対州式目抜粋(意訳)
今回の話は読まなくても問題ありません
1.家臣の名田を地頭・国人が勝手に没収することを禁じる。しかし年貢が未納である・謀反を起こそうとしている・年貢を不当に搾取している場合は除く。その場合は必ず当主に報告したうえで行わなければならない。
(家臣の土地奪うなよ。奪うなら先に俺に許しをもらってからにしろよ)
2.土地の境界線に関する論争が起きた場合は評定の場でよくよく審議し、原告または被告の不当な訴えであると判断された場合はその者の所領を半分没収する。しかし荒廃した土地を開拓する場合は先に境界線を決めておかなければならない。境界線が判断がつかない場合は双方の主張する境界線の中間を新規の境界線とする。双方が不承知の場合はその土地を没収する。
(土地の問題、評定衆にご相談ください。あ、文句あるなら没収ね)
3.訴訟中は権利が凍結されるので訴訟中に実力行使して耕作し、あるいは耕作を妨害した場合は道理の有無にかかわらず没収する。しかしそれが子孫に及ぶことは不憫であるため家督を継いだ時に返還される。
(裁判中に実力行使したら次の世代まで没収ね)
4.譜代の家臣を他の主人が元の主人に断らなく召し使うことを禁じる。譜代の家臣以外で自由に召し使っている家臣が逃亡した場合、20年以上経ったら探し出し連れ戻してはいけない。ただし過失を犯して逃亡したものは除く。
(家臣にFA権は基本的にございません)
5.夜中に知人でも約束したわけでもないものが屋敷に入ってきた場合はとりあえず逮捕して事情を確認した上で処分を決めなければならない。抵抗された場合は殺害しても良い。また、他の屋敷の下女と婚姻した下人が下女の主人に届け出ず、同僚にも伝えていないで下女の元に通っている場合も同じである。ただし逮捕して究明のうえ、通婚が発覚した場合はそのものを追放するべきである。
(不法侵入は逮捕。下人に結婚する自由は基本的にございません)
6.喧嘩に及ぶ輩はいかなる理由があろうとも死罪とする。しかしその責任は本人一人のものであり妻子家族にはなんら関わりのないことで本人が逃亡しない限り咎を受けることはない。
また双方の与力の者が喧嘩の現場にいて怪我を負いあるいは死亡したとしても、加害者を訴えることはできない。
(喧嘩は死罪。どちらかに味方して死んでも知らん。家族は関係ないけどね)
7.家臣の喧嘩や盗賊行為の咎は主人には関わらない。しかし喧嘩の詳細が明らかにならず、子細を詮議すべきなどと称してそのまま保護して抱えておくうちに家臣が逃亡した場合は主人の所領の十分の一を没収する。所領がない場合はそれ相応の罪科に処す。
(家臣の喧嘩には主人は関係ないけど逃すなよ)
8.子供の喧嘩のこと、子供の事であるから是非の詮議におよばない。ただし、両方の親が制止するべきところを喧嘩をけしかけ、鬱憤ばらしの行為におよぶようであるなら父子ともに同罪として処刑する。なお、子供とは元服前のものを指す。
(子供の事だからねぇ。親が関わってなければ注意ぐらいな)
9.主人より知行を許された田畑の無思慮勝手な売却を禁ずる。ただしやむを得ない場合は主人より許可を得てから売却しなければならない。また、他国人の非官人(家臣ではない人のこと)に許した知行地をいわれなく奪って売却することを禁じる。
(勝手に主人がくれた土地を売ってんじゃねーよ。他所からも奪って売るなよ)
11.家臣間で借米・借金をする場合の利息は初年度は当事者の間で決め、次の年からは単利計算で借米・借金2に対して1払わなければならない。返済日より1年以上経っても返済されない場合は評定に訴えるべし。なお、対州式目が施行される前に契約したものは除く。
(2年目からは利息は50%ね。借金のご相談は評定衆へ)
12.宗の領国の秩序維持を行なっているのは宗であるのだから幕府権力による守護不入地を認めない。
(自分のことは自分で出来るから幕府はほっといてよ)
13.宗の領国では年貢を四公六民とする。また、職人は物納とする。家臣がこれ以上の年貢を取り立てている場合は知行の三分の二を没収する。
(民には優しくしようぜ。しなかったら没収な)
14.宗の領国内にある寺社は全て宗派を明らかにして政治に関わらない旨を誓った誓紙を届け出よ。許しを得ずに教えを説く場合は敵意ありと判断する。
また、諸宗派間での宗教論争を禁じる。
(政教分離は政治の原則です)
15.宗家のものは勝手に他国より嫁にとる、あるいは婿にとる、また嫁に出すことを禁じる。
(勝手に他所のものと結婚するな)
16.他国人が宗家の許可なしに一度でも戦闘行為および軍事行動に加わることを禁じる。
(他所のものがうちの戦に勝手に口を出すな)
17.宗家当主を含む宗家の領国に住むものはこの法を守らなければならない。
今回から更新が不定期になります。




