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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約半年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性があります。予めご了承下さい。

白い羽根が舞い散る日

作者:弓月六花
「……ティアーっっ!!」

 ――ああ、こんな様々な声が行き交う中で、君の声が聞こえる。
 白い髪と、背中に体を覆ってしまえるような大きな白い翼、ハッとするような純白の色を持つ、鳥人族(ちょうじんぞく)と呼ばれる人種族の君。
 誰かが言ったっけ、君の瞳は白じゃなくて暖かな日の光の色だって。

 半面、僕は何かしらの特徴を姿に持たない人間と呼ばれる者。

 強いて言うなら、僕はこの種族の中で、唯一漆黒を持つ人間だという事だろうか。
 人の中で、黒の一族と呼ばれ、恐れられる存在。
 この世界で、ネア大陸と呼ばれるこの地で、たった一人しか存在を許されない、そんな人間が僕だ。
 人間は外見にはっきりした特徴を持たないかわりに、不思議な現象を起こせる力を内に秘めている。
 黒の一族の僕は髪に漆黒を、内に秘める力は誰より強く、様々なすべを持つ。
 そんな現象を目にして、君は幼子のようにはしゃいではすごいすごいと喜んでくれたっけ。
 なら、僕の最期のお願いも聞いてほしい。

「ユキシロ、ごめんね。……さよなら」

 別れを告げる事を、どうか許してね。
 いつも笑ってた君が好きだった。笑って、周りを明るくさせてしまうユキシロが大好きだった。
 幸せなんて、そんな名の付くモノ、数えるほどしかなかった僕の生で、君といる時間はいつも記憶の中で宝石のようにキラキラ輝いてた。
 この記憶ごと、僕自身ごと、流れ出る紅の色と一緒に砕くから。

 ――そうして最後に残るのは、何だったろうか。
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