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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第6章 「友」との再会

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第96話 邂逅・2


 ヘリアテス。


 それは、500年に渡る封印から解放された、2柱の「悪しき邪神」の1柱……と、水音ら「勇者」達は、五神教会所属する神官からそう教わった。その為に、


 (きっともの凄く悪そうな顔をしてるんだろう)


 (いや、もしかしたら優しそうな外見とは裏腹に、性格が最悪に違いない)


 と、その頃の水音達は、皆、勝手にそう想像……いや、妄想していた。


 しかし、それから時が流れて、現在、水音達は中立都市フロントラルにある春風と仲間達の家にて、


 「私の名はヘリアテス。今は『邪神』と呼ばれている存在にして、レナ・ヒューズの育ての母をしています」


 と、自身をその「邪神」の1柱、ヘリアテスと名乗った少女と邂逅していた。


 どう見ても10歳から12歳くらいの少女にしか見えない彼女を見て、


 (こ、この女の子が……『邪神ヘリアテス』だって?)


 と、水音は苦しそうに胸を押さえて、タラリと汗を流しながら心の中でそう呟いた。


 もしもこれが冗談だったら、この場合は今の自己紹介を聞いて、


 「うっそだぁ! そんな訳あるかぁ!」


 と、思いっきり笑い飛ばすところだろう。


 しかし、目の前の少女から尋常じゃないくらいのプレッシャーを感じたので、水音達は彼女が嘘、もしくは冗談を言ってるのではないと感じて、何も言う事が出来なくなったのだ。


 そんな水音達を前に、


 「それで、『勇者』の皆さん……私を倒しますか?」


 と、目の前の少女……ヘリアテスそう尋ねられてしまい、水音達はビクッとなった後、少しの間沈黙して、


 「……無理です」


 と、誰よりも早く水音がそう応えた。そして、そんな水音に続くように、


 「俺も無理だわ」


 「うん、僕も」


 「私もぉ」


 「アタシだって……」


 と、進達も口々にそう言って表情を暗くした。


 その言葉を聞いて、


 「あら、意外ですね。てっきり『この命をかけてでも!』とでも言うのかと思っていましたが」


 と、ヘリアテスが本当に意外なものを見るかのような表情でそう言うと、


 『だって、今戦ったら人として終わってしまう気がするから!』


 と、水音ら勇者達は一斉にそう叫んだ。


 叫んだ後、水音は心の中で呟く。


 (無理だぁあ! だってどう見ても10歳くらいの女の子じゃん! こんなの相手にしたら、どう見たって僕らの方が悪者じゃないか! おまけにレナさんの『育ての母』って! という事はここでこの人(?)を倒したら、僕達レナさんから『親の仇』認定されちゃうじゃないかぁ!)


 いや、正確には悲鳴じみた叫びをあげたと言えば良いだろうか。


 そして、ふと水音が「みんなはどう思ってるんだろう?」とチラリと進達を見ると、彼らもまた水音と同じ心境だろうか、皆、辛そうな表情になっていた。


 するとその時、


 「あのぉ、ちょっとよろしいでしょうか?」


 と、キャロラインがそう口を開いたので、水音をはじめとしたその場にいる者達は「ん?」と一斉にキャロラインに視線を向けると、


 「えっと、ヘリアテス……様と呼べばよろしいでしょうか?」


 と、キャロラインは恐る恐るヘリアテスに向かってそう尋ねてきたので、


 「うーん、一応『悪しき邪神』と呼ばれている者ですが、構いません」


 と、ヘリアテスは困ったような笑みを浮かべながらそう応えた。


 それを聞いて、キャロラインは「では失礼します」と言うと、


 「はじめまして。私はストロザイア帝国皇妃、キャロライン・ハンナ・ストロザイアと申します。『神』であるあなた様に無礼を承知で言いますが、少しの間口を開く事をお許しください」


 と、そう自己紹介しつつ、ヘリアテスに向かってそう許可を求めてきたので、


 「ええ、良いですよ」


 と、ヘリアテスは笑顔でそう許可した。


 それを聞いて、キャロラインが「ありがとうございます」とお礼を言うと、ゆっくりと視線をヘリアテスから春風に移して、


 「春風ちゃん、私達に会わせたいのは、こちらの方だけかしら?」


 と、時折ヘリアテスをチラッと見ながらそう尋ねた。


 その質問に対して、春風は「それはぁ、そのぉ……」と言い難そうにしていると……。


 ーージリリリリリ!


 という音が春風のズボンのポケットから聞こえたので、それを聞いた水音達は思わず「何事!?」と驚いていると、


 「やっぱ、そうだよなぁ」


 と、春風はタラリと汗を流しながら、そのポケットに手を入れて、そこから音の発信源を取り出した。


 その発信源を見て、


 「え、何で()()()が鳴ってんだ?」


 と、鉄雄はそう言って頭上に「?」を浮かべた。


 そう、音の発信源は、春風の手の中にある、1台のスマートフォンだったのだ。


 春風の手の中で音を発し続けるそのスマートフォン……以下、スマホを見て、


 (あ、あれ? ここ、異世界だよね? 何でスマホがここで鳴ってるんだ?)


 と、水音が疑問に思っている中、春風はそのスマホを操作した後、


 「はい、もしもし。わかりました」


 と言うと、そのスマホの画面を天井に向けた。


 その行為に水音達が「な、何だ?」と疑問に思っていた次の瞬間、眩い光と共にそのスマホの画面に魔法陣らしきものが描かれて、そこから1人の若い女性が、


 「やっほー、日本の子供達ぃ!」


 と、笑顔でそう言いながら現れた。


 白いワイシャツと青いジーンズ姿をした、長い黒髪を持つ20代くらいのその女性を見て、


 (えええええ! 春風のスマホから何か出てきたんだけどぉおおおおお!?)


 と、水音が心の中でそう悲鳴をあげた後、


 「あ……あなたは?」


 と女性に向かってそう尋ねると、


 「私は天照大神。日の本の『太陽』を司る女神(おんな)。『アマテラス』って呼んで良いからね」


 と、女性は笑顔のまま、水音に向かってそう自己紹介した。


 


 


 


 


 

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