第47話 一夜明けて
今回は、いつもより短めの話になります。
「おぉ、結構広いな」
レクシーと別れた後、水音達はそれぞれの部屋へと入った。そこは、ルーセンティアの王城で過ごした部屋と同じくらい広い部屋で、備え付けられた家具もいいものばかりだった。
一通り部屋の中を見回した後、水音は部屋の窓を開けて外の景色を見た。
神聖なものを感じさせたルーセンティアの王都とは違って、近未来都市的な雰囲気をした帝都を見て、
(今日から、ここで過ごすんだなぁ……)
と、水音は心の中でそう呟くと、
「……よし、頑張るぞ!」
と、小さく声に出した。
翌日、水音と5人のクラスメイト達は、朝食を済ませて一休みした後、帝城の前に集まった。
集まってから少しすると、2人の人物が水音達の前に現れた。
1人はヴィンセントに紹介された帝国近衛騎士のレクシー。
そしてもう1人は、
「え、エレクトラ様」
「……やぁ、待たせたな」
ストロザイア帝国第2皇女のエレクトラなのだが、その表情はもの凄く暗く、今にも口から魂が出てくるのではないかと思うくらい、何処か疲れ切った様子だったので、水音は小走りでレクシーのもとに近づき、
「あの、レクシーさん。エレクトラ様、一体どうしたのでしょうか? なんかずっとあんな感じなんですけど……」
と、小声でそう尋ねた。
実は帝都に来て早々にキャロラインに連れてかれて、夕食の時に再会した時点でもうすっかり今のような様子になっていたのだ。そのあまりの様子に何があったか尋ねたが、
「すまない……聞かないでくれ」
と言われてしまったので、水音達は何も聞く事が出来なかった。
そして翌日なった今も様子は変わらなかったので、レクシーに昨日エレクトラに何があったのか尋ねたのだが、
「すみません。いつもの事ですので……」
と、申し訳なさそうにそう言われてしまったので、結局レクシーからも何も聞けなかった。
そんな状況の中、
「さぁみんな、出発しようか」
と、エレクトラが笑顔でそう言ってきたが、暗い表情から無理矢理笑顔になったのか、もの凄く不自然な感じになっていたので、水音達はかなり不安になったが、これ以上は考えるのをやめようと感じて、
『……はい』
と返事した。
それから水音達は、エレクトラを先頭に帝都内を進んでいた。色んな人達が行き交う帝都を見て、
(うわぁ。王都も凄かったけど、こっちもこっちで悪くない。いや、寧ろこっちの方が好きかも)
と、水音は心の中で感動した。
そして、ふとちらっと進達を見ると、みんな水音と同じように、大きく目を見開いて、何処か感動しているかのような様子だったので、
(あ、みんなも僕と同じ思いなのかな?)
と、水音は心の中でそう疑問に感じた。
暫く帝都の中を歩いていると、
「さぁ、ここだ」
と言いながら、とある場所で立ち止まったエレクトラに続くように、水音達もぴたっと立ち止まった。
そんな彼らの目の前にあるのは、かなり立派な造りをした大きな建物で、その出入り口では多くの一般市民を思わせる服装の人達から、背中に大きな武器を背負ったりと武装した人達が出たり入ったりしていた。
その様子を、水音達は「おぉ!」と感心した表情で見た後、
「あのぉ、エレクトラ様。もしかしてここが……ですか?」
と、恐る恐るエレクトラにそう尋ねると、エレクトラは「ああ、そうだ」と頷いて、
「ここが私達の最初の目的地、『ハンターギルド帝都支部』だ」
と答えた。
その答えに水音は「ここが……」と小さく呟いた後、その建物ーーハンターギルド帝都支部を見つめて、
(ここで僕達は……ハンターになるんだ)
と、心の中でそう呟いた。




