第45話 帝城内にて
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
それから水音達6人は、レオナルドとアデレードに帝城の中を案内された。
中はそれまでいたルーセンティアの王城とは違って、帝都と同じく「近未来」的なものを感じさせたので、水音達は全員「おぉ……」とその雰囲気に見惚れていた。そして、そんな水音達を、レオナルドは暖かな目で見ていたが、アデレードはあまり興味がないのか、真っ直ぐ前を見ているだけだった。
その後暫くの間、帝城の中を歩いていると、
「さぁ、ここが最後だ」
と、かなり大きな扉の前で止まったので、水音達は緊張したのか思わず、
『(ごくり)』
と、唾を飲んだ。
そして、レオナルドによってその大きな扉が開かれると、扉の向こうはとても広い部屋のようで、奥の方には立派な椅子が前に2つ、後に3つの計5つあった。
それを見た水音は「ん?」となって、
「あのぉ、もしかしてここって……?」
と、恐る恐るレオナルドに向かってそう尋ねると、
「お察しの通り、ここはこの帝城の『謁見の間』だよ」
と、レオナルドは笑顔でそう答えたので、
(ああ、やっぱりか……)
と、水音は納得の表情を浮かべた。
それから水音達は、レオナルドに促されるように謁見の間に入った。
更に暫くすると、
「待たせたな」
「レオンちゃん、アーデちゃん、案内ありがとう」
と、水音達が入った扉とは別の扉から、立派な服装に身を包んだヴィンセントと、その妻キャロラインが入ってきた。
そして、2人がそれぞれ立派な椅子……いや、玉座に座り、その後すぐにレオナルドとアデレードも、後にある3つの椅子に座ると、
「さてと、じゃあ改めて……『ストロザイア帝国』にようこそ、『異世界の勇者』達。俺が皇帝の、ヴィンセント・リアム・ストロザイアだ」
「そして、皇妃のキャロライン・ハンナ・ストロザイアよ。よろしくね」
と、水音達に向かって改めてそう自己紹介した。
その後、水音達も改めてヴィンセント達に自己紹介すると、最後に、
「ああ、それと言い忘れてましたが、僕達の祖国では、名前と苗字が逆なんです」
と、水音がそう付け加えると、
「あらそうなの? それじゃあ……水音ちゃん、進ちゃん、耕ちゃん、祭ちゃんに絆ちゃん、で、最後に祈ちゃんね!」
と、キャロラインが笑顔でそう言ってきたので、水音達が「え?」とぽかんとしていると、
「あー、すまねぇな。キャリーは基本的に、相手を『ちゃん付け』で呼ぶんだわ。で、更に気に入った相手だと『ニックネーム』をプラスしてな……」
と、ヴィンセントは手で顔を覆いながらそう説明したので、水音は「は、はぁ……」とたらりと汗を流した。そんなヴィンセントに向かって、
「あら、あなただってよく相手をニックネームで呼んでたでしょ? 特にウィルフちゃんとか」
と、キャロラインが「む!」と頬を膨らませながらそう言ってきたので、ヴィンセントは口笛を吹きながらそっぽを向き、2人の後ではレオナルドとアデレードが「やれやれ……」と呆れ顔になっていた。そして、水音達はというと、キャロラインの言葉に、
(ああ、そういえば……)
と、ルーセンティアでのヴィンセントとウィルフレッドとのやり取りを思い出していた。
するとその時、
(……あれ?)
と、祈が何かに気付いたかのような表情になった後、
「あ、あのぉ、そういえばエレクトラ様はどうしたんですか?」
と、「はい」と手を上げながら恐る恐るそう尋ねると、
「ん? あぁエレンちゃんなら、ちょっとお話し合いした後、お疲れみたいだから先にお部屋で休ませてるの」
と、キャロラインが「おほほ……」と笑いながらそう答えた。
その答えに祈は「はぁ、そうですか……」と返事したが、キャロラインの笑顔から何かよからぬものを感じたのと同時に、だらだらと汗を流すヴィンセントの姿が目に入ったので、
(……これ、この先は絶対に聞いちゃいけないやつだよね?)
(た、多分、そうだと思う)
(うん、ここから先は、聞かないでおこうね)
と、水音達は小声でそう話し合った。
それから少しすると、
「さ、さぁてと! じゃあ、取り敢えず、こうしてみんな集まった訳だし、色々と話し合いといこうじゃねぇか!」
と、ヴィンセントがその場を誤魔化すように手をぱんと叩きながらそう提案したので、
「あらあら、そうね。私もレオンちゃんもアーデちゃんも、水音ちゃん達の世界の事とか、いっぱい聞きたいわぁ!」
と、キャロラインも満面の笑みを浮かべてその提案を受け入れた。
そんな2人を見て、水音達が「あはは……」と苦笑いした後、エレクトラ抜きでの話し合い(?)が始まった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えていたら、その日のうちに終わらせる事が出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。
それと、まことに申し訳ありませんが、明日から1日……もしかすると2日になるかもしれませんが、投稿をお休みさせてもらいます。
ですが、物語はまだ続きますので、何卒よろしくお願いします。