漢らしくでいこう!?
ホワイトデーネタが降りてきたので形にしてみました♪
当日には間に合いませんでしたがお楽しみください。
俺の名はガルド。
パレット王国でB級の冒険者をやっている。
その日(2月14日)はいつもと違っていた。
いつものようにギルドの扉を開けると、ある女性冒険者が俺を待ち構えていた。
そこに待ち構えていたのは女性冒険者の中でベテランの部類に入るルミネだった。
「おう、ルミネじゃねぇか!どうしたもじもじして、便所に行ったほうがいいんじゃねぇか?」
俺の発言にプルプル震え出すルミネ。
そして・・・
「ガ・・・ガルドのバカヤローーーーーーーーッ!!」
俺の顔面に赤い包みを投げつけてギルドから走り去るルミネ。
俺はそれを呆然と見つめることしか出来なかった・・・
その後、呆然と立ち尽くす俺を取り囲む冒険者たち。
「ガルド、テメェ裏切ったな!」
「そうだ!俺たち非リア充同盟を裏切りやがった!」
「リア充野郎が!」
「俺たちの友情もこれまでだ!」
「姉御を泣かせやがったな!覚悟は出来てるんだろうな!あぁ!」
「女の敵!」
「この鈍感男!」
「無神経の脳筋野郎!」
あらゆる罵倒と暴力を受け、ボコボコにされる俺・・・
「俺が何したってんだ!いい加減にしやがれ!」
必死に抵抗する俺。
「騒がしいわね!何をしているの!」
そこへ、騒ぎを聞きつけたギルドマスターが現れた・・・
「そ・れ・で、この馬鹿騒ぎの原因は何かしら?うん?」
笑顔だが目が笑っていない・・・
これはやばい奴だ・・・
おい、お前ら、わかっているな?
もちろん!
当然だ!
気持ちは一つ!
視線で会話する冒険者たち。
「「「「ガルドが原因です!!!」」」」
「ちょっと待てーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
俺は仲間の冒険者たちに裏切られた・・・
「そう・・・ガルド、あなたはこっちに来なさい!他の者はさっさと依頼に行きなさい!解散!!」
ギルドマスターの一声で慌しく動き出す冒険者たち。
それを横目に別室へと連行される俺・・・
ドウシテコウナッタ・・・
「アニー、説明を!」
「は・・・はぃぃぃ・・・実は(ごにょごにょ)」
騒動の原因について聞いたギルドマスターの眉間の皺が一層深くなっていく・・・
「ガルド・・・あなたには女心についての特別講習が必要なようね・・・」
怒りのオーラをまとったギルドマスターが有無を言わせぬ強い口調で言って来る・・・
「え・・・まじか・・・?何でそんなものを・・・」
しかし、俺は最後まで言葉を続けることは出来なかった・・・
視線だけで誰かを殺せるんじゃないかってくらい凄い冷たい視線で俺を睨みつけてくるギルドマスター・・・
俺は生きた心地がしなかった・・・
クロエです。
何か私の知らないところで事件が起きていたらしく、ギルドに顔を出したらいきなり特別講習の教官を拝命しました・・・
強制依頼って何!?
私が何をしたと?
誰か説明プリーズ!
「コホン、私が説明しましょう!」
ギルドマスターキターーーーーーーーッ!
「バレンタインデーを広めたのはあなたでしょ?一連の事件(ガルドの失態)の原因の一端にあなたが関与したと判断しました。ゆえにあなたにはガルドへの教官役をお願いします。」
決定事項と言わんばかりに事務的に話を進めてくるギルドマスター・・・
こっちに飛び火した・・・
「基本的なことを教えてくれればいいわ、このお馬鹿さんは女心の基本的な事がゴッソリ抜けているみたいだし・・・」
呆れ顔で私へと依頼してくるギルドマスター・・・
「はあ・・・」
気のない返事をする私・・・
「おい・・・おい!俺の意見は!?」
後ろでガルドさんが何か吼えていますが、無視で・・・
「それでは授業を始めます!」
女教師ルックに身を包んだ私が黒板の前に立ちます。
「おい・・・だから俺は・・・」
「問答無用!アニーさんから色々聞きました!女性からの告白を何だと思っているんですか!今回ばかりはガルドさんが悪いです!!ガルドさんは普段からデリカシーが足りないのです!黙って講習を受けなさい!」
私からの正論口撃とギルドマスターからの冷たい視線のW攻撃で項垂れるガルドさん。
もっと反省して欲しいです!鈍感では許されない事態なのです!
