第46話 帝城内にて・2
お待たせしました、2日ぶりの投稿です。
そんなこんなで、水音ら「勇者」達と、ヴィンセントら「皇族」達による話し合い(?)が始まった。
話し合い(?)といっても、内容自体は水音達が帝国に行く事になった理由と、水音達のもとを去ったもう1人の異世界人・春風についての話で、大体の事は前日の夜ヴィンセントがキャロラインに話していた為、かなりスムーズに話は進んでいた。
そんな話の中で、
「まぁ。何度聞いても、その春風ちゃんって子の話、とても面白いわぁ」
と、キャロラインが目をキラキラと輝かせていたので、
(あ、これ春風、完全にロックオンされたかも)
と、水音は心の中でそう呟きながら遠い目をした。
その後、
「……よし、大体の予定はこんなところだな」
と、ヴィンセントがそう言ったところで、話し合い(?)は終了となった。そして、ヴィンセントに続くように、
「そうねぇ。水音ちゃん達も長旅で疲れてると思うし、今日は早めに休ませなくちゃいけないわぁ」
と、キャロラインもそう言うと、後ろに座るレオナルドを見て、
「レオンちゃん、悪いけどレクシーちゃんを呼んできて」
と、頼み、
「はい、わかりました」
と、レオナルドはそう返事すると、すっと立ち上がって謁見の間を出ていった。
暫くすると、謁見の間の扉が開かれて、
「母上、連れて参りました」
と言うレオナルドに連れられるように、立派な鎧を纏った1人の少女が入ってきた。
長い栗色の髪を後ろで1つに束ねたその少女は、見たところ水音達と同い年くらい見えるが、かなりの実力者を思わせる雰囲気をしていたので、少女を見た水音達は緊張したのかごくりと唾を飲んだ。
やがてレオナルドは元いた場所に戻ると、少女はヴィンセント達を前に跪き、
「レクシー・グラント。お呼びを受けて只今参りました」
とヴィンセント達に向かって言った。
その言葉を聞いて、
「うむ、ご苦労」
「待ってたわよぉ、レクシーちゃん」
と、ヴィンセントとキャロラインがそう返事すると、ヴィンセントは水音達を見て、
「紹介しよう、ストロザイア帝国近衛騎士のレクシーだ。明日からお前達は、娘のエレン、そしてこのレクシーと一緒に行動してもらう。トップはエレンだが、基本的には彼女の指示に従うように。あ、因みに年齢はお前達と同じ17だが、実力は圧倒的に彼女が上だからな」
と言うと、水音達は「は、はい」とぶるりと震え上がった。そんな彼らを見て、キャロラインは「あらあら……」と小さく笑うと、
「さ、水音ちゃん達にレクシーちゃん。お互い挨拶しましょうね」
と、水音達とレクシーを交互に見ながらそう言った。
そして、キャロラインの言葉を聞いて、
「失礼します」
と、少女はそう言ってすっと立ち上がると、水音達の方を向いて、
「お初にお目にかかります勇者様方。ストロザイア帝国近衛騎士が1人、レクシー・グラントと申します。以後お見知り置きを」
と、少女レクシーはそう自己紹介したので、
「桜庭水音です」
「こ、近道進です!」
「遠畑耕です!」
「い、出雲祭です!」
「晴山絆です!」
「し、時雨祈です!」
と、水音達もレクシーに向かって自己紹介した。ただ、水音以外は緊張のあまり背筋をかなりぴんと伸ばしていたので、それを見たキャロラインは「あらあらぁ……」と、再び小さく笑った。
その後、水音達はレクシーに、これから自分達が寝泊まりする事になる部屋に案内される事になり、全員レクシーと共に謁見の間を出た。
暫く廊下を歩いていると、目的の場所に着いたので、
「こちらが皆様の部屋になります」
と、レクシーがそう口を開いたので、
『ありがとうございます!』
と、水音達はレクシーに向かってそうお礼を言った。
すると、レクシーは何処か申し訳なさそうな表情になったので、
「ん? どうしたんですか?」
と、水音が尋ねると、
「その……私、近衛騎士と言いましても、まだまだ未熟ですので、勇者様方にご迷惑をかけてしまう事もあるかもしれませんが、エレクトラ様共々、明日から改めてよろしくお願いします」
と、レクシーは深々と頭を下げながらそう言ったので、
「ああ、そ、そんな! 頭を上げてください!」
「そ、そうだよ! 俺達の方こそ迷惑をかけちまうのかもしれないし!」
「そうそう、私達『勇者』といってもこの世界の事まだ知らない事だらけだから!」
「う、うん! だから、私達の方こそ……」
『よろしくお願いします!』
と、水音達もレクシーに向かって深々と頭を下げた。
その言葉を聞いて、レクシーは「そ、そうですか」とゆっくりと顔を上げると、きょろきょろと辺りを見回して、
「……よし、誰もいない」
と、小さくそう呟くと、水音達を見て、
「勇者様方」
と、真面目な表情になったので、
『は、はい!』
と、水音達はドキッとなりながら返事した。
すると、
「ちょっと失礼します」
と、レクシーはそう言うと、水音達に近づき、
「……(くんくん)」
と、1人1人、においを嗅ぎ始めたので、
「ちょ、なんだ!?」
「な、何!?」
と、においを嗅がれた進や祭は、驚きのあまり顔を真っ赤にした。
そして、
「失礼します」
と、最後に水音のにおいを嗅いだ。特に、かなり念入りに、だ。
その後、水音のにおいを嗅ぎ終えると、
「……」
と、レクシーは目を細めたので、
「あ、あの……何ですか?」
と、水音がレクシーに向かってそう尋ねると、
「申し訳ありません。ちょっと私の個人的なものでして……」
と、レクシーは本当に申し訳なさそうにそう謝罪したので、
(え? 何? 何なの!?)
と、水音は表情には出さなかったが、心の中でかなり焦った。
そんな水音達を前に、
「失礼しました。では、明日からよろしくお願いします」
と、レクシーはそう言うと、また頭を下げて、その場から立ち去った。
そんな彼女の後ろ姿を見つめながら、
「な……何なんだ? 一体……」
と、水音は進達に尋ねたが、
『さ、さぁ……』
と、進達も訳がわからんと言わんばかりに首を傾げたのだった。
謝罪)
皆様、こちらの都合により2日も投稿を休んでしまい、大変申し訳ありませんでした。
ですが、今日からまた投稿を始めていきますので、遅れる事もあるかもしれませんが、何卒これからもどうぞよろしくお願いします。




