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1206回目の世界

 今回の世界では、予想の出来ないことが起きていた。事の始まりは、ドラゴンの魂に中身が伴った事だ、それによって2つの変化が起きていた。ドラゴンに自我が芽生えたこと、それは874回目の世界の時点で気づいてはいた。そして、もう一つ。ドラゴンの魂と、人間の魂は、何らかの互換性のようなものがあるようだ。具体的な事は何とも言えない、だが、お互いがお互いを取り込むようだ。まるで、足りないものを補うかのように。


 だが、多少の心配はしても、そこまで危機感を持っていなかった。強いて言えば、フォルフルゴートへの影響を考える程度だ。しかし、こんな事が起きるとは、連鎖的に、破滅へと向かう。我らが、その一任を負ってしまったこと、次は無いようにしなければならない。


 先ず、今回の世界は3つの大きな島と、沢山の小島という、大きな大陸と呼べるものは無い世界であった。大きな島の内、最も大きな南にある島に、我は根を下ろした。イニシエンは最も小さな西にある島、そのものを大きな国とし、航海技術を特に発展させていった。メビウスは、残りの、南東にある島に潜伏している。レアルは、何を思ったのか、北東の島の無い拓けた海に、長い塔を建設し、そこに居る。


 イニシエンの島に住んでいた人間は、順調に航海技術を発展させていき、国の名を〈海制国〉と名乗るようになった。我らの降り立った島にも人間は生活していて、〈海制国〉の干渉から団結し〈エレジア共同体〉と名乗り、社会を構築するようになった。メビウスの潜伏していた島には、元々人間は住んでいなかったが、どこかから集めたのか〈根源教団〉という集団を構成していた。


 そして、ドラゴンだが、基本的には点在する小さな島にばらけてそこに居る。だが、自我を得た影響か、個体によっては人間に接触する存在もいるようだ。〈海制国〉ではドラゴンを懐柔し、空をも制そうという考えも持っているようだ。もう少し、考えて行動するようにと言いたいものだ。


 レアルが度々干渉しては、騒動を起こし、イニシエンは相変わらず寝ぼけたことを言っている。メビウスだが、奴もいつも通り。我らは変わらずこの仕組みを維持している。適度に揺らぎがありながらも、全体としては安定していると言えるだろう。このバランスが永久に続くのならば、今回の世界は長く存続しただろう。短い訳では無い、一つの世界の寿命は、おおよそ二千から三千年だ。そう考えるならば、長い方ではあるか。

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