「それでは今回問題になったバレンタインデーについてから始めます。い・い・で・す・か?」
「ぉぅ・・・」
力なく返事をするガルドさん。
ビシバシいきますよ!
カッカッカッカッ!
黒板へと文字を刻んでいく私。
「バレンタインデーとは、女性が普段お世話になった人や意中の男性に気持ちを伝えるためのイベントです。ここまでいいですか?」
「・・・・・・」
返事がない、ただの屍のようだ・・・
口から魂が出ているような・・・
大丈夫かしらコレ?
「ガルドさん、しっかりしてください!いつも男らしいガルドさんは何処へ行ったんですか!」
ガクガクと揺す振りたたき起こす私。
「はっ!?俺は・・・俺は・・・何をしていたんだ!?」
正気を取り戻したガルドさん。
「しっかり理解して男らしい対応をお願いします!」
「おう!漢らしくだな!それなら得意だ!」
何、この自身・・・
逆に不安なんですけど・・・
「ガルドさんにはまだ挽回のチャンスがあります。それがバレンタインデーの男性版、3月14日のホワイトデーです。この日は、男性が普段お世話になっている女性や意中の女性に思いを伝える日になっています。お返しにクッキーを渡すのが一般的ですね。クッキーはハニーラビッツでホワイトデー用の物が販売中なので、これを利用すればいいと思いますよ。(CM!)」
しっかりと宣伝する商魂逞しい私。
アキュウドさんの影響かしら?
「クッキーはハニーラビッツだな?」
私が言ったことをメモしていくガルドさん。
「服装も気を使ってくださいね!い・い・で・す・ね!」
普段の冒険者の服装で告白なんてもっての他です!
「ぉぅ・・・」
「声が小さぁい!もっと大きな声で!腹の底から!」
「オゥッ!」
その後、細かな注意をして本日の講習は終了したわけだが・・・
物凄く不安だわ・・・
そして迎えた3月14日。
冒険者ギルドには場違いな服装のガルドの姿があったとさ・・・
オールバックにまとめられた頭、白いタキシードに真紅の薔薇の花束とハニーラビッツのクッキーで武装したその姿に冒険者たちは視線を逸らして見なかったことにしたとかしないとか・・・
「おい・・あれ・・・」
「馬鹿・・・視線を合わせるな・・・仲間だと思われるぞ・・・」
「お・・おぅ・・・」
「何・・・あれ・・・」
「しぃ!見ちゃダメ!」
そして運命の時がやって来る・・・
「姉御、今日は何の依頼を受けるんで?」
「あたしを姉御って言うな!」
何も知らず冒険者ギルドにやって来たルミネ。
その前に立ち塞がる漢が一人・・・
「ガルドかい?どうしたんだいそんな服着て?」
「ルミネ、この前は俺が悪かった!結婚しよう!!」
シーーーーンッ・・・
突然のプロポーズに静まり返る冒険者ギルド・・・
次の瞬間、その静けさは打ち破られた。
顔を真っ赤に染めたルミネの豪快な右ストレートがガルドの顔面を強打する。
「ガ・・・ガルドのバッカヤローーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
両手で真っ赤に染まった顔を隠しながら冒険者ギルドから走り去るルミネ・・・
「おい!待て!ルミネーーーーーーーーーッ」
ルミネを追いかけようとするガルドの前に立ち塞がる女性冒険者たち。
「待ちな!姉御のところには行かせないよ!」
「この馬鹿!もっとムードを考えられなかったのかい!」
「デリカシーが無さ過ぎだよあんた!」
「ガルド、あなたにはもっと過酷な講習が必要なようね!」
「俺か!?俺が悪いのか!?」
何を怒られているのか理解出来ないガルドであったとさ・・・
その光景を男性冒険者たちは・・・
「勇者だ・・・」
「俺には無理だ・・・」
「あいつ・・・漢だぜ・・・」
尊敬の眼差しで見つめていたのであった・・・
チャンチャン♪
基本、不定期更新です。
イベントごとに更新していきたいと思っています。
「お嬢様、ギルドより指名依頼が出ておりますが・・・」
「シア、見なかったことにして頂戴!私にはガルドさんの鈍感を治療することは出来ません・・・」




