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ツチノコ  作者: 無銘
9/14

魔獣コケッコウ


魔獣コケッコウは子を守りながら、こちらを警戒し観察している。その隙にコケッコウとの距離を取る。


(ハティ、流石に奴相手に素手では無理がある。土魔術で硬い棒でも作るんじゃ)


スコールにそう言われ、土魔術で自分の獲物を創り出す。硬い棒、硬い棒、硬い棒、硬い棒……

そう念じながら地面から棒を作り出し、ポキン!と地面から地面から切り離した。……簡単に取れたけど大丈夫かなこの棒?


「コ、コ、コ、コ、コ、コ」


棒の心配をしてる時、コケッコウは低く喉を鳴らしながら若干姿勢を前のめりにし、腰を低くして構え始めていた。


(ハティ!!奴が走り出した瞬間目潰しをする!殴り込む準備をしておくんじゃ!!)


(わかった)


そう言い。いつでも走れるように体勢を整え、時を待つ。



…………………



           ドッ!!



コケッコウが力を0から100に一気に切り替え、地面を抉りながら距離を詰めてくる。


速い!鬼の形相で迫ってくるコケッコウに恐れを抱くが、負けじとこちらも走り出す。


(いくぞ!閃光(フラッシュ)!!)


背後から強い光が刺す。その眩い光でコケッコウは驚き、急停止する。


(今じゃ!!奴が視力が回復する前に仕留めるんじゃ!!)


「フッッッ!!」


息を鋭く吐きながら気合いを入れ、腰を最大限に捻り棒の芯がコケッコウの胸を殴打する。


……だがそれでは足りなかった。渾身の一撃は羽に衝撃を吸収されダメージが殆どコケッコウに伝わらなかった。


「ッッッ!!」


渾身の一撃が意味を成さず驚くが、すかさず第二撃と体勢を整えようとするが……


間髪入れずにコケッコウの蹴りが飛んでくる。咄嗟に棒でガードをするが、そのまま押し込まれ棒越しに蹴りが胸につき突き刺さる。


「グゥ!?」


その勢いに耐えられず体が吹き飛ばされ、背中が木に激突し止まる。余りの衝撃に肺の中の空気全てと血を吐き出す。


「ガハ!!」


口の中いっぱいに錆びた鉄の味がし、背中と胸から鈍い痛みを訴えられる。余りの痛みに意識が飛びそうになるが、全ての気力を振り絞って何とか意識を継ぎ止める。


………手にはコケッコウの蹴りを受けてなお折れずにいる棒がある、あの一撃をうけてなお肺潰れず空気を迎え入れ続けている、脚はまだ動くし、意識はある。ならまだ戦える筈だ。腹はすでに括ってある、ここで立たねば本当に終わってしまう。棒を支えにして立ち上がる。


(ハティ!!無理をするでない待っておれ、今治す!!)


スコールは急いでこちらに駆け寄り何やら魔術を使用すると胸と背中の痛みが先程よりはマシになる。


(クッ、やはりワシの治癒魔術の練度じゃ完全には治しきれん。……義姉上ならこの程度一瞬で痛みすらも治すとゆうに)


スコールが姉と自分を比較し、己の未熟さに嘆く。


(大丈夫だスコール痛みはマシになったよ。それよりどうすれば良い?俺の一撃じゃあ、あの羽に邪魔されて大したダメージにならない)


(……幸いな事に奴はまだ視力が回復しておらん。ワシが注意を引きつける間に背後から忍び寄り背に飛び乗れ。その棒を使えばお前さんの力でも奴の首をへし折る事は出来るじゃろう)


(分かった。何とか頑張るよ)




「ワン!ワン!」


作戦を実行する。スコールがコケッコウの正面で吠え奴の注意を引きつけている。コケッコウは視力がまだ回復してないためか、スコールだけを警戒しこちらには見向きもしない。だがこれは好都合だ。早く、それで静かに背後に回る。そして奴の背後を取り、背に飛び掛かろうとした時。



         ピヨピヨ!



俺の後ろでコケッコウの幼体が声を鳴らす。その瞬間コケッコウは素早く後ろに翻し、こちらに走って来た。


ッんのクソ鳥!!コケッコウの幼体に悪態を心の中で吐く。まだ奴は視力が回復仕切っていない。今はまだ子の鳴き声に反応してこちらに戻って来ているだけだ。ならまだチャンスはある。やれる!俺ならやれる!

そう自分の体に喝を入れ、コケッコウの正面から飛び掛かる。


コケッコウは突然自分の体にしがみついて来た者に、驚き羽をバタつかせながら暴れる。


クッ!暴れるな!落ちる落ちる!


必死にコケッコウの羽を掴みながら上り何とか背に乗る。そしてコケッコウの首を絞める。……がやはり力が足りなかった。


コケッコウは首を絞められ更に抵抗を激しくし、体をバタつかせる。


先程のダメージが大きく力が抜けて来た。だがここで落ちてしまえばたちまち踏み潰されてしまう。


落ちるぐらいなら!!


ハティはそう思いながら持っていた棒の先を土魔術で鋭く尖らせる。


「アァァァ!!」


そして最後の気力を振り絞る様に声を出し、コケッコウの目に棒を突き刺す。


「ーーーーーーー!?!?!?!?」


声にならないコケッコウの断末魔が周囲を揺らす。そしてコケッコウは、苦しみから逃げる様に走り始めた。


……ズブリ…ズブリ


だがそんなのはお構いなしと棒を深く差し込んでいく。

そして遂に、棒は片方の目をも串刺しにし棒はコケッコウの顔を貫通した。

そして両サイドからでた棒をしっかりと掴み、勢いよく体を捻りながらコケッコウから飛び降り……





          ゴキン!!




コケッコウの首が折れる音が辺りに響いた。













《大量の魔素の獲得に成功しました。これより体への定着を開始します。……………名前の更新、ステータスの更新、及びスキルの獲得、魔術の向上に成功しました》

思った動きをキャラクターにそのまま反映しようにも、自分の文章力では無理でした。グリグリ動かす小説家の皆さんは凄いと改めて実感しました。

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