2276回目の世界
世界の違和感は未だに収まっていない。それどころか、徐々に増大している。何も言ってはいないが、おそらくレアルも既に気づいていて密かに調査しているようだ。密かにとは言え、かなり派手に動いているように思える。積極的に魂を集めようとしているようであるし、近い内にまた従者を増やすつもりだろう。
もう、ここまで来ている。メビウスもとうに気づいているだろうが、行動する様子が無い。それとは逆に、ようやく事の重大さを理解したのか、イニシエンは積極的に動くようになっている。遅すぎる。このような様子であり、未だに解決策は何もない。
このような事態に、中立は動くのかと思うかも知れないが、フォルフルゴートが言うには、管理者の行動を抑制するのが枠割であり、これは管轄外であると切り捨てた。世界の危機である可能性があるというのに、そんな悠長な事で良いのかと、問いただすも、動く気は無いようだ。中立は、当てにならない。ただ、気になる事は言っていた。いや、我は認めない。この世界は、愛する命たちを、永遠に守るだろう。
早く、どうにかしなくては。今や、唐突な発火現象、不明なエネルギーの発生、植物の異様な成長。全体から見れば目立つものでは無いが、地点で見た場合、明らかにおかしな事が起きている。この謎の現象は、世界が転生する度に、徐々に深刻に、徐々に広範囲になっているのは明白になっている。だが、何故だ。どうしてこんなことが起きる。
中立の管理者、何か知っているのか。奴は〈管理者システム〉の中枢であり、この世界と〈外部〉を切り離す壁でもある。もし〈外部〉で何かが起きているのだとすれば、フォルフルゴートしか知る事は出来ない。この世界の中に、原因が無いのだとすれば、それはレアルでも原因を見つける事は出来ないだろう。
フォルフルゴートを度々問い詰めているが、奴は何も言わない。〈外部〉の話を持ち出した所で、何の反応も示さない。どこに原因があるのか、何も確定しないのだが、どうしようも無い不信感だけが残る。中立の力はあらゆる事象を拒絶し、無に還す事。どのような問題をも、原因ごと葬り去ることの出来るその力、どうして振るわない。
何か、我らの知らない事でもあるというのか。




