記録10 参上!ビビッとくるアイドル戦士
あけましておめでとうございます、皆様。アカツキです。
最近、投稿ペースが遅くて申し訳ございません。新年が始まる前にせめて10話だけでも終わらせようと思ったのですが、想像の百倍遅くなりました…。
これからも投稿ペースは頑張って早くするつもりでいますが、僕も学生。まずは、目の前の冬休み課題を終わらせます。
僕は基本「できたらやる」みたいな感じでやらせてもらってるので、今後も気長に待っていただけると幸いです。
前書きから長々と語ってしまいましたが、ここまで読んでくださった方、大変ありがとうございます。今年も僕の作品をぜひ読んでください。
皆が憧れ、崇めるのは、ただ彼らの容姿が優れているからだけなのだろうか?そうではないだろう。
翌日、ユスティティアは早朝に青桜の店へ向かい、武器を受け取るとワルキューレから連絡があったらしく、急いで基地へと戻る。3人はパソコンの画面に映っているワルキューレの話を聞く。
「早朝からいきなりすまないが、あの黒い鎧の戦士の痕跡らしきものを見つけた。場所は、『雷の間』の最北端にある電波塔だ。電波塔にやつの鎧に塗られていた毒と同じ成分が付着していた。まだ痕跡は新しい。電波塔周辺をくまなく捜索してくれ」
すぐに武装をした3人は『雷の間』へとワープゲートを使って移動した。そこは、『太陽の間』のような古風な建物ではなく、高いビルが大量に聳え立つ化学の最先端とも言える都市だった。電光掲示板が無数に光り、少し上を宅配業者や乗り物が空を飛び、人が『太陽の間』以上に多く、前に行くことすら難しい。自然に囲まれて長閑に暮らしたいユスティティアにとって、かなり苦痛の場所だった。
「ユスティティア様、顔色が悪いですよ」
「大丈夫だ、ノース。いつものことだ。それよりも、さっさと電波塔に行こうぜ」
しかしここで問題が発生する。ノースが完全に迷子になってしまうのだった。理由はエレンディルがユスティティアの手を掴んで先々進んでしまったからである。機械のノースだが、初めて来る場所で、なおかつ地図やマップすら持っていない状態なので、どうすればいいのか分からず、ただ道の端で立っていた。
そうして途方に暮れていると、騒がしい人混みの音に紛れて、どこからか啜り泣く声がした気がした。まだ幼そうな女の子の声だった。ノースは背伸びをして辺りを見渡すと、向かい側のビルに人混みの影から銀髪の少女が見えた。すぐに向かうと、その少女はノースの腰より少し高いくらいの身長で、真っ白なドレスを着ていた。少女はノースが来たことに気づいていないのか、目をこすりながら静かに泣いていた。
「…大丈夫ですか?どうして泣いているんです?」
その場で少しかがみ、少女に優しく声をかけた。
「…、パパと…、逸れちゃったの…」
鼻を啜りながら少女は話した。ノースは少女を分析し、その情報を頼りに周辺に少女の家族がいないか辺りをスキャンしたが、見つけることはできなかった。
「…パパの仕事場にいけばね、…多分会えると思うの。けど、…私、怖くて泣いてたの…。だからね、…一緒に来てほしいの…」
「…わかりました。お父様の職場へ私もついていきます。道はわかりますか?私はここに初めて訪れたもので、行き先が全く分からないんです」
「大丈夫…。私、わかるから…」
ノースと少女はしっかりと手を繋いで目的の職場へと向かった。少女は相変わらず、少し泣いていた。ノースは少女のために何かできないか考えたが、答えは出なかった。しばらくの間、人混みの雑音で包まれていた。
「おい、そこの女」
少女はその声に酷く驚き、また泣き出しそうになった。ノースは何かと思って振り返ると、そこには荒々しい形相の男性が5人ほどいた。種族は天使2人、仙人が3人だった。
「…なんでしょうか?」
「その女の子をこっちに渡してくれたら、お前には何もしねぇ。さっさとそいつをよこしな」
ノースは少女の怖がる姿を見てすぐに状況をおおよそ把握した。
おそらく、少女とこの子の父親は彼らに追われており、逃げる途中で父親と少女はなんらかの理由で逸れてしまった。理由がどうあれ、彼らの武装や面構えを見る限り、嫌な予感がするのは確かなことだった。
「すみませんが、お断りします。あなたが何者かはご存知ではありませんが、この子はあなた方に怯えています。よって、光組団員として、あなた方を敵対存在として認識します。無駄な抵抗はやめて、直ちに立ち去りなさい」
ノースは少しも焦らず少女の前に立ち、臨戦体制に入った。
「はっ、女一人で何ができるんだよ!」
男たちは一斉に襲いかかってきた。ノースは背中からアームを伸ばすと、少女を掴み背負った。
「しっかり捕まってください」
少女はノースの首に腕を絡ませた。それを確認したノースは電気を生成し始めた。
『電気出力:20% ドライブ』
ほんの一瞬のことだった。ノースは男達が向かっている方向とは真逆の場所に立っており、男達は悲鳴もあげず、その場で倒れた。背中にいた少女も何が起こったのか理解していなかった。
「大丈夫ですか?どこか怪我はありませんか?」
ポカンとしていた少女はノースの声で気がついた。
「あ、うん。大丈夫」
「そうですか。髪以外、特に問題は無さそうですね」
なんのことかと思い、少女はノースからもらった手鏡を見ると、髪が電気のせいで逆立っており、少女は思わず笑ってしまった。ノースはその姿を見て微笑んだ。
「…っくしょう…!この、クソッタレがあぁ!!」
まだ意識のあった男性天使は銃口をノースに向けて発砲した。
(しまった!判断が遅れ——)
その時、落雷の音ともにノースの目の前に現れた。その人は、剣で弾丸を弾いた。
「やあみんな。もう心配しなくていいよ。なぜかって?俺がいるからさ!」
その姿を見た周囲の人たちは歓声を上げ、たちまちスマホで写真や動画を撮り始めた。
「な、お前は…!」
「そう、俺はいつでも光り輝くネオンのアイドル『雷組総長』兼『エレキングのリーダー』、『白牙 雷音』さ!
