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407回目の世界

 微かな違和感がある。恐らく他の管理者は気付いていないだろう。イニシエンと、レアルは、相も変わらず騒動を起こし、稀にメビウスが巻き込まれ、酷く迷惑そうにしている。我は事前に止める側に徹している。


 だが、明らかに手が足りない。場合によってはメビウスが協力というよりも、それぞれ独自に止めに入る形ではある。それでも、手が足りては居ない。常に全域を見れるとは言え、意識を向けられるのは一ヶ所である。しかし、レアルは複数の肉体を持ち、知覚範囲は狭いが、複数で活動出来る。これは、問題だ。


 生命力を使い、分身を作る事は出来る。だが、レアルと違い、それぞれが生命力を消費し続けてしまうために、集団として活用は出来ない。そもそも、我には自分自身を、あたかも複数人いるようにふるまう事は出来ない。そうなれば、自我が必要になるという事だ。それも、忠実に動く、まるで我が手足のような存在。


 いつしか〈絶対者〉がやったように、我が権限の一部、微かな欠片を核に、生命力で姿を形作る。しかし、それでは足りない。それでは、今まで我が造り出したものと同じものでしかない。確固とした存在理由が無くては、それはそうあるだけのもの、自我も意思も無く、造られた際の設定通りに動くだけだろう。


 我でさえ〈魂〉を用意する事は出来ない〈魂〉がある、それだけで存在理由となり、確固とした、固有の存在となる。ならば〈魂〉以外に存在理由を用意すればいい。どのような存在であるかを、明確にすることによってその存在を示す。これを〈在り方〉としよう。


 思えば、我ら〈管理者〉も〈在り方〉によって存在していると言える。〈魂〉は無く〈システム〉としての〈在り方〉によってここに存在している。つまりは、我が造り出そうとしているものは〈管理者〉の縮図であり、殆ど似た存在。ただ、違うのは、核は我が力である。本質的に、貸し出しているようなもの。権限の根源は我にあるという事。さて、管理者に付き従う存在、これを〈従者〉としよう。


 そして、数々の〈従者〉を作っていく。メラン、サイク、グラビ、フロウ、アイム、ブレス、ガント、エイス。そして、解ったことがある。徐々に力を失っている。最初に誕生したメランと、最後に誕生したエイスを比べれば簡単だ。その権限に大きな差が生じている。おそらく、世界があまり偏りすぎるのを良しとしなかったのだろう。そうなれば、これ以上は〈従者〉を増やす意味は無い。それに、これ以上は力を分けるのは、あまり良い事では無いだろう。


 〈従者〉達には、それぞれの〈在り方〉に対応するものから、少しずつ〈生命力〉を集めてもらう。そして、集まった〈生命力〉を我が配分していく。なんとも効率的になったものだ。

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