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記録13 白い祝福

 皆さんこんにちは。13話目です。最近また投稿頻度が落ちて正直もう何日ぐらい空いたのか自分でも把握していません。この話を待ってくれている読者様方は大変申し訳ございません。言い訳は言いませんが、できる限りのことをします。なのでどうか「あ、またこいつ余裕ないんだな」みたいな感じで思いながら温かい目で見てほしいです。

 それでは、本編をそうぞ。

 今日のユスティティア様は何故かいつも以上に忙しなくしている。いや、ユスティティア様だけでなく、光組全員が慌ただしくしている。早朝であるにも関わらず、まるで、何か騒動があったかのようだった。

「そっち、仕掛けは整った!?」

「こっちは大丈夫だー!」

「これで足りる!?」

「足りないって、こんなんじゃ!ちょ、誰か買いに行って!」

 ノースはなんなのか聞くが、ユスティティアでさえもノースのことは眼中になかった。ノースは他の団員に言われるがまま手伝い始めた。


「…ふぅ…。これで一通り準備は終わったね」

 あたりの飾りや団員たちが持っているものでノースは何のことか悟った。天井から床に至るまで華やかな装飾が施され、全員手にはクラッカー、そして、先ほど少し見えた巨大なケーキ。そう、するべきことはただ一つ…。

 エレンディルが眠そうに階段を降りてくると、それと同時に皆口を揃えて言った。

「総長!!お誕生日、おめでとうございま〜す!!」

 軽快な音と共にあたりは祝福の声で満ちていた。エレンディルも初めは頭がまだ起きていなかったからか、口を開けて呆然としていた。しかし、団員たちの一声で瞬時に状況を理解した。エレンディルの顔には見たことのない満々の笑みが浮かんでいた。団員1人1人から祝福を受け、さらにはユスティティアからは青白い宝石のようなものが輝く『流星のネックレス』を受け取った。

「なるほど、本日6月21日はエレンディル様の御誕生日でしたか」

「そう、そして姉さんは今日で肉体年齢は20歳。つまり、最高神様から直接祝福を受ける日でもあるんだ」

 ここセレスティアルでは、20歳を迎える団員1人1人に最高神から祝福を受けるが、総長などのような天界の中でも屈指の強さを誇る人には直接顔を合わせ、より強い祝福を受けることができる。祝福を受けた人々は強い幸福感を感じ、自身の持つ能力がさらに強化されるらしい。単純に力のこともあれば、頭の良さや技術力が強化されることもあるようだ。


 そうして、光組どころか、他団長たちも集い皆あるところに向かっていた。どこへ向かっているのかノースが質問すると、太陽神がいた神殿とは比にならないほど巨大な神殿見えてきた。あたりを見渡すと、かつて訪れたことのある都市が全て見えた。雷の間、生命の間はもちろん、他にも多くの都市があった。煌びやかな黄金の大扉をワルキューレはノックをして重い音を響かせて開けた。

 室内は都市のような煌びやかさはなく、何もない殺風景で真っ白な風景だけが広がっていた。奥にはただ一つ、たった一つだけ宝石などで装飾された玉座だけがあった。静まり返り、群衆の足音だけが響いていた。


「…よくぞ来てくれたな、皆の者」

 その一言で群衆は沈黙した。玉座には誰も座ってなかったはずが、いつの間にか誰か座っていた。髪はノースのような白銀で、瞳は閉じられており、色白の肌の細身の女性だった。年齢はまだ20歳前半と言ったあたりだろうか。若々しさが見てわかるが、それに見合わない厳かで前時代的な雰囲気だった。

