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ユニーク賢者物語外伝 〜青き戦鬼の章〜  作者: ハヤテ
第7章 「邪神」との対決
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第178話 「邪神ループス」、消滅?


 春風の活躍によってラディウス達は退いたものの、ループスは次第に弱っていった。


 その体には幾つものヒビが入っていて、そこからループスの体が少しずつ崩れ出していたので、それを見た水音達がオロオロしていると、


 「はは、そんな顔すんなって。こうなったのは、俺自身が決めた事の結果なんだからよ」


 と、ループスは笑いながらそう言って、最後に「だから気にすんなって」と付け加えたが、


 (そ、そんな、『気にすんな』って……)


 と、その言葉を聞いた水音は、更に顔を真っ青にした。それは、他の人達も同様で、特に一部の女子はショックのあまり両手で顔を覆っていた。


 そんな水音達を前に、


 「それと、爽子殿」


 と、ループスは爽子に向かって声をかけたので、


 「ふあ! は、はい、何ですか!?」


 と、突然の事に爽子はビクッとしながらそう返事すると、


 「爽子殿が俺に放った最後のパンチ。アレ、結構効いたぞ」


 と、ループスは笑顔でそう言った。それを聞いて、


 「え、あ、ありがとうございます!」


 と、固まった表情の爽子がそうお礼を言うと、


 「あ、そろそろヤベェかな」


 と、ループスがボソリとそう呟いたので、それに水音達が「え?」と反応すると、ループスの全身に出来たヒビが更に大きくなって、そこからループスの体がボロボロと大きく崩れ出した。


 それを見て、


 『あ、ああ!』


 (ま、まずい!)


 と、水音を含めた周囲の人達が驚きに満ちた声をあげると、


 「あーあ。この体、カッコ良くて気に入ってたんだけどなぁ」


 と、ループスは穏やかな笑みを浮かべてそう言いながら、ゆっくりと目を閉じた。


 そしてその後すぐに、体が崩れるスピードが段々速くなり、その崩れた部分は光の粒子となって、周囲に溶け込むように消えていった。


 それを見て、


 (る、ループス様!)


 と、水音をはじめとした周囲の人達が悲しみに満ちた表情を浮かべた。特に一部の女子達なんかは、大粒の涙を流しながら「もう見てられない!」と言わんばかりにソッポを向いていた。


 そして、


 「いや……嫌だよ……お父さぁあああああん!」


 と、大粒の涙を流したレナが、ループスに縋り付きながらそう叫ぶと、


 「何だいレナ?」


 と、ループスは体が崩れているにも関わらず、何もなかったかのようにムクッと上半身起こしたので、


 『うわぁあ!』


 と、水音を含めた周囲の人達全員が、一斉に驚きの声をあげた。


 その様子を見て、ループスはキョロキョロと周囲を見回すと、


 「オイオイ、何だよその顔は。『力』を奪われても俺『神様』だから、そう簡単には死なねぇよ」


 と、「アッハッハ……」と笑いながら言ったので、


 「いや、でもループス様、体が……」


 と、春風がループスの体を見ながらそう言うと、


 「ああ、大丈夫大丈夫。この体は言ってみれば『魔力で作った鎧』みたいなもんだ。つまり、作り物なんだよ」


 と、ループスは笑いながらそう説明した。


 それを聞いて、


 『は、はぁ!?』


 (つ、『作り物』だって!?)


 と、水音を含めた周囲の人達が、頭上に幾つもの「?」を浮かべながら再び驚きの声をあげると、


 「でもって……」


 と、ループスがそう言った次の瞬間、とうとう全身が崩れ終わって、その欠片全てが粒子となって消えた。


 その後、水音達がループスがいた場所に視線を向けると、そこには何やら可愛らしい小さな生き物がいて、


 「これが、俺の本当の姿だ」


 と、その小さな生き物は水音達に向かってそう言った。


 その言葉を聞いた瞬間、


 (……え? る、ループス様……だよな)


 水音はそこにいるのがループスだと理解したが、その「本当の姿」というのがどう見ても地球……それも水音達の祖国『日本』に存在している、


 「……豆柴?」


 そう、豆柴だった。


 そして、目の前にいるループスらしきその小さな生き物を見てそう呟いた春風に続くように、


 「豆柴……だよね?」


 「ああ、豆柴……だな」


 「う、うん……確かに、豆柴だね」


 と、水音、進、耕も、目の前にいるループスらしき小さな生き物を見てそう言ったので、


 「オイ、それはどういう意味だコラァ!」


 と、目の前にいるループスらしき小さな生き物……いや、最早ループス本人なのだろう。まぁ、とにかく、豆柴姿のループスがプンスカと怒りながらそう言うと、


 『か……』


 (ん?)


 『可愛いいいいいいいっ!』


 と、歩夢、美羽を含めた女子クラスメイト全員の叫びが響き渡った。


 

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