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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第6章 「友」との再会

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第88話 勇者達、敗北する

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 それから少しして、

 

 「お、お騒がせしてしまい、申し訳ありませんでした」


 と、レナは水音を含めた周囲の人達に向かってそう謝罪した。


 ただ、その瞳からはまだ涙が少し出ていたし、時折レクシーをチラッと見ては、すぐに視線を逸らしてしまうので、それを見た春風は何か察したかのような表情で、


 「すみません、ちょっと彼女を落ち着かせたいのですが……」


 と、レナを見ながらオードリーに向かってそう頼み込むと、


 「わかりました。では客室を用意しますので」


 と、オードリーは落ち着いた口調でそう言うと、秘書の女性を呼んで部屋を用意させた。


 その後、


 「お部屋の用意が出来ました」


 と、秘書の女性がそう報告してきたので、


 「ありがとうございます」


 と、春風はそうお礼を言ってレナと共に部屋を出ようとすると、


 「あの、ちょっと待ってください」


 と、レクシーがそう声をかけてきた。


 それに春風が、


 「? 何でしょうか?」


 と、返事すると、レクシーはキャロラインを見て、


 「キャロライン様、無礼を承知でお願いしたい事があるのですが……」


 と、申し訳なさそうに言った。


 その言葉を聞いて、


 「あら、良いわよレクシーちゃん。折角()()に会えたんですもの。いっぱい、お話ししてきなさいな」


 と、キャロラインは満面の笑みでそう言ったので、


 「はい。ありがとうございます」


 と、レクシーはキャロラインに一瞬表情を明るくしたが、すぐに真面目な表情になってそうお礼を言った。


 更に、


 「それじゃあ、私もご一緒させてもらおうかしら」


 と、今度は凛咲が「はい」と手を上げながらそう言ってきたので、


 「え、どうしたんですか師匠?」


 と、春風がそう尋ねると、


 「私も色々と話を聞きたいし、もう何も起きないとは思うけど、一応()()()に、ね」


 と、凛咲は最後に「ふふ」と笑いながらそう答えたので、


 「わかりました」


 と、春風がそう言って、レナ、凛咲、レクシーと共に部屋を出ようとしたその時、


 「ま、待ってくれ!」


 と、水音が大きな声で「待った」をかけてきた。


 突然の事に春風は「うお!」と驚いた後、


 「ど、どうしたんだよ水音? そんなにデカい声出して……」


 と、春風は水音に向かってそう尋ねた。よく見ると、水音は何やら複雑そうな表情を浮かべていたので、


 「水音?」


 と、春風が首を傾げていると、水音は意を決したかのように一歩前に出て、


 「れ、レクシー……さん」


 と、レクシーに声をかけた。それにレクシーが「はい?」と返事したが、


 「あ……あの……」


 と、水音はそれ以上言葉が出ないのか、はたまた別の理由なのか、それ以上言葉を出せずにいた。


 水音だけではない、進、耕、祭、絆、祈の5人も、レクシーを見て何か言おうとしたが、水音と同じように言葉を出せずにいた。


 その様子を見て、レクシーは1歩前に出て、


 「皆様、今まで黙ってて、申し訳ありませんでした」


 と、深々と頭を下げながらそう謝罪した。


 その謝罪を聞いて、水音や進達が「う、あ、あの……」と何か言おうとしたその時、


 「あ、あの!」


 と、イヴリーヌがそう声をあげてきたので、


 「あらあら、どうしたのイヴりんちゃん?」


 と、キャロラインが穏やかな口調でそう尋ねると、


 「れ、レクシー様、確認したい事があるのですが」


 と、イヴリーヌはレクシーに向かってそう言った。その際、「あれ? 無視かしら?」とキャロラインがそう呟いていたが、それをスルーして、


 「はい、何でしょうか?」


 と、レクシーがイヴリーヌに向かってそう返事すると、


 「そ、その……レクシー様は、本当に、獣人なのですか?」


 と、イヴリーヌは恐る恐るレクシーに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、レクシーは真っ直ぐイヴリーヌを見ながら答える。


 「はい。私は帝国近衛騎士に所属している身ですが、人々からは『悪しき種族』と呼ばれている獣人の1人です」


 その答えを聞いて、イヴリーヌはショックで膝から崩れ落ちそうになったので、傍に立つヘクターとルイーズが「い、イヴリーヌ様!」と大慌てでイヴリーヌを支えた。


 それを見て、春風が「どうしたもんか」と言わんばかりの表情をしていると、


 「ぼ、僕も、レクシーさんに聞きたい事があります!」


 と、水音が再びそう声をあげてきたので、


 「は、はい、何でしょうか?」


 と、レクシーがビクッとしながらそう返事すると、水音は真っ直ぐレクシーを見て、


 「そ、その……レクシーさん。獣人って色んなタイプがあるんですか? 例えば猫とか……」


 と尋ねてきたので、


 「ええ、一口に『獣人』と言いましても、様々な種が存在しています」


 と、レクシーは真面目な表情でそう答えた。


 すると、


 「じ、じゃあ、あの! レクシーさんは、何の種の『獣人』ですか!?」


 と、今度は耕が大きく声を張り上げながらそう尋ねてきたので、それにレクシーは再びビクッとしながら、


 「私ですか? 一応この耳と尻尾の形でわかると思いますが、私は『狼』の獣人です。これでも、結構鼻がきく方なんですよ」


 と、自身の耳と尻尾を触りながらそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「そ、それじゃあ……」


 と、水音はそう呟いた後、後ろにいる進らクラスメイト達を見た。


 すると、彼らはお互い顔を見合わせて、真剣な表情でコクリと頷くと、


 『レナさん! そして、レクシーさん(とやら)!』


 と、一斉に声をあげた。


 それにレナとレクシーが、


 「な、何!?」


 「は、はい! 何ですか!?」


 と、一歩引きながらもそう返事すると、水音達は息を荒くして、


 『すみません! その耳と尻尾触って良いですか!?』


 と、レナとレクシーに詰め寄ろうとした……が、レクシーはレナを庇うように前に出て、


 「セクハラで訴えられたいのであれば、構いませんよ?」


 と、笑顔でそう即答した。


 その答えを聞いて、水音達は衝撃を受けた後、


 『すみません! それは勘弁してください!』


 と、一斉にその場に土下座で謝罪した。


 この日、異世界から召喚された「勇者」達は、「悪しき種族」の1つ「獣人」に、()()()()敗北した。


 


 

 

 

 

 

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