第68話 見えてくる「真実」
「……なるほど、それらが彼がした『質問』なのですね?」
と、春風から受けた「質問」を聞いたレオナルドがそう尋ねると、
「ああ、そうだ」
と、ウィルフレッドはこくりと頷きながらそう答えた。
その後、レオナルドは無言で考える姿勢をとり、暫くすると、
「お、おーいレオン。なんかわかったのかい?」
と、ちょっとだけ不安になったヴィンセントが恐る恐るそう声をかけると、
「確証はありませんので、あくまで『憶測』の類になりますが……」
と、レオナルドは何処か自信がなさそうにそう言ったので、周囲の人達はごくりと唾を飲んだ。
「恐らく、それらの質問は全て異世界の……『地球の神々』から指示されたものだと思われます」
そう言ったレオナルドに、
「な、なんと、『地球の神々』が!? 一体何故!?」
と、驚いたウィルフレッドがそう尋ねると、
「先程言いましたように、あくまで『憶測』の類になりますが……原因は『勇者召喚』かと思われます」
と、レオナルドは更に自信なさそうな表情でそう答えたので、
「な、何!?」
「おいおいレオン! そりゃどういう意味だ!?」
と、ウィルフレッドとヴィンセントはショックを受けながらも、レオナルドに向かってそう尋ねると、
「ですから、本当に『憶測』なのですが、恐らく今回ルーセンティア王国で行われた『勇者召喚』は……『地球の神々』が認めていない、所謂違法的なものなのかもしれません」
と、レオナルドは顔を下に向けながらそう答えたので、
「「「「「「嘘ぉ!」」」」」」
と、水音ら6人の勇者達はショックを受けた。
その後、
「レオナルド、理由を聞いてもいいかしら?」
と、真面目な表情のキャロラインが、レオナルドを本名で呼びながらそう尋ねてきたので、それにレオナルドはこくりと頷きながら答える。
「まず、雪村春風がウィルフレッド陛下にした質問は6つ。即ち、『何故自分達を召喚したのか?』、『誰が勇者召喚を行ったのか?』、『何を対価にしたのか?』、『召喚に関わった神は誰か?』、『蘇った邪神の名前は?』、そして最後に『邪神を倒した後、自分達に何をしてくれるのか?』なのですが、彼の背後に『地球の神々』がいるとなると、重要な質問は最初の4つ」
「何故僕達を召喚したか」
「誰が俺らを召喚したか」
「何を対価にしたか」
「召喚に関わった神は誰か」
と、そう呟いた水音、進、祭、絆の4人を見て、
「そう。そしてその質問から導き出されるのは……『勇者召喚』を行うには、絶対に守らなきゃいけない『決まり』が存在しているという事と、『勇者召喚』はただの魔術ではなく、エルードと地球、2つの世界の神々が協力して行う、とても神聖なものだという事になります」
と、レオナルドは表情を暗くしながら言った。
その言葉を聞いて、
「ま、待ってくれレオナルド殿。もしそれが事実なら……『地球の神々』が、春風殿にあの質問をさせたという事は……?」
と、ウィルフレッドが顔を真っ青にしながら、レオナルドに向かってそう尋ねると、レオナルドよりも先に、
「……『地球の神々』は、僕達の召喚を認めてない?」
と、ウィルフレッドと同じように顔を真っ青にした水音がそう答えたので、
「……そういう事になります」
と、レオナルドはこくりと頷きながらそう言った。
それを聞いて、
『そ、そんな!』
と、その場にいる誰もがショックを受けていると、
「おい、ちょっと待てレオン」
と、ヴィンセントがそう口を開いたので、
「何ですか父上?」
と、レオナルドがそう返事すると、
「仮に今言ったのが事実なら、そこからもう1つ事実が浮かび上がるんじゃねぇのか?」
と、ヴィンセントは真剣な表情でそう尋ねた。
その質問に水音達が「え?」とヴィンセントに視線を向けると、
「はい、あります」
と、レオナルドはこくりと頷きながらそう答えたので、
「そ、それは、何なのだ?」
と、ウィルフレッドが声を震わせながらそう尋ねると、
「雪村春風は、『勇者召喚』に巻き込まれてこの世界に来たのではなく、『地球の神々』によってこの世界に送り込まれた人間だという事実です」
と、レオナルドは真っ直ぐウィルフレッドを見てそう答えた。




