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16.知識

なかなか話が進みませんねぇ。


登場人物たちが引き止めるんですよ。困ったもんです。

マリスは、順調にこの世界の知識を身につけていった。


読み書き、行儀作法など貴族の作法も板についてきた。

また、新しい家庭教師によって、シュタイン家の人間として必要な植物の知識も手に入れた。それは、マリスがほしい知識でもあった。


この世界の植物を知らなければ、『白いごはん』に近づけないからだ。

でも、最近は、『白いごはん』抜きにこの生活を楽しんでいるマリスだった。




今日は、『おばあさん』のイピサと共に、シュタイン家の領地を見に行くところだ。

イピサは時には厳しいが、とてもやさしいおばあさんだ。



執事のセバスに見送られ、ジョンソンが手綱を握る馬車に乗った。



馬車に乗ること20分。



領地の管理施設に、到着した。



そこで、マリスとイピサを出迎えたのは……


「セバス!?」


屋敷で、見送っていたはずのセバスがそこにいた。


「いえ、ちがいますよ。マリスお嬢様。私は、セバスの弟のリバスです。双子のように似ているので、皆様、最初間違えられるのです。」


まるで、双子というよりドッペルゲンガーと言ったほうがいいくらい、執事のセバスと管理長のリバスは良く似ていた。しかも、一卵性双生児というわけでもないらしい。



副管理長はリバスの妻のハリアが勤めている。ハリアは、笑顔の似合う気のいいおばあさんという印象の人である。農村で畑を耕しているのが似合うような、ふっくらした体型で朗らかな人だ。


ちなみに、執事のセバスには妻はいない。昔、ハリアをリバスと取り合ったとか取り合っていないとか……今となっては不明である。




今日は、視察という名目のイピサについて、畑の様子を見ている。

領地一面に整列されて、作物が植えられている。



昔は、いい加減に、良い様に言えば「ダイナミック」に栽培されていた。

しかし、ヴェルトシュタインが作物を安くしか仕入れてくれなくなってからは、計画的に栽培しないと採算が取れなくなった。


また、利益を出すために、新しい農法の開発もする必要があった。


そのため、領地の経営を会社のようにし、優秀な人材を求めることにした。その結果、今ではヴェルトシュタインの仕入れに頼らなくても、独自の販売ルートで作物をさばけるようになった。





「マリス、この畑の維持には、時間と手間がかかっています。でも、畑が荒地になるのは一瞬です。あの屋敷の畑のように。これからも、一層、知識の習得はもちろんですが、植物を愛するということを忘れないようにしなさいね。」


畑のあぜ道を歩きながら、イピサは語った。


「はい、おばあさま」


マリスは、屋敷の畑に何か、秘密があるような気がしていた。


第2章はもっとさくっと終わるはずだったんですが・・・なぜでしょう。

まだまだ続くようです。


おばあさんが思ったより寡黙なようで困ります。

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