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1994回目の世界

 起きてはならないことが起きている。具体的なことは何も解らないが、この感覚は、昔に一度だけ同じことがあった筈だ。この謎の違和感の正体を掴む必要がある。おそらく、気づいたのは我だけだろう。それは現状問題ない。寧ろレアル辺りには知られたくはない。未だ何も掴めていない状態で、余計な事をされるのは回避したい。


 さて、どのように、動いたら良いだろう。先ずは状況を整理する必要がある。今回の世界は、大きな大陸であり、周囲は海に囲まれている。大陸の北側は、小さな国がいくつもあり、それを総称して〈北方連邦〉と呼ばれている。国同士が協力関係にあり、我らの影響下でもある。実際に、我は直接関与してはいないが、精霊達が色々と干渉している。


 北東には、一際大きな国があり〈ファーテック王国〉と呼ばれる。そこには、相変わらずイニシエンが統治している。〈北方連邦〉とは仲が悪い訳では無いが、良くもない。今はまだ動きが無いが、動き出すとすれば、真っ先に狙われるのは一番近くの我らだろう。


 大きく距離を離し、南西の端には〈オブリートシティ〉という場所がある。気味が悪いほどに、ルールに縛られた町らしい。おそらく、メビウスが集めてきた人間が住んでいるのだろうが、そこに住む人間達にとっては暮らしやすいらしい。何も争いが無く、皆笑顔でいる街、外部から見るとかなり不気味に映るようだ。


 そして、北西から南東まで連なる〈アフラ山脈〉と、その向こう側のどこの領域でもない〈未開の大地〉となっている。〈アフラ山脈〉には〈ハウンドリィ同盟〉というドラゴンと人間が共生している組織がある。他には〈救いあげる巡礼者〉という、大陸の殆どを巡っている者達も居る。〈救いの為の教義〉というものを広めているらしい。〈北方連邦〉にも出入りしている。 


 この大陸から遠く離れた場所にドラゴン達の住んでいる〈霧の海〉や、空を浮遊する球体の巨大な建造物〈監視する目〉があるが、これは恐らくレアルの仕業だろう。気にしても仕方が無い。


 〈オブリートシティ〉と〈救いあげる巡礼者〉はメビウス関係と見て良いだろう。これは予測だが、巡礼者は大陸を容易に移動する方法を持っていて、それで大陸中を巡り〈オブリートシティ〉に送る人間を集めているのだろう。相変わらず、メビウスは何を考えている。

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