…さて、俺の大事な娘と関係のない人も巻き込んで、ただで済むと思うなよ?」
白牙は剣先を男達に向け、不適な笑みを浮かべていた。男達は悲鳴をあげて逃げ出したが、白牙は全員電気で麻痺させて動けなくした。
「ふぅ、なんとかなったね」
「パパ!」
少女は白牙に思いきり抱きついた。白牙は微笑みながら少女の頭を撫でた。
「ごめんな、サブ。俺が目を離した隙にあいつらが来るとは…」
「ううん、大丈夫。パパは悪くないもん。それに、あのお姉ちゃんが守ってくれたから」
少女はノースを指刺して、まだ少しボサボサの髪をいじっていた。
「君が守ってくれたのか」
「はい。無事再開できたようですね」
「本当に助かったよ。ありがとう。お礼に何かしたいよ。何か一つお願いしてくれないか?」
「…では、一つお願いしたいことがあります」
一方、ユスティティア達はというと、もうすでに例の電波塔付近に到着していた。
「ふぃー、到着っと。ん?どした?ユスティ。浮かない顔しやがって」
「…、姉さん、気づいてないの?」
「ん?何が?」
「…ノース、途中ではぐれてる」
「…。はあぁ〜!?おい、ユスティ!気づいているならはよ言え!」
「だから何度も言ったじゃん。それなのに姉さん、聞く耳持たなかったじゃん」
2人の言い争う声が辺りに響く。周囲にいた人たちの視線を集め、変な話までし始めていた。言い争いはどんどんエスカレートしていき、いつ喧嘩が起きてもおかしくなかった。
「お二人とも、やめてください!」
声のする方を見る2人。そこにはノースと白牙、少女がいた。
「ノース!」
「ごめん、ノース。無鉄砲な姉さんがガンガン行くせいで」
「誰が無鉄砲だ!テメェの方がいつものらりくらりして何も考えてねぇじゃねぇか!」
「僕は戦い以外基本全てオフなだけで、大切な時は真面目にやってますぅ〜」
また口喧嘩が始まると、ノースは2人の頭を軽く叩き、注意した。
「今回の件について特に何も言いませんが、これ以上言い争うのはやめてください。それでもお二人は光組の総長と副総長ですか?」
大人気ないとしか言いようがないことを指摘され、これにはエレンディルも反発できなかった。ユスティティアに関しては、苦笑いをして誤魔化していた。
「ハハ、ノース君はこの2人のお母さんみたいな人なんだな」
白牙の何気ない一言でノースからオーバーヒートを警告する音が鳴る。
「え!?何!?俺なんか変なことした!?」
「いえ、大丈夫です。エラーが生じただけです」
少しトラブルはあったものの、ようやく本題に入るノースたち。電波塔周辺は広い公園になっており、そこにあったベンチに座って話をすることにした。
「なるほど、ノース君は機械だったのか。それでさっきのアラートがなったのか。すごいクオリティだね。本物の人かと思ってたよ」
「これも、ユスティティア様のおかげです」
「僕は壊れてたのを直しただけだよ」
「とりあえず、一応自己紹介をしておこうか。俺は『エレキングのリーダー』兼『雷組総長』兼『AS社長』の『白牙 雷音』。そして、こっちが俺の子『サブタジアン・クォーター』だ。こう見えて、総長の中でも忙しい人の1人なんだよね〜」
軽い口調で笑いながら言う白牙。満更でもなさそうな顔だった。しかし、ノースは一目見た時、すでに白牙の強さに勘づいていた。一見、無防備で隙だらけのように見えるが、通常の人にはわからない特殊な電波を常に発しており、いつでもどの方向に電撃を放てるようにしている。ノースが機械でなおかつ雷魔法を最も得意とするからわかることだった。しかしノースはあえてそれを口にすることはなかった。
「確かに大変そうですね。ちゃんと睡眠時間と必要な栄養素は確保していますか?」
健康ロボットらしい言葉だ。機械だとわかっているとなおさらそのように感じるかもしれないが、そうでなかったとしても、そう思ってしまうかもしれない程だった。
「まぁ…ね?」
「ノースさん、パパに言ってあげて。パパ、いっつもしょるいを見て困った顔ばっかりしてるの!しかも、3日も寝ないで仕事ばっかりしてた時もあったの!」
「ちょっ!?サブ!?」
「それはいけませんね。サブタジアン様はちゃん寝ていますか?」
「まぁね。私はいつも9時には寝てるよ。パパが早く寝ろって言うのもあるけどね」
「ちゃんと睡眠をとっていますね。睡眠は大切です。脳や体の疲労や老廃物を取り除いてくれるので、睡眠はしっかりととってください。特に、サブタジアン様は成長期ですので、身長を伸ばすためにもしっかり寝てください。
白牙様、仕事も大切ですが、睡眠はしっかりととってください。このままですと、そのうち過労死してしまいます」
「あはは…、気をつけるよ…」
…本当に不思議な機械だ。『これ』を機械と思うのは当たり前のことだろう。だが、『これ』を機械と決めつけられないこの感覚…、これが彼女の魅力でもあるのか…。
「…さてと、そろそろ本題に入ろうか。今回の件について」




