1206回目のその後
事の始まりは〈海制国〉の航海技術が更に発達していった事。裏ではレアルとのやり取りがあったのかとも思われたが、定かではない。それによって〈根源教団〉が動くことになった。現状イニシエンの侵略を表立って受けているのは我らであるが、このままでは攻めてくるかも知れないという事だ。それに関しては、違いないとしよう。
故に同盟を結び助け合おうという訳だ。元々〈エレジア共同体〉は我らの影響を強く受けているのか、自然と共に生きる事を良しとする。そして〈根源教団〉は、この世界そのものを神として扱う、そんな集団だ。相性が悪い訳がなく、メビウスがこうなる事を予め予測し、方針を決めたのだとも思える。いや、そうに違いない。結果として、同盟を結び〈海制国〉に抵抗する事となる。
時が経ち、同盟を結んだことで侵略を未だに止められている。だが〈海制国〉の中でレアルの影響を受けた者たちが居た。〈ソディオ〉と名乗る集団は〈海制国〉の中の組織として、急激な技術の発展を促した。そして、ある時から侵略が激化する。
侵略が激化する事によって、同盟内に〈海制国〉の技術に嫌悪感を持つものが出るようになった。その者達は結託し〈純根派〉という、過激な集団が誕生し、積極的に攻め〈海制国〉を滅ぼさなくてはならないと言い始める。あるべき姿を歪めて、争いを招くことを悪だと言い、このままでは神たる世界が歪み切ってしまうと主張している。歪む前にあるべき姿を取り戻すためには〈海制国〉を滅ぼすという考えのようだ。
そして、ある時。〈純根派〉は飼い慣らした複数のイルカに乗り〈海制国〉へ乗り込んだ。それだけではなく、一体のドラゴン、コア・ハウアと友好関係であったようで、その背に乗り、陽動を開始した。今まで攻撃を受けてこなかった〈海制国〉は混乱した。上空からはドラゴンの攻撃、イルカに乗り内部にひっそりと乗り込んだ者達による破壊。強国が一気に崩れていった。
慌てた〈海制国〉は、国内に居る数体のドラゴンに、〈純根派〉のコア・ハウアを撃退させようとした。だが、そのドラゴン達は、懐柔しようとしていた者達と共に、逃げだしてしまった。奥の手を失ってしまった〈海制国〉であったが、どうにか持ち直し〈純根派〉を追い出すことに成功する。この戦いは、お互いに大きく消耗するものであった。
逃げ出したドラゴンと人間だが〈デミクス・アモア〉と名乗り、弱体化した〈海制国〉に攻撃を仕掛けた。ドラゴンを懐柔しようとしていた人間だが、仲良くなってしまい、利用されるよりも、共に生きる事を選んだとのこと。更に〈ソディオ〉が〈デミクス・アモア〉に味方し、一気に戦局が崩れてしまう。
〈ソディオ〉はレアルの塔から、飛行船を呼び出し、上空から攻撃する。〈デミクス・アモア〉も、ドラゴンが上空から攻撃するが、明らかにその数が多くなっている。人間の姿を捨て、ドラゴンへと変貌したというのだ。逆に、人間の姿を得たドラゴンも居るらしい。なんにせよ、空からの攻撃に成す術のない〈海制国〉は事実上滅びる事になった。
間もなく、〈ソディオ〉と〈デミクス・アモア〉の攻撃対象に、我らが選ばれた。真っ先に抵抗した〈純根派〉はそのまま滅ぼされ〈根源教団〉は撤退してしまう。残された〈エレジア共同体〉に抵抗する術は少ない。精霊達も、物量に圧されて消耗していく。生命力がある限り不滅だが、生命力は無限ではない。
おそらく、グリアが、打破する方法を思いついたのだろう。これに関しては、記すことは無い。しかし、二度と我らが世界を滅ぼしてはならない。その為に、それを一個体として認識し、二度とその姿を見せぬようにするしかない。10番目の、存在しない、終わりの精霊エンド。




