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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第4章 「帝国」生活開始

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第56話 「そこ」に映ったのは……・3

 今回は、いつもより長めの話であると同時に、後書きに「おまけ」を書きました。


 ーー……まだ、やりますか?


 ーーいや、やめておくよ。


 ーーそ、それまで! 勝者、ハル!


 審判(?)の男性がそう叫んだ瞬間、周囲から歓声があがったところで、映像はマチルダによってストップされた。


 『……』


 映像に出て来た「雪村春風」と「ヴァレリー・マルティネス」の戦い。


 それが、春風の勝利に終わり、それを見た水音ら勇者達だけでなくヴィンセントら皇族達は、あまりの事に口を開けてぽかんとした。


 それから少しすると、


 「すっげぇ。何あいつ、めっちゃ強いじゃん」


 と、ヴィンセントがたらりと汗を流しながらそう口を開いた。


 そして、そんなヴィンセントに続くように、


 「そうねぇ。可愛いだけじゃなく、凄く強い子なのねぇ」


 「ですね。『魔術師』なのにあれだけの接近戦をこなすとは、相当な戦闘センスの持ち主でしょうね」


 「それだけじゃない。おまけに時々、風魔術の『ウインドニードル』で攻撃するだけじゃなく『アクセラレート』で自身の素早さを強化してました」


 「……」


 と、キャロライン、レオナルド、アデレードがそれぞれの感想を言い、エレクトラは未だぽかんとした表情になっていた。


 一方、勇者達の方でも、


 「ま、マジかよ……」


 「ゆ、雪村君って、あんなに強かったんだ」


 「し、信じられないんだけど」


 「ああ、教室での雪村とはえらい違いだな」


 「う、うん。雪村君、凄く静かな人だったよね」


 と、進、耕、祭、絆、祈は、映像越しとはいえ目の前で激しい戦いを繰り広げた春風を見て、普段自分達が知ってる春風との違いにショックを受けていた。


 そして、水音はというと、それまでヴィンセント達と同じようにぽかんとしていたが、


 「……」


 と、真っ直ぐ映像の春風を見つめて、ぐっと唇を噛み締め、左右の握り拳を震わせていた。


 その後、


 「なぁ、水音」


 と、ヴィンセントが水音に話しかけた。


 「……何ですか?」


 「お前、いつかあいつに挑むつもりなんだよな?」


 「……はい」


 「勝てそうか?」


 と、ヴィンセントがそう尋ねてきた瞬間、謁見の間は一気に緊張に包まれた。


 進達だけでなくキャロライン達からも視線を向けられる中、


 「……正直言いますと、全然勝てる気がしません」


 と、水音は本当に正直にそう答えたので、進達とキャロライン達は心配そうな表情になった。


 そんな彼らを無視して、


 「……ああ、俺もそう思うよ。だから、強くなりたいんだろ?」


 と、ヴィンセントが更にそう尋ねてきたので、


 「はい!」


 と、水音は真っ直ぐヴィンセントを見て、はっきりとそう答えた。


 その答えを聞いて、


 「はは! そうだよな!? その為にここに来たんだもんなぁ!?」


 と、ヴィンセントは笑いながらそう言った。


 その後、


 「なぁ、マチルダよぉ」


 と、ヴィンセントは視線を水音からマチルダに移して、


 「映像はこれだけか?」


 と、尋ねると、


 「いいえ。まだ続きがあります」


 と、マチルダはそう言って、ストップした映像の続きを見せた。


 春風とヴァレリーの戦いのあと、


 ーーいやぁ、中々素晴らしいものを見させてもらいましたよ。


 と、いきなり現れた、マチルダと同じようにロングコートをマント代わりにしたスーツ姿の初老の男性が現れたので、


 「げ、あいつは!」


 と、ヴィンセントが驚きに満ちた声をあげたので、


 「? ヴィンセント陛下のお知り合いですか?」


 と、水音がそう尋ねると、


 「ああ、こいつはフレデリック・ブライアント。ハンターギルド総本部の総本部長だ」


 と、ヴィンセントは映像に出てきた初老の男性について、何処か忌々しそうな表情でそう説明すると、


 「でもって、すっげぇ()()()()だ」


 と、最後にそう付け加えたので、水音ら勇者達は「えぇ?」と一歩引いた。


 その後、映像に出てきたフレデリックという男性が、


 ーーふむ、中々良い杖ですね。長さと重さもかなり手頃のようで、打撃武器としても使えるでしょう。


 と、春風が武器として使った杖をそう褒めた後、


 ーーですが、この仕掛けは、ちょっとえげつないんじゃないですか?


 と、杖に仕込んだ鎌の刃を展開したので、


 「げ! あいつ()()()()仕込んでたのかよ」


 「あらあらぁ……」


 『うわぁ……』


 と、ヴィンセントとキャロラインは若干呆れ顔になり、水音達はドン引きしたかのような表情になった。


 更にその後、フレデリックによってその場が解散した後、


 ーーうわ! れ、レナァ!?


 と、小闘技場に残された春風が、観客の1人である白髪の少女に抱きつかれてしまったので、


 「おっ!」


 「あらあらぁっ!」


 と、ヴィンセントとキャロラインは驚きの声をあげて、


 「な!? あ、あの子は!」


 と、水音もその少女を見て驚いた。


 そんな水音に、


 「む! 水音、こいつを知ってるのか!?」


 と、ヴィンセントがまたそう尋ねてきたので、


 「は、はい! 僕達がこの世界に召喚された日に春風を連れ出した、『レナ・ヒューズ』っていうハンターの女の子です!」


 と、水音はまた真っ直ぐヴィンセントを見てそう答えた。


 その答えにヴィンセントが「そうか」と返事した後、みんなで映像の続きを見た。


 ーーよかった。春風が無事で本当によかった。


 ーー……ごめん、レナ。心配かけて。


 と言い合う春風と「レナ・ヒューズ」という少女を見て、


 (……あれ? なんか、仲がいい?)


 と、水音は首を傾げた。


 更に、


 ーーじゃ、行こっか春風……。


 ーーあ、ちょっと待ってレナ。


 ーーどうしたの?


 ーー忘れたかな? 今の俺は……。


 ーーあ! ごめんね。じゃあ行こっか、ハル!


 そう言い合った後、2人は小闘技場を出て行ったところで、


 「とまぁ、映像はここまでです」


 と、マチルダはそう言って映像を切った。


 それから少しの間、謁見の間が沈黙に包まれていると、


 「……ヴィンセント陛下」


 と、水音が口を開いた。


 「……なんだい水音」


 と、ヴィンセントがそう返事すると、


 「ちょっと、叫んでもいいですか?」


 と、水音は顔を下に向けた状態でそう尋ねてきたので、


 「おう、いいぞ」


 と、ヴィンセントがそう許可を出すと、水音はすぐに天井に向かって、


 「何やってんだ、馬鹿春風ぁあああああああっ!」


 と、怒りに満ちた叫びをあげた。


 




 


 


 


 



おまけ)


 「ひえ! ごめんなさい!」


 「ど、どうしたのハル!?」


 「ご、ごめん、レナ。なんか今、すんごい怒鳴られたような気がして……」


 「そ、そうなんだ」


 以上、「おまけ」でした。


 そして、次回で今章が終わりの予定です。

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