13.単子葉類
ユニークアクセス1万こえました。
ありがとうございます。
御礼企画として、番外編を考え中です。
本日、シュタイン家に来るはずだった家庭教師の先生は手違いで来れなくなったらしい。
家庭教師には、オランジュ家の準貴族の方が来るという話しをきいて、マリスは期待していた。
――孤児院でお兄さん的存在だった、ディークがオランジュ家の準貴族だからだ。
マリスの精神年齢は高いが、右も左も分からない異世界では子ども同然だった。ディークはそんなマリスにいろいろと教えてくれた人の一人である。
そのため、ディークに対するマリスの好感度はとても高い……恋愛感情はないが。
オランジュ家は、生活に欠かせないカラクリ作成の一族である。カラクリ作成の貴族は多くいるが、その中でもオランジュ家はカラクリの動力――基礎の部分を開発している。
斬新なカラクリの作成のために、多くの科学者の後見となり、準貴族にしているのである。
シュタイン家にやってくるのは、その準貴族の中でも年配の人らしい。ディークではないことを知って少しがっかりしたマリスだった。
今日は、家庭教師が来ないので、一番暇そうな(←マリスの客観的意見である)庭師兼警備員のおじいさんにシュタイン家の簡単な歴史について、聞くということになった。
そのなかで、衝撃的なことがあった。
この世界では、
「単子葉類は雑草に分類される」
ということだった。
昔、初代シュタイン子爵が子爵に叙された原因となる作物があった。双子葉類と単子葉類の中間の作物(葉の形は単子葉類の植物に良く見られるようにとても細長いが、葉脈は双子葉類の特徴である網状脈をもっている)が、食用にできることを発見し、品種改良したのだ。
その植物は、実の部分は、前の世界の穀物のムギそっくりで、保存がとてもきいた。
それまで、この世界の主食は芋の仲間のウーガだった。年2回とれて、どこでも栽培できる作物だった。
でも、採れ立てをすぐにたべないとまずい。
食べれないことは無いが、好き好んで食べるものではなかった。
それに、徹底的に乾燥させないと、保存が難しかった。
建国時の戦時中は、のんびり乾燥させている暇がなかった。
それに引き換え、ムギそっくりの作物、『マギ』は保存が容易で、加工がしやすくおいしかった。年1回しかとれなくても皆、マギにとびついた。
乾パンのような加工されて、軍用の保存食にも使われた。その軍用食が改良されて、今のパンもどきになった。
……本日の講義のマリスの感想は
『稲を雑草と間違えられて、抜かれたらどうしよう!?』
だった。
明日も短いながら更新します。