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黒猫日和♪  作者: ねこぱんちw
8/16

不器用な女性冒険者とバレンタイン

不器用な女性のバレンタインのお話。

書いてみたらノリノリで脱線していきました♪

ふうぅ・・・

何度目かのため息が出る。

Xデーまであと数日!何時まで悩んでいても仕方ない、私に出来ないことは解っているのだから・・・

意を決し、ギルドの扉を開ける。

目指すは受付嬢。

ツカツカツカッと早足で受付嬢の前に立ち、何時ものセリフを発する私がいた。

「アニー、依頼を頼む!」

「またですかルミネさん!?」

呆れ顔の受付嬢。

何と言われようとも私はこの依頼を出す!

それしか私に残された方法は無いのだから・・・


ネロです。

2月になるとギルドから決まって依頼が来ます・・・

指名依頼を受けるのはいいのだけど、その内容が”非リア充の集いへの義理チョコ製作依頼”なのは何とかならないかしら?

男性冒険者たちの切実な思いは理解したいとは思いますが、毎回大量の義理チョコを作らされる私としては・・・

あと何個作ればいいの?ある意味拷問です・・・

教えて神様・・・

「(がんばれ!そして私にも味見を!新作もよろしく!)by料理神キュイジニエ」

「・・・」

神も仏もありゃしない・・・

気を取り直し、本日分の納品にギルドへ向かわなきゃ・・・

はあ・・・ため息が止まりません・・・

「シア、ギルドに行くので馬車の用意を!」

「かしこまりました!」

脳内でドナドナがリピートするのは止められません・・・

憂鬱な気分のままギルドの扉を開き、受付嬢の前へと進む私。


「アニーさん、依頼品の納品です。検品お願いします。」

そんな私に極上の笑みを見せるアニーさん。

「ネロちゃん、今回もお疲れ様。はい、間違いありません。そうそう、ネロちゃんに指名依頼が「失礼します!」入ってるんですが・・・」

アニーさんが最後前言い終わる前にUターンする私。

しかし・・・

「おっと!帰らせないよお嬢!どうあってもこの依頼受けてもらう!」

いつの間にか背後に回りこんだルミネさんが仁王立ちで進路を塞ぎます・・・

男性冒険者有志一同ではなく、今度はルミネさんからの依頼・・・

どちらにしても面倒ごとの予感がヒシヒシと・・・

「自由への逃走!」

フェイントを入れ、ルミネさんを振り切ろうとする私。

しかし、ルーポー&コニアさんが私をブロックします。

「頼む!姉御の依頼受けてやってくれ!」

「私からも頼む!この通りだ!」

「お嬢だけが頼りなんだ!頼む!」

必死にお願いしてくる3人・・・

ふぅぅ・・・

もう、何度目かのため息か忘れました・・・

「解りました。アニーさん、依頼内容を教えてください・・・」

絞り出す様に声を出すのがやっとでした・・・


「またお嬢様のお手を煩わせるつもりですか!」

キッとルミネさんを睨みつけるシア。

「あぁん!お前には頼んでないんだが!」

「いい機会です。ここで生まれてきたことを後悔させてあげましょう!」

「やれるもんならやってみな!」

ギルド内にピリピリした空気が満ちていきます・・・

「「ぶっ殺す!!」」

ガシッと頭上で両手を組み、足は蹴りへの牽制の態勢・・・

あなたたち、千日戦争でもするつもりですか?

あぁ・・・またこの2人は・・・

犬猿の仲って本当にあるのね・・・

「お!いつものが始まるぞ!」

「賭けるやつはいないか!俺はメイドに賭けるぞ!」

「馬鹿野郎!ルミネ一択だろうが!」

「他に賭ける奴はいないか!まもなく締め切るぞ!」

ギルド内の冒険者たちも慣れたもの、すっかり恒例の賭け事が始まっています・・・

私は今のうちにアニーさんから依頼内容を聞いておきましょ。


アニーさんから聞いた依頼内容によると、ルミネさんにバレンタイン用の料理(お菓子作り)を教えるだけの簡単な案件。

これってルミネさんに春が来たってことかしら!?

相手は誰!?

普通なら難しい依頼ではないし、祝福したいのだけど、鑑定持ちの私にはルミネさんの致命的欠点(ステータス)が見えちゃうわけで・・・

乱闘中の2人に割ってはいる私。

「はい、そこまで!ルミネさん、最近ギルドカードを更新したのは何時ですか?」

「「「お嬢!それは無いだろ!」」」

「「「俺の賭金が!}」」

それにクレームをつけてくる冒険者たちを睨みつけるシア・・・

指をポキポキと鳴らしながら威圧します。


「数日前のはずだがそれが何かあるのか?」

そっとアニーさんに視線を向ける私。

私の視線の意味を理解してくれたらしく、ルミネさんを受付に呼ぶアニーさん。

「ルミネさん、ちょっと更新してみましょう!」

「???」

意味が解らないままギルドカードを更新するルミネさん。

そのやり取りを不思議そうな顔で見つめるルーポー&コニアさん。

「お嬢、姉御に何かあるのか?」

「何があるんです?」

2人からの質問に苦笑する私。

そしてギルド内に響き渡るルミネさんの絶叫・・・

「なんじゃこりゃぁぁぁっ!!!!」


アニーさんが印字した簡易ステータスを見てプルプルと震えるルミネさん。

その理由は、彼女の新しい称号にあります・・・

それがこちら・・・


味音痴:調理された料理に味が足りないと言い、トマトケチャップを塗りたくる者は味音痴としか形容出来ない!味が薄いと感じるのは汝の舌がおかしいのだ!by料理神


料理の冒涜者:至高の料理人が調理したあらゆる料理にトマトケチャップを塗りたくる暴挙を繰り返す汝に料理を食す資格無し!トマトケチャップだけを舐めて生きていけ!ましてや料理をするなどありえない!料理を侮辱するな!by料理神


あの料理を食べてれば幸せって豪語していた料理神キュイジニエさんをここまで激怒させるなんて何をやらかしたのこの人・・・

そっとルミネさんが持つ簡易ステータスを覗き込んだルーポー&コニアさんも流石にこの事態は想定していなかったみたいです・・・

「あれか・・・先日の高級レストランで姉御がいきなりステーキの味付けが足りないって騒いでトマトケチャップを要求した一件か・・・」

「そして大量のトマトケチャップをぶちまけてステーキを平らげ、味付けが薄いとレストランにクレームをつけ、それを聞いた料理長が厨房から飛び出してきてルミネと口論になり、私たちが平謝りをしたんだったな・・・」

そして遠い目をする2人・・・

うわぁ・・・その場にいなくてよかった・・・

ルミネさんとだけは食事するのは止めましょう・・・


「お嬢は鑑定持ちだったんだな。だからルミネのことが・・・」

納得顔のコニアさん。

「えぇ・・まぁ・・・まさかここまで酷いとは思いませんでしたが・・・」

あまりの結果にガックリと項垂れるルミネさん・・・

しかし、私たちにはフォローのしようがありません・・・


結局、ルミネさんに料理を教えるのではなく、普通にチョコを作る依頼へと変更になりました。

彼女の恋は実るのか!?

その相手は誰だったのか!?

そして、料理神キュイジニエの怒りが治まる日は来るのか!?

神のみぞ知るである・・・


基本、不定期更新です。

感想・誤字報告等お待ちしております。

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