第94話 向かった先は・3
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
「……あの、誰か来てるんですか?」
と、扉の向こうからヒョッコリと顔を出してきた1人の人物。その正体は、長い茶髪を三つ編みにした大人しそうな雰囲気をした少女だった。
その少女を見て、
(オイオイ、今度は何なんだよぉ)
と、水音が戸惑っていると、
「あ、兄さん、レナさん、ディックにマリーさんおかえりなさい」
と、春風達の存在に気付いた少女がそう言ったので、
(ま、まさか……!?)
と、水音が戦慄した。水音だけではない。進らクラスメイト達も、水音と同じように「まさか!?」と戦慄していた。
そんな水音達を他所に、
「「「「ただいま、エステル」」」」
と、春風、レナ、ディック、凛咲がそう返事すると、その返事を聞いて、
(ああ、やっぱり! あの子も一緒に暮らしてるって事なのかなぁ!? ていうか、待って? 今、春風、あの子から『兄さん』って呼ばれてなかった!?)
と、水音は大きく目を見開き、口をあんぐりさせた。
その最中、
「ねぇ」
「何?」
「フーちゃん、今、あの子から『兄さん』って呼ばれてなかった?」
「うん。呼ばれてたね」
と、歩夢と美羽が黒いオーラを纏わせていたが、水音達はそれをスルーする事にした。
すると、
「っ!」
と、「エステル」と呼ばれた少女が、外へ出ようとして春風達以外の存在(水音達の事)に気付き、慌てて家の中へ戻ってしまったので、
「わーエステル!」
「大丈夫! この人達は怖くないから!」
と、春風とディックも大慌てで家の中にいる少女、エステルに向かってそう言った。
その際、
「ま、また俺達、『怖い人』扱いされた……」
と、進達はショックを受けていた。
その時、
「エステルぅ、どうしたのぉ?」
と、エステルの背後に1人の若い女性が現れたので、
「あ、アメリアさんただいま」
と、その女性に気付いた春風が、彼女に向かってそう言った。その言葉を聞いて、
(は、春風ぁあああああ! まさか、あの女の人も一緒に暮らしてるのかぁあああああ!?)
と、水音が心の中でそう悲鳴をあげていると、
「ん? ああ、春風君達おかえ……」
と、春風に「アメリアさん」と呼ばれた女性が、春風に向かってそう言おうとしたが、
「……い、イヴリーヌ様!」
と、アメリアさんと呼ばれた女性…以下、アメリアは、春風の近くにいるイヴリーヌに気付いて、驚きの声をあげると、
「え、エステル! 逃げよう!」
と、アメリアは何故かエステルの肩を掴んでそう言ったので、
「わぁあああああ! 待ってアメリアさん! 2人の事は俺とレナとディックが守りますから! ストップ! ストップゥ!」
と、春風は必死になってアメリアとエステルに向かってそう言った。勿論、レナとディックも一緒にである。
するとその時、
「あの、『断罪官』のアメリア・スターク様…ですよね?」
と、イヴリーヌが恐る恐るアメリアに向かってそう尋ねると、
「わ、私を……知ってるのですか?」
と、アメリアはイヴリーヌに向かってそう尋ね返したので、
「はい。あなたの事は、ルーセンティアの王城内と、五神教会本部でお見かけした事があります。そして、あなたがしてしまった事も」
と、イヴリーヌはアメリアに向かってそう答えた。
その答えを聞いて、
「な、なぁ、『断罪官』って……」
「うん、異端者討伐部隊の名前だ」
「嘘でしょ? あの女の人が?」
と、進、耕、祭がヒソヒソと話し合い、
「「「……」」」
と、水音、絆、祈はタラリと汗を流した。
そんな水音達を他所に、アメリアはイヴリーヌに近づくと、ゆっくりとその場に跪いて、
「……お久しぶりです、イヴリーヌ様」
と、言った。
そんな彼女の様子を見て、
(断罪官……か。何でそんな人がこの場にいるんだろう?)
と、水音がそう疑問に思っていると、何やら周りがザワザワとし出したので、水音は「ん?」と周囲を見回した。
(……ゲ! なんかいっぱい人がいるんだけど!?)
と、水音心の中でそう驚いたように、今、自分達に周りには、多くの都市の住人達がいて、皆、ジィッと水音達を見つめていた。
そんな彼らに視線を受けて、
(ど、ど、どうしよう!? この状況、あんまり良くない気がする!?)
と、水音は恐怖からなのか体をブルリと震わせた。
するとその時、
「あー、皆さん。取り敢えず、中に入ってください」
と、春風がそう助け船(?)を出してきたので、水音達はそれに従って、目の前にある大きな家の中へと入っていった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。