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2124回目の世界

 世界は変わっていない。今まで通り、時が来れば滅び、そして、新たな世界が誕生する。あれからメビウスは世界に干渉する事自体が減った。まるで、最初の頃のようだ。イニシエンはともかく、嫌っていた筈のレアルまで心配していたのは印象的であった。


 今回の世界でも、未だにメビウスは世界に干渉しない。代わりに、レアルが積極的に動いている。だが、やりすぎだ。大地が汚染され過ぎて、人間達は地下に都市を築いて引きこもった。レアルの従者の一人、ケミカルチェンジャーと言ったか、奴には少し気を付けた方が良い。どうにか我らで大地を浄化はしたが、下手をすればそのまま世界は滅んでいただろう。


 しかし、今回の事は我らには都合が良かったかもしれない。感じていた違和感が、今回は消え去ってくれない。レアルは地下に潜り、メビウスは未だ表舞台に出ては来ない。存分に、地上で違和感の調査をすることが出来る。特にレアルには知られたくは無いが、奴には人間達の相手をしてもらう。今や地上に興味は無いだろう。


 意外な存在から協力すると言われた。邪悪の管理者ラギ・イニシエン。どうやら今回、ほとんどの人間をレアルに掌握されてしまい、やる事が無いのだとか。我らが何を調べているのかは理解していないらしく、非常に心配になるが、余計なものに吹聴しなければ、どうでも良いだろう。役に立つとは思っていない。


 イニシエンには原因を結果に繋げる力があるという。結果を望んで起こした行動が、その結果に繋がるようにするとか、道を創る権限とでも言うのだろうか。その権限を逆算し、結果から原因を見つけることが出来るのならば、やるべきことは簡単だ。この違和感が形になっている部分を見つける事。何かを見つけるのは我らの得意分野だ。イニシエン、役に立つかもしれない。


 地下から出てくる人間が現れるようになった。自分たちを〈探索者〉と言い、過去の遺産の眠る地上へ向かうために、ダンジョンを超えてきたらしい。なんだか知りはしないが、そういった者達をイニシエンは統治し始め、違和感の探索に協力させている。手数が多くなる分には、良いだろう。


 ようやく、見つけた。本当に微かな矛盾。本当に小さな歪み。大気というのは、自由に見えるが規則正しく動いている。温度による対流は有名な話だろう。だが、ある地点では、この法則が僅かにずれて、普通の流れとは、少しだけずれた動きをしていた。これは、我らに見つけられないのも納得だ。まさか、理その物が歪んでいるとは、思っていなかった。


 ようやく違和感の、結果の部分を見つけた訳だが、イニシエンはそれを逆算して原因を見つけるという事が、出来なかった。レアルの演算能力があれば出来るだとか、ふざけた事を言っているが、我らにその選択肢は無い。こんな事ならば、地上に出てきた人間達の方が存分に役に立っている。未だに解析を続けていて、次は水の流れがおかしい場所を発見した。


 原因が見つからないまま、結果ばかりが見つかる。そんな中で、唐突に大爆発が起きた。そういえば、調査ばかりで、地下をずっと放置していた。こんな長い時間、レアルから目を離してしまったのは、我の失態だ。崩れ落ちる世界で、そんなことを思っても、崩壊が止まる事はもはやない。

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