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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第4章 「帝国」生活開始
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第50話 「勇者」達、「ハンター」になる・3


 「さ、ここだよ。みんな入んな」


 と、ギルドマスターのマチルダにそう言われて、水音達が入ったのは、大きな楕円形のテーブルと、それを囲うように置かれた幾つかの椅子がある広い部屋だった。マチルダ曰く、そこはマチルダをはじめとしたギルド職員が「会議」に使う為の部屋で、普段は使われる事がないそうだ。


 その後、「座りな」とマチルダに促され、水音達がテーブルの周りに配置された椅子に座ると、


 「こちらをどうぞ」


 と、ライリーが水音達の前に幾つかの書類を差し出したので、


 「あのぉ、これって何ですか?」


 と、耕が恐る恐る手を上げながらそう尋ねると、


 「ん? ああ、そいつは『ハンター』になる為の心得とかを記したものと、新規登録の為の書類だよ。最後まで目を通したら、そこに自分達の『名前』と『職能』を書くんだ」


 と、マチルダはそう答えた後、最後に「いいね?」を付け加えた。


 その言葉に水音達は「わかりました」と納得した後、出された書類を隅から隅まで読み、最後の書類に自分達の名前を職能を記した。


 桜庭水音、職能「神闘士」。


 近道進、職能「瞬剣士」。


 遠畑耕、職能「地導師」。


 出雲祭、職能「剛弓士」。


 晴山絆、職能「滅拳士」。


 時雨祈、職能「司祭」。

 

 そして、それぞれが書いたその書類をマチルダに提出し、マチルダが「どれどれ……」とその書類を見ると、


 「ほぅ、流石は神に選ばれた『勇者』様だね。全員上位の職能ばかりじゃないか」


 と、マチルダはにやりと笑いながらそう言ったので、


 『いやぁ、どうもどうも』


 と、水音達は照れくさそうに顔を真っ赤にした。


 その後、マチルダとライリーはその書類を持って、


 「すぐに戻るから、ちょっと待っててな」


 と言って、2人共部屋から出ていった。


 それから暫くすると、


 「みんな待たせたね!」


 と、マチルダが部屋の扉をばぁんと力強く開けて、ライリーと共に中に入ると、懐から「何か」を取り出して、


 「はいよ」


 と、水音達の目の前にその「何か」を並べた。


 それは、6枚のカードのようなもので、その一枚一枚には水音達の名前と職能が記されていたので、


 「これは……一体?」


 と、水音がマチルダに向かって恐る恐るそう尋ねると、


 「決まってんだろ、あんた達の分の、ハンターの証『ギルドカード』さ」


 と、マチルダは水音に向かってそう答えた。


 その答えに水音達が「おぉ!」と、そのギルドカードを見て嬉しそうに目を輝かせた。


 そんな水音達を、エレクトラ、レクシー、マチルダ、そしてライリーの4人は暖かい目で見ていた。


 その後、マチルダとライリーは水音達に「ハンター」について改めて説明を始めた。そして最後に、


 「……とまぁ、これで『ハンター』についての説明は終わりだよ」


 と、付け加えて、最後に、


 「それじゃあみんな、何か質問とかあるかい?」


 と、尋ねてきたので、進達が「え? えっと……」と何を聞けばいいか考えていると、


 「あの、すみません。ちょっと()()()な質問なんですけど……」


 と、水音が「はい」と手を上げながら尋ね返したので、


 「ん? 何だい?」


 と、マチルダが首を傾げると、


 「その……登録している『ハンター』の中に、『レナ・ヒューズ』と『雪村春風』という人物はいませんか?」


 と、水音は真っ直ぐマチルダを見てそう尋ねた。


 その視線に何やら()()()()()()()を感じたのか、マチルダはちらっとライリーに視線を向けると、


 「わかりました、すぐに確認してきます」


 と、ライリーはそう言って部屋を出ていった。


 暫くして、


 「失礼します」


 と、ライリーが戻って来ると、水音達を見て、


 「すみません、調べてみた結果、『レナ・ヒューズ』の名前はありましたが、『雪村春風』の方は名前がありませんでした」


 と、最後に水音達に向かって「すみません」と深々と改めてそう謝罪してきたので、


 「そう……ですか」


 と、水音はがくりと肩を落とした。


 その後進達は水音を励ましながらも、ハンターについての質問をしていった。


 そして更に暫くすると、


 「じゃあみんな、明日からよろしくな!」


 『ありがとうございました!』


 と、お互いそう言い合うと、水音達はギルドを後にした。


 余談ではあるが、実は水音達が「ハンター」になったのと同じ頃、別の都市で1人の少年も「ハンター」になったのだが、この時の水音達は勿論、マチルダやライリーも知らなかった。


 


 

 

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