152回目のその後
中立の元へ、ドラゴンはもっと早く動くべきと、伝えに行ったのだが、既に先客が居た。邪悪の管理者ラギ・イニシエンは〈機械の領域〉の更に向こう側で国を作っていた。レアルと不可侵の約束をすることで、侵略されずに済んでいたのだが、森との争いの激化で、ドラゴンが動いた。無差別なドラゴンは、そんなもの関係ないとばかりに攻撃をしてきたとのこと。つまりは、何もしていないのに巻き込まれていたらしい。
イニシエンにしてみれば迷惑な話であるが、これは中立の役割であり、ドラゴン達の在り方でもある。寧ろ遅いと言いたいところではある。だが、そんなことは関係が無いと、未だに抗議している。更に、そこにレアルも加わり、余計に騒がしくなった。だが、フォルフルゴートとしてみれば、自身の役割を全うしただけである為、話を聞くつもりは無い。
話で解決できないのは道理、イニシエンは、フォルフルゴートに宣戦布告をしたようだ。同じことを繰り返すつもりかと、半ば呆れていたが、その同盟にレアルの名を出すのは想定していた。しかし、我の名まで出すとは何事だ。抗議の方向性が違うのだとあれほど説明したというに、頭に栄養素が通っていないあの管理者は、どんな曲解をしている。だが、困ったことに、森の者達はその気になってしまっている。前から思ってはいたが、血の気が多くは無いだろうか、少しは落ち着いてほしいものだ。
半ば流される形でこちらとしては不本意ではあるが、森の獣使い達、〈機械の領域〉の機械兵、イニシエンの国の騎士、が協力してドラゴンの討伐へと動いた。結果は微妙なもの、片手で数えられる程度のドラゴンを落とし、3つの勢力全てが大打撃を受けた。だが、共闘したのもあったのか、仲は良好になったため、それはそれでよかったのだと納得はしておく。
今回の事で気づいた事がある。我はもちろんだが、今回はイニシエンも、レアルも、直接力を振るう事は無かった。その為か、フォルフルゴート本人が動くことは無かったようだ。対管理者であると明確に定義し、完全に行動を縛っているとでも言うのだろうか。そうであるならば、何故こんなにも間接的に制御するのかが解らない。寧ろ、最後の抑止力であるため、念入りに縛っている。ならばそこまで深い意味はないか。
話に出てこない神聖の管理者、知らぬうちにメビウスという名を得たようだが、そんなことはどうでも良い。最初に、我の元へ人間がたどり着いた原因だが、メビウスが居場所のない人間を導いていたようだ。なんともいえぬ気分ではあるが、今更何かを言ったところで、意味は無いだろう。我の権限でも、どこにいるのか見つけるのが困難である場合がある。そのような事に力を割く暇があるのならば、少しでもこの世界を長引かせよう。




