1320回目の世界
ドラゴンと人間の、魂の互換性のようなもの、について解ったことがある。まるでお互いの足りない所を補うようだと表現したが、今やそのようにしか見えない。そして、魂を取り込む方法は、相手を食らうことだ。このような関係を、その時々により、言い方はかなり変わってくるが、人間とドラゴンの奇妙な関係性と表現されたりするようだ。
この、人間とドラゴンの奇妙な関係性だが、大まかに分けると4パターン存在する。一番多いパターンが、ドラゴンが人間を食らった場合だ。食らったドラゴンは、その人間の姿と性別を得る。その場合、本人の好きに、2つの姿を自由に変えることが出来るようだ。
もう一つ、ドラゴンが人間の一部を食らった場合だ。そのドラゴンは人間の姿になるが、ドラゴンの姿に戻れなくなる。中途半端に他の魂の要素を取り込んだが故に、不完全となるのかもしれない。そして、取り込む魂は一つだけのようで、すでに姿を得ているドラゴンが、更に魂を取り込むことは出来ない。中途半端に魂を得てしまったドラゴンは、その魂を完全に得ることでのみ、ドラゴンの姿に戻れるようになる。他の魂ではダメだ。
なんにせよ、人間の姿になったドラゴンは急激に力を失ってしまう。当たり前の話だ。空を飛ぶ翼も無ければ、鱗もない、備わっている特殊な力も、人間の姿では減衰してしまう。
逆に人間の場合だが、殆どドラゴンとは逆パターンだ。実例が無い訳では無いが、あまり聞いたことはない例だ。人間がドラゴンを食らった場合。その人間はドラゴンの姿を得て、自由に姿を変えられる。そして、ドラゴンの一部を食らった場合。こちらの場合の方が多い訳だが、人間はドラゴンの姿になり、戻れなくなる。対処法は、同じだ。
人間からドラゴンの場合は、力を得ることになり、ドラゴンの在り方に囚われることにもなる。場合によっては、急に力を得たことにより、正気を失う事もあったようだ。何にせよ、警戒を怠ることは出来ない。今までと違い、ドラゴンは気楽に動くようになっている。
さて、他に変わったことといえば、メビウスだ。奴は我らとも、イニシエンとも違い、従者を一体ずつ創っていた。何か条件があるのか、もしくは考えがあるのかは解らない。7体目の従者を創った時点で、それ以降創る気配が無く、打ち止めかと考えていたが、今回の世界で、8体目の従者を連れてきた。その存在、アローンクローズは異端であった。何しろ、存在していないことで存在を証明している存在と言うのだ。
メビウスが言うには、精神的な部分が、どこまで世界に影響するのか、それを調べていたと。そして、アローンクローズといえど、世界に認識されてこの場に居る、今回は私の負けだとは言っていたが、一体何を考えている。




