152回目の世界
今さらではあるが、我が姿は木である。生命力を消費して、人の見た目の分身を作る事は出来るが、それでも本体は木でしかない。故に、動くことが非常に困難。今までは、人間の到達できないような深い森に根を下ろし、直接的な接触は避けてきた。生命力の流れを掴み、世界の全貌は常に見えている。接触の必要は無い。
だが、今回の世界では、人間に見つかってしまった。問題があるわけでは無い。見た目はただの大きな木であるのだから。気にしないだろうという考えに至る。だが、気づけば、我の周囲に集落のようなものが出来ていた。少し遠くを見ていただけのつもりであったが、そんなに時間は経っていただろうか。
どうやら、レアル・グリードがやりすぎて、技術発展させ過ぎたようだ。それに耐えられなかった人間が、癒しを求めて、我の周囲に居ついたらしい。どうでも良い事だが、我に名前を付ける者が居た。何を思って名を付けたかは不明だが、貰っておくとしよう。エンシェントという名を。
少し良くない事になっている。レアルの〈機械の領域〉がこの森を侵略し始めた。こういう時止めるのが中立の役割のはずだが、どうなっている。このままでは世界のバランスが崩れてしまう。
全面的に侵略してきた。機械化された兵士が、光学兵器で森を焼いている。だが、レアルの姿は無い。管理者が直接動いていなければ、中立は動かないのか。条件が曖昧過ぎる。このままにしておくわけにもいかず、生命力によって構築した肉食獣達に森を守らせる。明らかにこちらの方が劣勢だ。
我が動く必要があるかと考え始めたが、我の周囲に集落を築いていた人間達。動物と協力して機械兵を撃退し始めた。確かに、構築した動物には機械兵だけを攻撃するようにしている、だが、それを上手く活用できるというのか。少なくとも、大きな被害を出しつつも、撃退には成功した。
だが〈機械の領域〉は発展し続けている。このままでは、良くない。自然は破壊され、人間は生命としての形をも歪まされている。これ以上は抑えきれない、ならば、定期的に文明レベルを下げるしかないだろう。そして、一定間隔で凶暴化させた動物を放ち〈機械の領域〉を破壊するように仕向ける。
始めは、小さな小競り合いであった。〈機械の領域〉に攻撃する動物を知った人間が、共に攻撃するようになり、その争いは徐々に、徐々に大きくなっていった。巨大な機械で木を薙ぎ払えば、猛毒を領域に投げ込まれ、森を爆破すれば、報復に川の流れをせき止め、大量の水を流す。争いが激化していき、世界は劣化していく。そこに現れたのは、ドラゴンであった。
ドラゴンは、阻むもの。人間達に、無差別に、襲い掛かる。そして、何時しか、人間の共通の敵となる事で、この争いは沈静化した。ドラゴンはもっと早くに行動すべき、そして、我は危険因子である混沌を、もっと監視しなければならない。
落ち着いた所で、〈外部〉からの干渉だが、128回目の世界で途絶えている。認知できなくなったのか、もしくは