「今日は皆も知っての通り、エレンの誕生した日。この日を祝し、私からそなたに『祝福』を与える。エレン、前へ出よ」

 エレンは言葉に身を任せるように前へ歩を進め跪き、目をゆっくりと閉じた。最高神と思わしき人は手を前に出すと、呪文を唱え始めた。

『理に従う自然の事象たち、我が身と魂に集え。そして我、今ここに誓う。この者に汝らの祝福を我が意志により与えん』

Benedictioベネディクティオ Deiディ Supremiプレム


 金色の光がエレンを包むと、エレンの体もその光と共に共鳴するように白く光った。徐々に光が弱くなっていき、完全に消えると、エレンから今までとは比にならないほどの魔力があふれ出した。エレンは目を開き、しばらく自身のあふれ出る魔力に驚愕しながら自身の手を見つめていた。

「...ありがとうございます。これからも、あなた様のためにこの命を懸けて戦います...!」

「うむ、これからもそなたの活躍を期待しておるぞ。

...我らは知っての通り、魔界と戦争をしておる。全てはあの日、今から三十億年ほど前のあの事件。魔界がセレスティアルに襲撃してきたあの日から長きにわたる戦争だ。あの事件とこの戦争にて全てを失った...。大切な家族、物、日常、奴らはすべてを我らから奪い、今もなお、我らからまた一つと奪おうとしている」

 最高神と思わしき人はゆっくりと立ち上がった。

「これ以上、我らのものを奴らに奪わせてはならん。兵士たちよ、奴らを殲滅し、その手を我らの血で汚した忌まわしき魔族どもに永遠の後悔と苦しみを味合わせてやるのだ...!」

 群衆は雄たけびを上げた。


 その後、基地に戻り、いつも通り依頼をしていた光組の団員だが、エレンはいつも以上に活気に溢れており、いつも以上の速さで依頼をこなしていた。これが最高神の祝福なのかと、一同は関心せずにはいられなかった。

「姉さん、なんかいつもよりめっちゃ仕事するね。半日でいつもの5倍くらいの依頼を終わらせて...、ほんとどしたの?」

「別に普通だ。ただ、少し気が高まっちまってな...」

「しかし、これ以上の勤務は心身ともにダメージを負います。一時休憩を――」

「いや、別に大丈夫だ。行ってくる」

 そうして速足で基地を後にした。ユスティティアは少し呆れた顔をしてその背中を見送った。

「...姉さんのバカ真面目のスイッチが入ったかな?ああいう状態の姉さんは、大体何かやらかすんだよね~...」

 ユスティティアは面倒くさそうに届いた荷物を倉庫に運び入れていた。ノースは何か腑に落ちない顔をしてユスティティアの手伝いをする。


「...結局、姉さんはまだ帰ってきてないようだね」

 時刻はもう真夜中。深夜の依頼はもう終わり、ようやく就寝時間だというのに、エレンは一言もこちらに伝えず、帰ってこなかった。せっかく隠して作った料理も冷蔵庫の中に押し込まれていた。

 さすがに少し不安になり、ノースの魔力探知を基に探すが、セレスティアルにはいないようだった。まさかと思い二人は魔界に足を踏みいれた瞬間、エレンの魔力を探知した。すぐさまそこへ向かうと、反応もこちらから近づいてきて、最終的には帰宅途中であろうエレンと遭遇した。エレンの顔や服には赤いものがこびりついていた。しかし、二人はあえてそのことについて言及はしなかった。いや、できなかった。

「お前ら、ここで何をしている...⁉」

 少しキレ気味でそう言うエレン。それに反発するようにユスティティアも文句を言う。

「それはこっちのセリフだよ。何も言わず、夜遅くまでどっか行って...、挙句の果てに夕飯も食べに来ない。団員全員不安に思っていたんだよ?」

 エレンは何かを言いかけたが、不服そうな顔をして黙った。

「まあいいよ。それで?さっきまで何をしてたの?」

「そりゃ、もちろん討伐だ」

「なんの?」

「悪魔だ」

 二人はその血が何なのか初めて理解した。が、ユスティティアはそれに違和感を覚えた。

「...そうなんだ、でもこんな夜遅くに任務や依頼をするときは必ず言って。みんな心配するから」

 そう小言を言って、ユスティティアは基地へ帰った。まるでノースにはそれは何かを隠しているような後ろ姿に見えた。

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