれば、『石膏者せっこうしゃ』以外で力を使うようなことをすれば、平手打ちが飛んできただろうし、そうでなくともメレンケリが選んだ行動に対して否定したはずだった。


 だが、それが一切ない。メレンケリは不思議に思いつつも、自分の行動を肯定してくれているような気がしたので、あえて父に問うことはしなかった。

 ただ、自分は近いうちにサーガス王国に行く、とだけ言い残し、父の部屋を後にしたのだった。


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