第78話 再会・2
ルーセンティア王国の馬車から出てきたもの。それは、ルーセンティア王国で別れたクラスメイト達だった。
その再会に、水音達は表情を明るくしながら、クラスメイト達のもとへと駆け出した。
当然、馬車から出てきたクラスメイト達も、水音達のもとへと駆け出した。
そして、お互いが近くに着くと、
「久しぶりだね、桜庭君達!」
「野守君達も元気そうでなによりだよ!」
「お前ら、ちょっと見ねぇ間に雰囲気変わったんじゃねぇか?」
「へっへーん! 俺ら、帝国で結構鍛えられたからな!」
「……私達だって、あれからルーセンティア王国で訓練を続けてきた」
「そうだな。夕下達も強くなってるのがわかるよ」
と、それぞれがそう言いながら、お互いの再会を喜びあっていた。
そんな中、
(良かった、みんな元気そうで……)
と、水音が久しぶりのクラスメイト達との再会にほっこりしていると、
「……あれ?」
と、何かに気付いたかのような表情になって、
「ねぇ、今来てるのって、暁君達だけ?」
と、クラスメイト達に向かって尋ねた。
その質問に進達が「え?」となって他にクラスメイト達がいないか周囲を見回したが、今この場にいるのは目の前にいる5人だけだとわかったので、
「なぁ暁、先生や他の奴らはどうしたんだ?」
と、進も目の前の5人に向かってそう尋ねると、
「ああ、先生と残りの奴らなら、万が一の時の為にルーセンティアに残ってるぜ」
と、「暁」と呼ばれたクラスメイトの少年がそう答えた。
その答えを聞いて、水音が「そうなんだ……」と返事したその時、
「あー。久しぶりの再会中にちょっと良いかしら?」
と、キャロラインがそう声をかけてきたので、水音達は「ん?」と彼女の方を見た。
表情は笑ってはいるが、
「私達も会話に加えてほしいんだけど……」
という心の声が聞こえた気がしたので、水音、進、耕、祭、絆、祈の6人は、
「「「「「「す、すみません」」」」」」
と、謝罪したが、暁をはじめとした他のクラスメイト達5人は「え?」と皆、ポカンとしていた。
すると、
「な、なぁ桜庭。あの女の人はどちらさんだ?」
と、「暁」と呼ばれた少年が、小声で水音に向かってそう尋ねてきたので、
「ヴィンセント皇帝陛下の奥様のキャロライン様だよ。で、その隣に立ってるのが、皇子のレオナルド様と、皇女のアデレード様。以前ルーセンティア王国に来た、エレクトラ様のお兄さんとお姉さんだよ」
と、水音も小声でそう説明した。
その説明を聞いて、「暁」を含めた5人のクラスメイト達は「え、マジで!?」と小さく驚くと、お互い顔を見合わせて「うん!」と力強く頷いた。
そして、5人が「ちょっと失礼」と言わんばかりに水音達の傍を通ってキャロライン達の前に立つと、まず「暁」と呼ばれた漫画とかに出てくる「熱血漢」を思わせる印象の少年が、
「どうもはじめまして、『勇者』の暁鉄雄と申します!」
と、キャロライン達に向かって元気良くそう自己紹介すると、
「同じく、『勇者』の野守恵樹と申します!」
と、「お調子者」を思わせる印象をした眼鏡をかけた少年も、元気良くそう挨拶した。
更に、そんな彼に続くように、
「同じく、『勇者』の夕下詩織です」
と、長い黒髪の大人しそうな少女と、
「天上美羽です。同じく『勇者』です」
と、眼鏡をかけた長い茶髪の少女も、キャロライン達に向かってそう自己紹介紹介した。
そして最後に、
「海神歩夢です。同じ『勇者』です」
と、先に自己紹介した夕下詩織ーー以下、詩織と同じ黒髪の少女も、キャロライン達に向かってそう自己紹介した。
「あらあらぁ、これはご丁寧に」
5人の「勇者」達の自己紹介を聞いて、キャロラインは大きく目を見開いた後、すぐに穏やかな笑みを浮かべて、
「はじめまして、『勇者』の皆さん。私はキャロライン・ハンナ・ストロザイア。ストロザイア帝国皇帝ヴィンセントの妻です。そして、こちらは息子のレオナルドと、娘のアデレード、双子の兄妹よ」
と、5人に向かってそう自己紹介すると、最後に「よろしくね」と付け加えた。そんなキャロラインに続くように、
「はじめまして。ストロザイア帝国皇子の、レオナルド・ヴァル・ストロザイアだ。よろしく」
「その双子の妹、ストロザイア帝国皇女の、アデレード・ニコラ・ストロザイア。よろしくね」
と、レオナルドとアデレードも、5人に向かってそう自己紹介した。
キャロライン達の自己紹介を聞いて、
『よ、よろしくお願いします』
と、暁鉄雄ーー以下、鉄雄達5人が緊張した様子でそう返事すると、
「うーん。全員水音ちゃん達と名前の呼び方が一緒なのね……」
と、キャロラインが小さな声でそう呟いたのが聞こえたので、
「あ、あの、キャロライン様……?」
と、水音が声をかけると、
「……うん、だったら!」
と、キャロラインはコクリと頷きながら、何かを決意したかのような表情でそう呟くと、鉄雄を見て、
「鉄雄ちゃん、恵樹ちゃん、詩織ちゃんに美羽ちゃん、歩夢ちゃんね!」
と、満面の笑みを浮かべながら言った。
その言葉を聞いて、鉄雄達はキョトンとなったが、
「「「「「……は、はぁあああああ!?」」」」」
と、大きく目を見開きながら驚きに満ちた叫びをあげた。
その後、
「な、なぁオイ! この人ってもしかして……?」
と、鉄雄が小声で水音に向かってそう尋ねると、
「うん。基本的にキャロライン様、相手を『ちゃん付け』で呼んだりニックネームで呼ぶんだよね」
と、水音は遠い目をしながらそう答えた。
そして、鉄雄に続くように、
「も、もしかして、桜庭君達も?」
と、眼鏡をかけた少年、野守恵樹ーー以下、恵樹が小声で水音に向かってそう尋ねてきたので、
「「「「「「あはは……うん」」」」」」
と、水音だけでなく進達までもが、遠い目をしながらコクリと頷いた。
その時だ。
「あのぉ。皆様、ちょっとよろしいでしょうか?」
と、女性のものと思われる声がしたので、水音達はゆっくりと声の方へと視線を移すと、
「皆様、ようこそ『中立都市フロントラル』へ」
そこには、スーツ姿をした1人の真面目そうな感じの女性がいた。




