2946回目の世界
今回の世界は、中央に存在する大陸と、北西に存在する大きな島、それを取り囲むように点在する小さな島で構築されている。我らは大陸の東側を占める〈沈黙の森〉に降り立った。相変わらずイニシエンは世界を変えると訳わからない事を言いながら、大陸の南に〈要塞の帝国〉を作り上げた。だが、それを良く思わなかった森にすむ者達が〈アルケミスト・コミュニティ〉という組織を構成し、抵抗を続けている。
メビウスは、北西の島〈救済の島〉に引きこもり、何かをしているようだ。レアルも、大陸の西側の草原〈無知の国〉で何か企んでいるらしい。油断してはならない。だが、調査するべきはそれだけではない。人間に、権限に似た、それとは違う力が芽生えようとしているらしい。
今までの調査を総合すると、世界の異常を意図的に起こしているように見える。かつて、イニシエンの行為を思い出すが、それとは違った干渉の仕方をしているようだ。何が違うのか、それを説明するのは現状難しいが、調査を進めていけば何か更なることが解るだろう。
レアルは、どうやら人間を集めているようだ。人間の力に興味を持っていた事もあり、そういった行動に出る事はおおよそ把握していた。今回は最低限の監視だけで良さそうだ。それよりも、メビウスの行動が気になると言える。干渉しにくい存在であった事は確かだが、今回は謎の結界で〈救済の島〉を保護している。アレは、メビウスの権限によるものなのか。
なんにせよ、行動を起こしたのはイニシエンだったようだ。宣戦布告し、各地に兵を差し向けたが、これは邪魔をするなという意思表示だ。人の少なくなった〈要塞の帝国〉に〈アルケミスト・コミュニティ〉が攻め込んだが、最早意味は無い。周囲の行動を抑制している間に、イニシエン本人は、〈無知の国〉に留まっているフォルフルゴートに戦いを挑むだろう。
我らは、お決まりのパターンを予測していた。だが、その通りになる事は無かった。イニシエンがフォルフルゴートに戦いを挑む前に〈アルケミスト・コミュニティ〉の相手をしていた。攻め込まれるのは気分が良くなかったのだろうか。だが、そんなことをしている間に、まるで何かが弾けたように、力の波のようなものが広がった。それに触れた生物は、肉体を狂わされそのまま死に至る。そして、〈救済の島〉に住む人間以外の人間は、大地に還って行った。




