愛してた
第十四章
「ジンくん、わたしは会えなくても、そばにいられなくても、いいの。
ジンくんと想い合えていることが幸せだよ。」
ミオからのメッセージ。
コウの報道を見たんだな。
俺は…ミオに会いたい。俺が全部守るから。
俺が全部なんとかするから。
ミオは何も心配しないで、俺に任せてくれたらいいのに。
でも、ミオが何を考えているか分かる。
俺のことを一番に考えてくれているんだよね。
俺は何があっても大丈夫だけど。
自分の想いだけでミオを苦しめたくない。
ミオの気持ちも尊重したい。
俺を思ってくれてる気持ちもちゃんと受け止めたい。
きっと何かあったら一番傷つくのはミオだから。
それじゃ、守ってるとは言えないから。
ねぇミオ、この先何があっても…
ミオに出会えて良かった。
「ミオ、心配しないで。大丈夫だよ。俺達の関係は俺が必ず守るから。」
わたしは…ジンくんに会いたい。でも会いたくない。
わたしはもう何も望んでいないから。
ジンくんは何も心配しないで、わたしのことは気にしないで。
わたしの気持ちを最大限汲み取ったジンくんの返信。
大変なときにもわたしのことを一番に考えてくれているんだね。
きっとジンくんはわたしが傷つくことを一番に心配しているはず。
ありがとう。わたしは何があっても大丈夫だけど。
わたしは一緒に守るよ。
ジンくんの心も、わたしの心も。
ジンくんの何もかもを守りたいの。
全部守れる強さが欲しいよ。
ねぇジンくん、この先何があっても…
ジンくんに出会えて良かった。
きっとこの出会いは奇跡だから。
運命の”いと”によって導かれたんだと思う。
そう思うんだ。
ねぇ神様ーーそうでしょ?
ねぇジンくん
ねぇミオ
触れてみたいよ。
温もりを感じてみたい。
手に触れて、頬に触れて、照れてる姿を見たい。
どんな風に笑うの?
どんな風に見つめてくれる?
ねぇミオ
ねぇジンくん
でも分かってる
どれだけ愛してくれてるか
きっとみんな不思議に思うでしょ?
でも分かる、分かるんだ
手に取るように心が見える
だから何も怖くない
信じてる
不安じゃないよ
ふたりにとって
今だけは真実だから
ねぇ…
愛してるよ
愛してたよ、本当に
約束の日、青空にうっすら白い雲がかかっている。
心地よい風が吹く約束の場所。
まぶしい太陽の光に照らされて、二輪のヒマワリが咲いている。
まるで幸せを感じて笑っているように。
空を見上げて、並んで咲いていた。