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白い羽根が舞い散る日  作者: 弓月六花
Act.1  空高く囲われた壁の中の人間の国
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ティアルナ・リーファ・エアルドレッドという人間


 空まで届きはしないけれど、とても高いそびえ立つ壁が遠くに見える。


 王都と呼ばれるそこを守る役割を持つ壁の内郭、そしてそのそこからもっと遠く、広大な土地をぐるりと一周、囲われているこの国はその外と遮断している。ネア大陸と呼んでいるほぼ中央に位置する国――セレスティア。魔力を秘めている事とその類稀なる個人差のある頭脳、カラフルな髪や瞳の色、そして大なり小なり魔術と呼ぶ術を使うことの出来る源を持ってる事以外、外見に何の特色もない、人間と呼ばれる種族の者達が住む国。

 外敵から守るために壁が偉大な魔術師達によって作られた――そうだけど、そんなもの必要ある?

 何年かここに住んでるけど、そんなもの出会ったことないよ。壁の外は別だろうけどね。

「ああ、お腹すいたなぁ」

 いつもの、お世話になってるとこ開いてるかな。

 そんな事を呟き、思いながら、薄暗い道を歩く。動くたびふわりと揺れる黒い衣服と、髪と顔を隠すフードを被りながら。

「……」

 ああ、今日も何処かでやってるんだな。この国を囲う壁に向かって、弾打ち込むの。

 振動こそここに来ないけど、音は聞こえる。そんなに壁の外へ出たいもんかな、この国に不満があるからやってるんだろうけど。

 壁の外に憧れがあるのは結構だけど、間違いなくここより過酷だし、一人でも生きていける術を身に着けてないと死ぬよ?


 ああ、なんでそんな事知ってるかって?


 だって、僕、壁の外から来た人間だもの。セレスティアでは恐れられ、忌み嫌われる一族の者。

 この世で一人しか存在を許される事のない、そんな存在。

 漆黒の髪を持ち、同じ色の瞳を持つ。――黒の一族と呼ばれている、その子孫だから。


 ティアルナ・リーファ・エアルドレッド。――もとい、ティアルナ・ブライトネス。それが髪に黒を持ち、着ている物さえフード付きの黒の衣服を身に着ける僕の名。



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