2691回目の世界
今までは、イニシエンの侵略行為というのは、目的を統合するという意味合いもあり、その対象は無差別であることが多かった。だが、あの戦い以降は、完全にドラゴンを、中立の管理者を狙っている。流石のフォルフルゴートも、対処の仕方を考えたようで、あの一件以降は、苦戦する事も無くなった。
それだけでなく、今度はレアルがイニシエンに接触し、共に動くようにもなっている。いつだったか、管理者の権限は元々は一つのものであり、それを統合する事は可能だ。だが、統合した所でそれを扱えるわけでは無いという結論に至ったはず。話を聞く限りは、フォルフルゴートの権限を狙っているようではあるが、それを手にした所で何になる。
2628回目の世界で、イニシエンが起こしたことは、やはり異常を目の前に移して、それを壁にしたようだ。それはフォルフルゴートの拒絶でさえも歪ませる、この世界の理とは違うもののように思える。だが、それを行うためには、繋ぐ力だけでは足りない。人間達に異常を観測する装置を造らせ、それと合わせる事によって
実現していたようだ。観測する装置、だから〈観測塔〉から技術を盗んだのか。
その部分は、レアルが協力すれば解決する話でもある。既に数回の攻撃を実現してはいるが、未だに倒せてはいない。それでも、フォルフルゴートが倒される可能性が無い訳では無くなった。試行回数が多くなればなるほどに、その可能性は高まる。どうにも、メビウスはそれが実現しない事を確信しているようであった。あの二人が勝利する事は無いと断言している。
ともかく、イニシエンとレアルが手を組んで、巨大な都市〈グロウス・タウン〉を作り上げている。潤沢な人口、ハイテクな兵器、特に対空に力を入れているようで、最早何を狙っているかも簡単に理解が出来る。流石に放置する気は無いのか、時折ドラゴンが襲いに来ているが、その全てを迎撃している。
そのまま順調に準備を進め、今回もフォルフルゴートに戦いを挑むのかと思いきや、予想できないというよりも、理解したくない出来事が起きている。メビウスが実現しないというのも、この事態を考えれば仕方のない事のようにも思える。
何故か、イニシエンとレアルが争い始めた。理解が追い付かないが、戯れというレベルでは無く、本気で戦っているようだ。方針のすれ違いがあったらしいが、そんなことは関係ない。管理者同士の戦いが起きれば動くのは中立の管理者、フォルフルゴートであるし、そのまま何をしたかったのか解らないままに全てが終わってしまった。
本当に何がしたかったのか、我らからしてみれば迷惑以外の何物でもない。




