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結果的に遅刻をしてしまったことに変わりはないが、必死の形相で息を切らしながら入ってきた綾斗を、担任が咎めることはなかった。


一度も振り返ることなく走り続けたので、猪瀬春太がどうしたのかは知らない。


遅刻を恐れて走ったのか、諦めて歩いたのか、それとも逃げる綾斗を追いかけたのか。


最善は、綾斗が見てしまったことに気づかず、綾斗のことはまったく気にしていないこと。


次善が綾斗に見られたことを知りつつも、マスクを着けていた綾斗が、どこの誰なのか特定できないことだ。


目が合った時の状況からして、最善の可能性は薄いが、次善ならワンチャンある。



『ゲイの木佐綾斗』という存在がこの学校で有名であっても、綾斗自身は少しばかり身長が高いくらいで、常にマスクを着けた俯きがちな陰キャだ。


そこまで目立つタイプでもないため、顔を見ただけで木佐綾斗だと特定することは簡単ではないだろう。



一度、彼がうちのクラスに来た際、話題にされたことがあったけれど、綾斗は俯いていたし、猪瀬春太も興味がなさそうだった。


猪瀬春太には認知されていないと考えてもいいはずだ。


そうであれば、綾斗は猪瀬春太と顔を合わせないようにすればいい。


しばらくの間、猪瀬春太を避けて大人しくしていれば、自分が西脇に片思いしているという噂が流れないことに安心して、猪瀬春太も綾斗を探したりしなくなるのではないか。


実際に猪瀬春太が綾斗を探していたのかはわからないが、その日の午前中は移動教室が多く、猪瀬春太と顔を合わせるということのない順調な滑り出しを果たせた。




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