1087回目の世界
レアルによる魂の乱獲を危惧していたが、それが起きる事は無かった。何らかの条件を満たさなくては、その魂に干渉が出来ない。更には、干渉出来たとして、レアルの用意した身体に適応するかどうかは、別の話であり、多くの従者を造れる訳でも無いようだ。ようやく、適応する魂を見つけたと、やけに興奮していたが、興味がない。そのような事は別のものに言えば良い。
その、条件についてだが、少し思う事もある。我らは生命力を扱うが、魂を持つ人間の生命力は、あまり干渉する事が出来ない。しかし、我らと近しい人間は、生命力の干渉がしやすくなっている。レアルの魂への干渉も、似たようなものなのだろう。そうなると、イニシエンの行動力への干渉も、メビウスの精神力への干渉も、何らかの条件を経て、影響力を強めるのだろうと推測する。
するべき事では無いと言えるが、我が影響下の人間達に、生命力を供給したならば、生存力が上がり、死ににくくなるだろう。おそらく、イニシエンはこれと同じような事をしている。故に、奴の作った国の兵士は、他の人間よりも強い。影響力を上手く使っていると言えるだろう。イニシエンが導く者であり、国の上に立つならば、その国に所属している存在全てが影響下に入る。
だが、我は国という仕組みには向かない。そもそも、この世界に生きている限り、我の影響は少なからず受けている。そして、特に誰かに力を与えるべきではない。強いて言うなれば、人間の側が、我が影響力をどれだけ受け入れているかが重要になるだろう。
メビウスは思想に関する事が条件であるだろうし、レアルは、願いを叶えるかどうかだろうか。少なくとも、在り方に関わりがあるとするのが自然である。管理者が動き過ぎればフォルフルゴートが動く、ならば、影響力を広げ、手を増やすように動く可能性が高いだろう。イニシエンは今までもそのように動いていた、レアルもこれからはそのように動くかもしれない。メビウスは、あれはよく解らない。
どういった状況になるにせよ、我らのやるべきことは変わらない。この世界を守る事こそが、やるべき事だろう。例え、周囲がどのように動こうとも、それは変わりない。




