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喫茶店

「ご、ごめんなさいぃぃ!」


 雪菜の叫び声とともに、僕は目を覚ました。


 今日は休日。


 ふと見れば、時計の針は十一時を過ぎていた。学校がないことをいいことに、のんびりとしすぎていたようだ。


 ……最近、部屋にいると雪菜の声がよく聞こえてくる。謝罪の声や悲鳴じみた声が多いのは、僕の気のせいなんだろうか。


 最近の雪菜と言えば……あっ!


 そういえば、ついこの前ネット上で知り合った素敵な人がいるって言っていた。最近夜更かしも多いし、ひょっとして夜な夜なその彼氏とネット上で話していたりするのかも。


「あ、今日の午後なら空いています」

「○○喫茶店ですね、分かりました。では、午後一時からでお願いします」


 雪菜の部屋から、そんな声が聞こえてきた。どうやら誰かと電話しているようだった。


 友達にしてはよそよそしい態度。やっぱり、実際に会ったことのないネット上の彼氏とのご対面だったりするのかもしれない。かなり心配だ。


 ……悪いことだとは思う。でも、もし雪菜に危険が迫ったら、僕が守らないといけない。


 雪菜の彼氏をこっそりとチェックして、本当にその彼氏が安全な人なのかどうか見極めないと。


 そんなわけで、僕は午後一時頃、家の近くにある喫茶店へと向かった。もちろん、変装用の帽子とサングラスは忘れずに。


 その喫茶店に到着したとき、店の中ではすでに雪菜ともう一人の人物が席に座って注文を待っていた。あの人が、おそらく雪菜の彼氏なのだろう。


 遠目なので詳しくは見れないが、パッと見た感じ顔は整っている。彼が若者の振りをしたおじさんじゃなくて安心する反面、ちょっとした寂しさを感じる。



 ……とにかく、変装しているとはいえ近くに居たら僕が来ていることがバレてしまう。なので、彼女達からある程度離れた席に座ってケーキと紅茶を注文する。


 待ち時間の間に、雪菜たちの話に耳を傾ける。



 ……

 ……

 ……



 駄目、全然聞こえない。


 バレないようにするために、彼女達から離れすぎてしまったみたい。もっと近くで待機するべきだったのかも……。











 それからしばらくして、注文したケーキと紅茶が来た。僕はケーキを口に運びながら、それとなく彼女達へと視線を向ける。


 雪菜たちは注文した飲み物を飲みながら、なにやら話をしていた。会話の内容は分からないけれど、何やら重要そうな話だ。今後について話し合っているのかもしれない。


 やがて、二人は話が終わったのか会計へと向かった。挨拶と共に店内を後にする雪菜。店内には彼が取り残される。……いったい、どうしたのだろうか? 


 まあ、雪菜が危険な目に合わなくてよかった。


 ……そう、安心した時だった。


「ずいぶん情熱的な視線だったね。私に気があるのかな?」


 背後から声が聞こえ、ふいに肩を叩かれる。びっくりして振り向くと、雪菜と話していた人物がそこに立っていた。


 ……この人が、雪菜の彼氏。


 顔が凄く整っている。かっこよさだけではなく、可愛らしさも感じる顔つきだ。そういえば、雪菜も可愛いって言っていたなぁ。


 まさか、声を掛けられるなんて……



 


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