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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第5章 そして、「運命」は動き出す
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第70話 見えてくる「真実」・3

  お待たせしました、本日2本目の投稿です。


 「もし知ってて、我々に『勇者召喚』をやらせたとしたら、神々は『この世界がどうなっても構わない』と考えているという事になる」


 と、暗い表情でそう言ったウィルフレッドに、


 「まじかよ……」


 「そんな……」


 と、ヴィンセントをはじめとした周囲の人達は、皆ショックで顔を真っ青にした。


 そして、


 (何だよそれ……何なんだよそれ!)


 と、心の中でそう呟いた水音は、怒りで体をぶるぶると震わせながら、拳をぐっと握り締めた。当然だろう、自分達異世界の人間を巻き込んでおきながら、実は「世界などどうでもいい」と考えているかもしれないのだから。


 (そんな連中の所為で、春風は()()()()に巻き込まれてしまったっていうのかよ!?)


 と、ぐっと唇を噛み締め、今にも血が滲み出そうなくらい拳を握る力を強くする水音。そんな水音を、


 「水音……」


 「み、水音君……」


 と、エレクトラと祈は心配そうな目で見つめた。


 するとそこで、ヴィンセントが口を開く。


 「うーん、そう考えると、次は雪村春風の()()()って事になるな」


 その言葉に周囲が「え?」となると、


 「お父様。それは、どういう意味ですか?」


 と、アデレードが尋ねてきたので、


 「いやな、話の流れ的に雪村春風はこの世界の神……って、この場合は五神な。で、その五神を信用出来ないって考えてるとなると、そいつはルーセンティアを出たら何処に向かうのかなって考えたんだけどよぉ」


 と、ヴィンセントは軽いのりでそう答えたので、


 (ああ、確かにそうだ)


 と、水音は納得の表情を浮かべ、握っていた拳を解いた。


 その時だ。


 「それについては、確証はないが1つだけ()()()()がある」


 と、ウィルフレッドがそう口を開いたので、


 「ああ? 一体何なんだいそりゃあ?」


 と、今度はヴィンセントがそう尋ねると、


 「水音殿、『レナ・ヒューズ』という少女を覚えているか?」


 と、ウィルフレッドは水音に向かってそう尋ねてきた。


 その質問を聞いて、水音は「え?」と一瞬ぽかんとなったが、すぐに首を横に振るった後、


 「は、はい、覚えてます」


 と答えた。


 「ん? おいウィルフ、そいつって確か、雪村春風を連れ出したっていうハンターの女の子だよな?」


 と、再びヴィンセントがそう尋ねると、ウィルフレッドはこくりと頷きながら答える。


 「そうだ。そしてこれもギデオンの報告にあがっているのだが……彼女は『獣人』だそうだ」


 その答えを聞いて、水音をはじめとした周囲の人達は、


 『えぇっ!?』


 と、驚きの声をあげた。


 そんな状況の中、


 「何だと? ウィルフ、そいつはまじな話なのか?」


 と、ヴィンセントが更にウィルフレッドに向かってそう尋ねると、


 「ああ。ギデオン報告によると、春風殿との戦いの最中に現れ、目の前で『変身』したそうだ。因みに、彼女は狐の獣人だという」


 と、ウィルフレッドは「いや、もしかしたら同名の他人かもしれないが」と付け加えながらも真面目な表情でそう答えた。


 その最中、


 「な、なぁ、『獣人』って確か……」


 「う、うん、蘇った『邪神ループス』の加護を受けた、『悪しき種族』の1つだよ」


 と、進と耕は小声でそう話し合った。


 そして、2人に続くように、


 「……ああ、そうだ。確か彼女、春風を連れ出す前に、『私なら春風の望むものを用意出来る』って言ってたっけ」


 と、水音もぼそりとそう呟いた。


 その呟きが聞こえたのか、


 「うむ、その通りだ水音殿。そして、もしも彼女が、『邪神』について何かを知ってるとしたら……?」


 と、ウィルフレッドが水音に向かってそう尋ねてきたので、


 「まさか……邪神に会いに行った?」


 と、水音は大きく目を見開きながらそう答えた。


 その答えを聞いた時、


 「ちょ、ちょっと待てよ! あいつ確か、俺達と同じ日にハンターになったんだよな!?」


 と、進がそう尋ねてきたので、水音はこくりと頷きながら答える。


 「そうだ。そしてその日は、僕達のもとを去ってから1週間後の事だった」


 そう答えた次の瞬間、 


 「ま、待って、水音君! それって……」


 と、祈がそう口を開いたので、


 「うん。確証はないけど、春風はもう既に、『邪神』と接触したって事になるね」


 と、水音は再びこくりと頷きながらそう答えた。

 


 


 

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